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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2007年09月14日 平成19年厚生委員会第10号

山加朱美
私は、一九第二二号、東京都立北療育医療センター城南分園の指定管理者制度導入に関する陳情に関して、何点か伺わせていただきたいと思います。
 東京都は、利用者本位のサービスを徹底する福祉改革の一環として、都立施設改革を推進しております。
また、民間でできることは民間にゆだねるという原則を打ち出しているわけであります。
 また、平成十五年九月、地方自治法改正によって、民間の能力やノウハウを幅広く活用して住民サービスの向上、経費の節減を図るために、この指定管理者制度が創設されました。
 さて、この東京都立北療育医療センター城南分園の指定管理者制度導入に関する陳情を審議するに当たっては、民間法人でできるかという点、それから指定管理者制度の導入で利用者のサービスの向上になるのか、この二点がポイントと考えております。
 また、この福田代表を初めとする一万一千六百五十一人の陳情者も、この辺を本当にご心配なさっての陳情ではないかと思っております。
 そこで、まずお尋ねいたしますが、都内にある重症心身障害児、そして肢体不自由児施設の運営形態にはどのようなものがあるのか、確認を含めまして伺わせていただきます。

松浦障害者施策推進部長
運営形態でございますけれども、まず、民間法人が設置運営している施設が十二カ所ございます。
次に、東京都が設置し、直営で運営している施設が五カ所ございます。
三つ目としまして、東京都が設置し、民間法人が指定管理者として運営している施設が三カ所ございます。
このうち、入所機能を持つ施設が東大和療育センターと東部療育センターの二カ所、通所のみの施設は東大和療育センター分園よつぎ療育園一カ所でございます。
そのほかに、国立の入所施設が二カ所、区市町村立の通所施設が二カ所ございます。

山加朱美
運営形態は幾つかある中で、都が設置し、民間法人が指定管理者として運営している施設は、東大和療育センターとこの東部療育センターの二カ所があるということですが、この規模はどのくらいのものなのでしょうか。
 それと、平成十九年九月三日、先日ですけれども、公の施設のサービスの質の向上、安全管理の徹底が図られているかどうか、第三者の視点を含めた、外部委員を含めた評価委員会による平成十八年度の指定管理者管理運営状況評価結果が公表されております。
 たしかこの二施設の評価は、私はAだったと記憶をしているのですが、改めて確認の意味で伺わせていただきたいと思います。

松浦障害者施策推進部長
まず、東大和療育センターでございますけれども、病床数が百二十八床、外来が一日百人規模、通所が一日三十人規模という施設でございます。
社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会が指定管理者として運営しております。
 評価委員会の評価結果でございますが、A、B、Cの三段階のA、おおむね適切な状況ということでございまして、特に利用者本位のサービスの徹底を図っているとともに、地域の障害者児施設に対する協力医療機関としての役割を担い、専門医療に貢献していると評価されております。
 次に、東部療育センターでございますが、病床数が百二十床、外来が一日百人規模、通所が一日三十人規模の施設でございまして、この施設も、先ほど申し上げました社会福祉法人全国重症心身障害児(者)を守る会が指定管理者として運営しております。
 評価結果は、同じくA、適切な状況ということでございまして、特に超重症児者を支える専門性の高い医療及び電子カルテシステム、療育支援システムの活用を含めた療育医療体制の確立を図るなど、利用者本位の施設運営を行っているという評価でございます。

山加朱美
今、部長のご説明で、東大和療育センター、そして東部療育センターは、入所、入院機能を持つ大変大規模な施設であり、指定管理者となっている民間法人が適切に運営をしているということが、ともに評価Aということで、よくわかりました。
 療育施設も民間法人でできる、そして、指定管理者制度を導入して利用者サービスの向上になっていると評価されたのではないかと思っております。

松浦障害者施策推進部長
北療育医療センター城南分園でございますが、肢体不自由児通園施設及び心身障害児者の診療を行う診療所といたしまして昭和四十四年六月に開設され、平成六年十月には在宅の重症心身障害児者の通所事業を開始いたしまして、合計三つの事業を行っているところでございます。
主として、城南地域における心身障害児の地域療育拠点としての役割を果たしております。
 三つの事業の規模でございますが、肢体不自由児通園施設は一日四十人規模、重症心身障害児者通所事業は一日十五人規模、外来診療規模は一日四十人規模ということになってございます。
 それでは、東京都立北療育医療センター城南分園というのはどのような施設なのでしょうか。これも確認の意味でお願いいたします。

山加朱美
城南分園は、肢体不自由児通園、重症心身障害児者の通所、そして外来という三つの機能を持つ施設ということでありますが、細かいことで恐縮でございますが、職員構成はどうなっているのか、できれば職種別に教えていただきたいと思います。

松浦障害者施策推進部長
平成十九年度におきます城南分園の全体の職員数は、三十三名でございます。職種別に内訳を申し上げますと、医師である園長、事務職である次長のもとに、医師一名、看護師五名、福祉職十三名、理学療法士四名、作業療法士一名、言語聴覚士一名、心理職一名、栄養士一名、調理師一名、事務三名というふうになってございます。
 なお、現在、常勤の医師一名が欠員でございまして、非常勤医師で対応しております。
 また、すべての職員が日勤でございます。

