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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2001年12月14日 平成13年厚生委員会第18号

山加朱美
私は、精神障害者の保健福祉施策の充実についての観点から質問をいたします。
 精神障害者保健福祉手帳の所持者の推移というのは、平成七年度三千四百十六名であったものが、平成十二年度、昨年度までですが、一万六千九百三十二名、五年で約五倍近くの数字で増加をたどっているわけでございます。
精神保健福祉をめぐる問題点は、精神障害者の増加、そして、引き続き長期入院の傾向に変化がないということ、家族の高齢化、単身生活精神障害者の増加という現実に対して、現行制度では十分に対応できないなど、たくさんの問題がございます。
 私たちは、現代社会、日々暮らしの中で、家庭内そして学校内、会社内、地域社会の中、至るところでストレスを伴う時代に入りました。
まさに、その精神障害の数を減らす、その増加を減らすということは、早期発見をし、そしてその早期発見をした中で信頼できる判定、対応があれば、その障害等級を下げることも可能と思います。
そのためにも、二十一世紀、今まで以上にその施策の充実が強く求められると思います。
 今回提出された条例案は、精神保健及び精神障害者福祉に関する法律等の一部を改正する法律が来年四月から施行されることに伴い、これに関連する条例の一部を改正するものであるとの説明がございました。
これにより、大きく分けて精神医療審査会及び地方精神保健福祉審議会に係る事務が精神保健福祉センターで行われることとなるわけですが、そこで伺いたいと思います。
 これらの事務がセンターで一元的に行われることとなったのは、どのような理由からなのか、そしてまた、これ以外にも移管する事務があるのでしょうか、伺います。

金田医療福祉部長
精神保健及び精神障害者福祉に関する法律が改正された趣旨でございますが、まず、精神医療審査会についてでありますが、措置入院にかかわる患者からの退院請求や処遇改善請求等を審査するものであり、より一層、その独立性と中立公正な審査の確保を図る必要があること、また、現在、地方精神保健福祉審議会で、通院医療費の公費負担や精神障害者保健福祉手帳の申請に対する審査を行っておりますが、非常勤の委員で構成される審議会で、このような恒常的な事務を行うことは非効率であることから、改正が図られました。
 このため、都としても、精神障害者の保健福祉施策の一層の充実を図るため、これらの事務を精神保健福祉センターに移すこととし、このほか、小児精神障害者入院医療費助成に関する審査事務についても、今回移管される事務と密接な関連があり、一体的に実施することによって住民サービスの充実を図ることとなるとの観点から、あわせてその事務を移すことを予定しております。

山加朱美
今回の事務の移管について、行政の立場からは、精神保健福祉センターの専門性、効率性の観点から適当であると考えますが、一方、担当する部署が変わることは、都民などの利用者にとってはどのようなメリットがあるのか、お聞かせください。

金田医療福祉部長
精神保健福祉センターは、医師、心理職などの専門職員が配置され、精神保健及び精神障害者福祉に関する知識の普及や、心の問題に関する相談等を行っております。
このセンターが専門性を発揮し、各種審査の判定、調整にかかわることにより、審査の迅速化や判定の公正性の向上に大きく資するものと考えております。
 また、地域精神保健福祉におけるセンターの位置づけが一層重要なものとなることから、地域で暮らす精神障害者にとっても、一層信頼され、また、大きな支えとなることが期待できます。

山加朱美
専門性を有する精神保健福祉センターに事務が移管されることで、その機能を有効活用することにより、行政、都民の双方にとってメリットがあり、精神保健福祉施策のより一層の充実が図られることは、今の答弁で十分理解をいたしました。
 そこで、その実現のために、精神保健福祉センターにおける実施体制を十分に確保し、円滑な事業の実施をと考えますが、いかがでしょうか。

金田医療福祉部長
精神保健福祉センターが精神保健福祉に関する中核的機関としての機能を発揮できるよう、事務移管に当たっては、その業務量に基づき所要人員を確保し、事業の円滑な実施に努めていきたいと思っております。

山加朱美
ぜひ都民の立場に立って、弱者の立場に立って、これからも精神障害者の保健福祉施策のなお一層の充実を希望いたします。
ありがとうございました。

出典:厚生委員会速記録第十八号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2001-18.html

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