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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2001年10月16日 平成13年厚生委員会第15号

山加朱美
私も、都立病院改革会議の報告と、今後策定予定の都立病院改革マスタープラン等に関して質問をさせていただきます。
 全国の自治体立病院は、国の医療制度改革の動きや病院経営の大幅な赤字の中で、これからの自治体立病院のあり方を模索しています。その中にあって、東京発医療改革の核として、全国の自治体に先駆け、これからの都立病院のあり方が示されたわけでございますが、内容は小手先の手直しではなく、思い切った再編整備を提案するなど、新たな都立病院の創造を目指すものであり、知事を先頭とする改革の意気込みを高く評価いたします。
しかし、これから作成するマスタープランの中で、各地元自治体や関係団体などと十分に協議を行い、二十一世紀、まさに新しい時代にふさわしい改革が着実に実を結ぶことを心から願います。
 そして、きょうもさまざまな角度からこの問題について質疑がございましたけれども、さらに具体的に何点かお尋ねしたいと思いますが、私は、練馬区でございます。
私の地元である練馬区では、区内に公的医療機関が存在せずに、また、大規模といえる病院は、区が誘致した日本大学光が丘病院のみであります。
人口は六十七万人を有する練馬区でございますが、十万人当たりの病床数は約二百六十床、都内平均の三分の一以下、お隣板橋区と比較いたしますと、六分の一程度となっておりまして、都内の中でも大変な医療過疎の状況にある区もあるわけでございます。
 そのために、練馬区民は、豊島病院と老人医療センターに対しては、近くにある都立病院として大きな信頼を寄せてまいりました。
この二つの大きな病院の統合民営化が打ち出されたわけですから、今後、どのような病院になるのか、心配の声を聞きます。また、区内の医療関係者からは、豊島病院が取り組んできた、まさに都の行政的医療ともいえる精神科救急、ターミナルケア、感染症医療など、これから二十一世紀、ますます大きく必要とされるであろう、そんな行政的医療といえるものが近くからなくなってしまうことへの不安の声も、当然上がっております。
 さて、そんな中、区でも一生懸命病院計画を立てているところもあるわけでございます。
そこで、練馬区の新病院計画についてお尋ねしたいと思います。
 ご案内のとおり、病床と大規模病院の不足に対応するため、区の最重点施策として新病院の整備に取り組んできたわけでございますが、練馬区民からいたしますと、都内の病床、病院の偏在が解消されないままに都立病院が再編されていくことに強い危惧があります。
本来であれば、都立病院を区内に整備してほしいというのが、そもそも区民の願いでございますが、それがかなわない中で、区長が先頭に立って長年にわたり整備に向けて努力を続けていることに、私は強く感銘し、都にも支援を要求していきたいと考えております。
 区は、誘致方式により新病院の整備を図る方針と聞いております。昨今の医療を取り巻く厳しい環境からは、誘致する候補が極めて限られており、運営主体を誘致するための条件、つまり、区が施設整備などにどの程度の補助を行うかが固まらないと聞いております。
そこで、先ほど野村先生からの質疑、そして答弁の中で、区が病院を整備する場合の都の補助制度はあるのかということで、たしか区が区立病院を整備する場合の都の補助制度はないということでしたけれども、病院事業は都の役割とされ、その財源についても区には配分されない仕組みとするならば、都立病院改革の流れからは、このような仕組みを変えていくべきではないかと考えますけれども、この辺はいかがでしょうか。

奥田医療計画部長
ただいまお話をいただきましたように、区が区立病院を整備する場合の都の補助制度でございますが、現在のところございません。
民間病院に対しましては、医療機能の整備を誘導するということで、現在でもさまざまな補助を行っているということで、もし民間病院を誘致するというようなことであれば、これらの補助制度を支援という形でもって実施していくということになるわけでございます。
 いずれにいたしましても、練馬区が計画しております病院の運営形態あるいは機能を見きわめた上で、都財政の危機的状況もございますが、衛生局としても、どのような支援策があるか検討していくということになろうと思っております。

山加朱美
済みません。もう一度、都は練馬区の病院整備計画をどのように受けとめているのか、伺わせていただきたいと思います。

奥田医療計画部長
地域医療の確保を行うために、区が中心となって積極的な取り組みを行うということにつきましては、保健医療行政を担います衛生局といたしましても、大変望ましいことだというふうに考えてございます。

山加朱美
区が整備しようとしている新病院は、小児科などの救急医療に重点的に取り組むとともに、地域医療の中心的な役割を果たす病院であり、運営主体には公共性の高い団体を誘致する方針とのことであります。
これは、都の病院改革の方向にも合致するものであり、都立病院の再編整備に対応して、地域医療を基礎的自治体が担っていこうとする動きであるとも受けとめられます。
 医療圏内の病床の偏在是正や、現在の大きな課題でもあります小児救急医療体制の整備などの点から、区が新病院を整備できるように、都としてはあらゆる点から、でき得る限りの支援を行うべきと考えますが、いかがでしょうか。

奥田医療計画部長
先ほどご説明いたしましたとおり、区の計画している病院の運営形態とか機能等を見きわめた上で、衛生局としてもどのような支援策があるか、検討してまいります。

山加朱美
区の病院計画が計画どおり実現できますように、一層の区への支援をお願いしたいと思います。そして、時間もないことですから、都民が安心して納得できる改革をぜひ実現できるように期待し、また、それを強く要望して質問を終わります。
ありがとうございました。

出典:厚生委員会速記録第十五号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2001-15.html

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