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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2011年6月27日 平成23年厚生委員会第7号

山加朱美
 私からは、三・一一、今回の東日本大震災は、地震、津波、そして原発、その後のさまざまな連鎖反応も含めますと、複合災害を発生させ、その甚大な物的被害をもたらしたわけであります。
 知事がよくおっしゃいますけども、日本は、体感できない地震を含めると、十分間に一度の割合で地震が起こっている。まさに地震大国であるわけでありますが、これまでもたびたび大震災の被害を受けてきたわけであります。しかし、必ずその災害から多くを学び、社会インフラを強固なものとしてきた日本であります。災害を一つ一つ乗り越えることによって、今の日本の繁栄を築いてきたといっても過言ではないわけであります。
 先週、我が党の代表質問でもありましたが、宮城県の中核病院にはライフラインが寸断され、診療機能が失われた病院や、電力の供給が途絶え、そしてついに非常用発電機の燃料も底をついてしまった。そのような病院が患者を自衛隊のヘリで診療機能を維持している別の病院に搬送するなど、転院を余儀なくされたわけであります。
 このことで、診療を、今まで可能としていた病院が次々と診療機能を停止し、また患者も次から次へと病院をかえていくことによって、そのあふれる患者の受け入れが不可能となる、つまり、病院のドミノ倒しが始まったと聞いております。
 都立病院、公社病院は災害拠点病院に指定をされているわけであります。災害時にはその診療機能を継続できるように、ライフラインの整備が進められてきました。
 そこで、改めて病院のライフラインの現状、緊急対策への対応について具体的にお伺いしたいと思います。

黒田経営企画部長
 都立、公社病院の電力、飲料水、災害用資機材などのライフラインにつきましては、東京都地域防災計画に定めております復旧対応期までの七十二時間相当分を確保できるよう整備をしてきたところでございます。
 今回の緊急対策では、まず、すべての都立公社病院のライフラインの状況を詳細に再調査いたしまして、地域によって異なります被害想定なども考慮し、非常用発電機の燃料の増量や受水槽の耐震化を図ることといたしました。
 また、原子力発電所の事故、稼働停止など、電力の不足という新たな社会問題が生じていることからも、病院のエネルギーとして特に電力確保の多様化、分散化が重要であると考えてございます。このため、中圧ガスを燃料とする自家発電システムの導入強化を進めていくことといたしました。この中圧ガスの供給に使われますガス管は、震災や液状化現象で地盤が大きく変位することを想定いたしまして、ひびや割れが生じにくいガス管を採用し、またつなぎ目には特殊溶接をするなどしまして、阪神・淡路大震災クラスへの十分な耐震性を確保しているところでございます。
 また、中圧ガスの供給体制につきましては、東京湾岸の横浜の根岸、川崎の扇島、そして千葉の袖ケ浦にあります三工場がネットワークを構築しておりまして、相互のバックアップ体制も図られてございます。さらに、この自家発電システムによりまして、病院みずからが発電を行うことで電力のピークカットを図るなど、節電という社会的課題へも対応してまいります。

山加朱美
 大変具体的にわかりやすく、ありがとうございます。
 今回の震災後、東京都は、都立病院、公社病院、東京DMAT隊を被災地にいち早く派遣をいたしております。その後も医療救護班を何陣にもわたって送り出したわけであります。現地では刻々と状況が変化いたしました。恐らく患者さんたちの状況も、当初、外科系だった方が内科系となり、そして精神的なケアを要する治療に変化して、患者の状況も刻々と変化していったわけであります。
 発災時のあの大混乱の中で、医療を提供する医療救護班の活動は、私は大変な苦労と困難があったと察しております。改めて、現場で汗をかかれた皆様、今も汗をかいていらっしゃる多くの皆様方に敬意を表したいと思っております。
 災害時に最も優先されることは、当然でありますが、人の命、人命の救助であります。そして、それを支えるのが医療の確保。極めて重要であります。首都直下型がいつ起こるかわからないといわれている。首都東京に大震災が起これば、災害拠点病院が有効に機能することは強く望まれ、それを確実なものにすることが病院機能の強化につながっていくわけであります。
 ハード面での体制強化、特に高度な医療機能、医療機器を稼働させる電力などの重要性はもちろんであります。あわせて、災害時にはどのような体制で医療を提供するのかというソフト面での対応も重要であります。日々変化していく患者の症状、医療品等の医療資源が減少していく。当然、準備をしていても、追いつかないくらいどんどんどんどん減少していくわけであります。その中でどのように医療を提供していくのか。
 先ほども出ましたけれども、災害時においても事業を継続する計画、BCPの策定状況について、平成二十一年七月に内閣府が発表した特定分野における事業継続に関する実態調査では、医療施設では四・八%しかBCPを策定していません。現在策定中、これから策定予定を含めると一六・七%であります。これまで都立病院、公社病院でも災害時のマニュアル、これに沿ってさまざまな備えを当然のことながら行ってきたわけでありますが、このたびの未曾有の東日本大震災、ここで発生したさまざまな状況、それを踏まえ、新たな対応は当然必要となってくるわけであります。その対策をお伺いいたします。