山加朱美
最近、医療、福祉の分野、昔は三Kといわれておりましたが、さらにそれに一つ加わって四K、まさに人材確保が困難となっている現場と伺っております。
 特に看護師の不足がいわれておりますけれども、都立の直営施設、また指定管理者施設の看護師の充足状況がどうなっているのか、伺わせていただきたいと思います。

松浦障害者施策推進部長
看護師の充足状況でございますけれども、入所機能のある療育施設につきましては、指定管理者施設も都の直営施設も欠員が生じている状況でございます。
 欠員の状況でございますが、平成十九年八月末現在で、指定管理者である東大和療育センターでは、看護師定数は九十二人でございますけれども、十七人が欠員、東部療育センターでございますが、看護師定数百十二人中十九名欠員というふうになってございます。
両施設とも、非常勤看護師を採用するなどして対応しているところでございます。
 また、都立直営施設でございますが、例えば北療育医療センターにおきましても、再任用看護師を常勤換算いたしましても、二・二人が欠員になっているという状況でございます。
 指定管理者施設も都の直営施設とも、全般的に夜勤のできる看護師が不足している状況でございます。
 また、日勤職場でございます通所、通園施設では、都立直営施設でございます城南分園及び城北分園、指定管理者施設でございます東大和療育センター分園よつぎ療育園とも、看護師の定数五名のところ、五人配置されておりまして、欠員はございません。

山加朱美
城南分園は通所、通園機能のみで、看護師の勤務体系は日勤ということでありますから、看護師は確保されやすいと考えられます。
 また、これまで指定管理者制度を導入した東大和、東部の二つの療育センターは、適切に運営されていると評価されておりますので、城南分園に指定管理者制度を導入することは可能ではないかと考えられますが、次に、城南分園に指定管理者制度を導入する場合はどのように事業者を選定するのか、伺わせてください。

松浦障害者施策推進部長
指定管理者となる事業者を選定する方法でございますが、まず公募を行いまして、そこで応募した事業者から指定管理者を選定するわけでございますが、その際には、福祉あるいは医療分野の学識経験者や、財務内容を審査する公認会計士または税理士など、外部委員を含めた選定委員会を設置いたします。
 その選定委員会でございますが、当該施設を見学するとともに、応募した事業者が提出する事業計画を審査するとともに、必要な職員の確保方法、方策を含めまして、法人の代表あるいは施設の責任者となる予定の者から直接お話を聞く事業者ヒアリングを実施いたします。
 これらの審査には一定の水準を設け、その水準に達している事業者を指定管理者として選定いたします。
 複数の事業者が応募している場合は、一定の水準を満たした事業者のうち、より高い評価を得た者を選定いたします。

山加朱美
第三者委員を含めた委員会で優良な法人が選定をされるということでありますが、しかし、ここで重要なことは、仮に城南分園に指定管理者制度を導入する場合には、これまで指定管理者制度を導入した二つの療育センターと決定的に異なることがあるということだと思うんです。
それは、東大和療育センターは、既に運営受託をしていた法人が指定管理者となり、また、東部療育センターは、開設と同時に民間法人が指定管理者となったもので、職員の入れかえがなかったという点であります。
 そこで、城南分園に指定管理者制度を導入する場合にはどのように行うのでしょうか。

松浦障害者施策推進部長
山加副委員長ご指摘のとおり、城南分園に指定管理者制度を導入する場合は、職員が入れかわるということになります。
 この重症心身障害児者や肢体不自由児の療育につきましては、利用者一人一人、個々の状況に応じてきめ細かな介護や訓練を行う必要がございます。
 そこで、指定管理者の運営になる前に、事前に必要な引き継ぎ期間を設けまして、一人一人の療育計画に沿って引き継ぎ計画を作成するなど、利用者一人一人の特性、介護、訓練内容などについて継承するために、十分かつきめ細かな引き継ぎを実施いたします。

山加朱美
今、小規模施設であるけれども、大変きめ細やかな引き継ぎを行うということをはっきり伺いましたので、その仕組みをつくるということで大変安心をいたしました。
 そして、最後に、城南分園に指定管理者制度を導入するためには、当然、条件整備が必要と考えますけれども、どのように条件整備を進めていくのか、伺わせてください。

松浦障害者施策推進部長
城南分園に指定管理者制度を導入する場合についてでございますが、まず、城南分園を利用している方々の状況等をかんがみるとともに、民間法人が運営する療育施設におけるサービスの提供がどのような状況か、また、人材確保の状況はどのようになっているのかを把握していく必要があると考えております。
 その上で、城南分園を利用している方のご家族に対しまして十分な説明を行った上、先ほど答弁させていただきました円滑な引き継ぎの仕組みなどを整備いたしまして、都が望ましいと考えるサービス水準を確保するための条件を確定していくなどの手順を踏んでまいります。
このようにきめ細かく条件整備に努めてまいる所存でございます。

山加朱美
これまで何点か伺わせていただきまして、東京都立北療育医療センター城南分園に指定管理者制度を導入すること自体は理解できるものであります。
 また、利用者サービスが向上されるという条件が本当に整備されれば、指定管理者制度の導入を妨げるものではないと考えるべきであると意見を申し上げまして、私の質問を終わらせていただきます。どうかよろしくお願いいたします。

出典:厚生委員会速記録第十号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2007-10.html

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