黒田経営企画部長
 都立病院、公社病院におきましては、災害時に円滑かつ的確な医療が行われるように、情報連絡訓練、トリアージ訓練など、さまざまな防災訓練を継続的に行ってきたところでございます。
 しかし、今回の東日本大震災の被災地では、非常用発電機の燃料が途絶えてしまう、また診療に必要な医薬品等が供給されないなど、想定もしていなかったさまざまな事象が発生し、十分な診療活動ができないという事態に見舞われましたことから、先生のご指摘のとおり、新たな対応が必要であるというふうに認識しております。
 このため、今回のような大震災におきましても、災害拠点病院としての機能を確保するため、これまでの災害時のマニュアルを見直し、被災地で起こった事象を分析、研究し、災害時においても継続的な医療を提供する都立病院災害時事業継続計画、BCPを策定することとしました。
 策定に当たりましては、まず第一に、入院患者の安全確保や避難等、第二に、病院に集まってこられる傷病者の方のトリアージなど的確な受け入れ体制を、最終的には、病院機能の回復までの方策を検討いたします。
 具体的な策定の手順といたしましては、まず、外部の専門家によります調査やアドバイスを受けながら、標準型となるモデルプランを作成いたします。その後、各病院の診療機能や地域特性なども踏まえまして、病院ごとのそれぞれの災害時の事業継続計画を策定してまいります。

山加朱美
 ぜひとも首都東京ならではのBCPを策定するよう、今後全力を傾注していただきたいと思います。
 ところで、東日本大震災では、東北、関東地方の沿岸部を中心に、非常に広範囲な地域で被害が発生し、その地域の多くの工場が操業停止をいたしました。医療になくてはならない医療品等についても、製造工場や流通面で大きな影響がありました。身近に使われている医薬品の中にも、手に入りにくくなったものがあったと伺っております。都立病院、公社病院を円滑に機能させていくためには、災害時においても確実な医薬品の確保が重要な要素となります。
 そこでまず、今回の東日本大震災において、都立病院、公社病院の医療品等の確保にどのような影響があったのかお伺いいたします。

別宮サービス推進部長
 今回の大震災は、広範囲でかつ長期的な影響が予想されたことから、本部では公社とも連携を図りながら、医薬品等の共同購入を行っている日ごろの情報のルートを活用いたしまして、発災後いち早くメーカーやディーラーの被災による影響を調査いたしました。調査の結果からは、例えば甲状腺ホルモン剤の国内生産シェアの九八%を占める製造工場が被災したことによりまして生産ラインがストップし、供給停止に至ったことなどが判明いたしました。
 これらの情報につきましては、速やかに各病院に提供いたしまして共有化を図るとともに、各病院の在庫状況を確認し、病院間での不足を相互に補完する連絡体制を整備いたしました。
 都立、公社病院におきましては、こうした取り組みによりまして、医薬品等に不足が生じることはなく、継続的な供給体制が確保されました。

山加朱美
 ご答弁によって、共同購入の情報ルートを活用して、情報共有と、その供給体制は確保できたとのことでありますが、万が一、都内でこうした今回のような大規模な災害が発生した場合には、当然でありますが、都立病院、公社病院の連携体制だけで対応することは困難であります。そのことはだれもが想像できるわけであります。
 さらなる工夫が必要と考えますけれども、東京で大規模な震災が万が一発生した場合、この都立病院、公社病院において医薬品等の確保をどのように考えているのか、お伺いいたします。

別宮サービス推進部長
   都立病院、公社病院におきましては、医薬品等の効率的な運用も考慮しつつ、災害時には院内在庫を優先的に使用するという、いわゆるランニングストック方式によりまして、医薬品や診療材料などを備蓄しております。
 しかしながら、大規模な地震が発災した場合などには、復旧のおくれに伴いまして医薬品の不足が見込まれるため、関係局と連携いたしまして、地域防災計画に基づきます医薬品卸業協会との医薬品等調達協定を活用するなど、医薬品等の確保を行っていくこととしております。
 さらに、いわゆるBCPでございますが、都立病院災害時事業継続計画を策定する中で、災害に備えた医薬品等の備蓄のあり方につきましても、今後検討を進めてまいります。
 引き続き、災害時にあっても円滑に診療が継続できるよう、医薬品等の確保に努めてまいります。

山加朱美
 三・一一、東日本の大震災、その後、引き続く余震もありました。また、原発の事故、想定外でありました。計画停電、交通機関への多大な影響、これからもその後遺症は続いていくでありましょう。東京においても、直下型の大震災が、どのような災害が、いつ起こるかわからないわけであります。あすは我が身、我がこと、これは私はよく申し上げますけれども、災害によって、私たちの生活にどのような問題が降りかかってくるのかは、だれにもわからないわけであります。
 今回は想定外という言葉が何度も何度も連発をされましたが、私はそもそも震災というのは、もともと想定外なものであるわけであります。この大自然と人間との知恵比べであります。しかしながら、しっかりとこの大切な命を守っていかなければならないわけであります。
 どうか今回の震災の体験、そして対応を通じて、病院や診療所にとってさまざまな、本当に貴重な体験がもたらされたと思います。都立病院、公社病院においては、都民の命、そして安全と安心を守るために、どうかこの貴重な教訓、経験を今後の防災計画、訓練に何としても生かすようにお願いしたいと思います。
 質問を終わります。

出典:厚生委員会速記録第七号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2011-07.html

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