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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

本会議質疑
平成十八年東京都議会会議録第三号

山加朱美
 東京都が招致を目指す二〇一六年のオリンピックは、福祉の発展に大きく寄与するものであり、障害者団体も東京招致に大きな期待を寄せて、その成り行きを見守っているところが多いようであります。
 オリンピックと同じ都市で開催されることを義務づけられた障害者スポーツの祭典、パラレル、すなわち、もう一つのオリンピックといわれるパラリンピックについて伺います。
 そもそも脊髄損傷の治療にスポーツによるトレーニング効果を試したことから始まった障害者のスポーツ大会、発祥の地はイギリス・ロンドンでありますが、その名称は、一九六四年、東京オリンピックに伴う東京大会において、下半身麻痺を意味するパラプレジアとオリンピックを組み合わせ、初めてパラリンピックという大会愛称が使用されています。
オリンピックにおけるトップアスリートの世界最高水準の競技同様、障害者が数々の障害を克服し、自分の持つ力、体力を最大限に高め、自立と社会参加を見事に果たしながら、自分の限界に挑戦する努力とそのプロセスは、都民、国民に大きな感動と新しい活力、勇気をもたらします。
 また、障害者自身にとっても、パラリンピックは重要な自己表現の場でもありましょう。今月十日からはトリノ冬季パラリンピックが開催されます。先日、日本選手団代表は、その決意の中で、だれもが住みやすい社会が世界じゅうに広がることを願い、その一助となるよう自己表現に努めると力強く語っていました。
 パラリンピックの精神は、参加することにこそ意義があるという、すべてのスポーツ精神の礎であります。福祉配慮が内在化されたオリンピックシステムの構築、東京都がオリンピックを開催するに当たっては、全世界に向けて東京ならではの新しいパラリンピックを発信し、そして障害者がスポーツに親しむ起爆剤にしていくべきと考えます。
 そして同時に、世界に類を見ない速さでいち早く高齢社会を迎えた日本が、その体験を持って、今後世界共通の高齢化に向けて、首都としてのノーマライゼーションの新たな方向を全世界に示すことに大きな国際貢献があると思います。
 都は、二〇一六年東京オリンピック招致に伴うパラリンピックをどのように位置づけているのか、知事の見解を伺います。
 次に、福祉保健施策について伺います。
 人口減少社会の到来、少子高齢化の進展により、これまでの社会保障制度を持続可能にしていくには、今まで以上にそれぞれがみずからの生活について主体的に考え、行動することが求められ、同時に社会がその取り組みを支援していく必要があります。
 今回発表された福祉・健康都市東京ビジョンにおける新たな施策展開の基本的な考え方にある目的「新しい自立」は、これからの社会保障制度を維持発展させていく上で、なくてはならない重要なキーワードであると思います。障害者や高齢者も、可能な限り、それまでの人間関係を大切にしながら地域で生活を続けていくことは、人間本来のあり方であり、まただれもが望むことであり、まさに新しい自立が目指すものでもあります。
 そこで、改めてこの新しい自立について所見を伺います。
 障害のある人もない人も、お互いに人格と個性を尊重してともに生きる共生社会を実現するためには、障害者が地域で利用できるサービスが十分に整備されていることが不可欠であります。
 都は、十八年度から、新たな障害者地域生活支援・就労促進三カ年プランを策定しました。
このプランの考え方については、昨日、我が党の代表質問で伺いましたが、障害者が地域で自立して生活していくためには、何よりもまず生活の基盤となる住まいが確保されていることが前提です。今後のグループホームの整備がとりわけ重要であります。
 養護学校からは毎年約千人の卒業生が見込まれます。知的障害者の入所施設には約六千人が入所しています。
現在、グループホームの定員は入所施設の三分の一程度ですが、将来的にはこの差をできる限り縮めていくことを目指すべきであります。
知的障害者のグループホームは、あと千人分を整備すれば、入所施設の定員の半分になります。現行の三カ年プランにより、その整備は大幅に進みましたが、しかし、依然として整備状況には地域間の格差が見られます。
さらに、精神障害者のグループホームも、社会的入院患者の受け皿として今後積極的に整備していく必要があります。
 都として、今後、グループホームの整備にどのように取り組んでいくのか、所見を伺います。
 次に、障害者自立支援法では、制度を安定的に運営していくために定率負担を導入することとしておりますが、所得の少ない障害者に対しては影響が大きく、きめ細やかな配慮が求められます。
我が党は、昨年の四定において、ホームヘルプサービスについては、都としてさらに踏み込んだ独自の軽減措置を講ずる必要があることを申し上げ、今後、検討していくという答弁でした。都はどのような負担軽減措置を行う予定か、所見を伺います。
 次に、認知症高齢者対策について伺います。
 都内でおよそ十六万人と推計される認知症高齢者対策の充実は、今後の高齢者施策における大きな課題の一つであります。だれもが老いることは人生の条理であります。
認知症は年とともにだれもがなり得る病気であり、早期の適切な治療やケアを受けることで、地域での自立した生活が十分に可能といわれます。
しかし、認知症高齢者本人やご家族には、周囲の人々の無知による誤解や偏見などもあり、必要以上の大変なご苦労があると聞きます。
 特に認知症の代表的な症状とされる徘回などの行動障害については、家族だけの対応には限界があり、地域ぐるみ、まちぐるみの取り組みが求められるものと思います。
例えば、認知症の高齢者が外出先で道に迷ったりトラブルに巻き込まれたようなときに、一般の都民の方々や地域生活に密着した仕事をしている方々が、認知症に対する基礎的な知識や、ちょっとした手助けのスキルを身につけているだけで随分違うと思います。
 そこで、都として広く都民に対し認知症に関する知識を普及するための取り組みを進め、日常生活の中でだれもが気軽に認知症高齢者の支援にかかわることができるような取り組みを促進するなど、認知症に優しいまちづくりを推進することを求めるものですが、所見を伺います。
 次に、成年後見制度について伺います。
 判断能力が不十分な方々の権利を擁護する制度として平成十二年に創設されてから、六年が過ぎました。昨年度、都内での申し立て件数は約二千件と聞いております。
この制度の対象と推計される方々が都内およそ二十三万人、まだまだごく一部の方が利用しているにすぎません。この背景には、制度そのものが一般の人々に十分周知されていないこと、また、区市町村の体制や後見人等の候補者の不足など、さまざまな要因があるかと思います。
 さらに、制度の活用を阻む壁として費用負担の問題があります。
制度の利用者は、身近に頼れる親族がいる方、経済的にゆとりのある方ばかりではありません。申し立て費用等を負担する能力が乏しい方に対しては、国が区市町村への補助制度を設けていますが、補助要件が限定されていて、使い勝手がよくないと聞いております。
また、生活保護費の算定に申し立て経費は算入されていないのが現状で、約十万から二十万ともいわれる申し立て経費を、月々の生活扶助の中から工面するのは相当に困難だと思われます。
 こうした課題を解決するため、都は、申し立て経費についても、国の事業では対象とならないケースも補助するなど、積極的に施策の展開を図っていることは高く評価いたしますが、生活保護の世帯が百万世帯の大台に乗り、半数は高齢者世帯といわれる昨今、さらに区市町村の取り組みに対するサポートを積極的に行っていくべきであります。
 制度が積極的に活用されるかどうかが、ひとえに区市町村の取り組み次第であるという状況では、せっかくの支援策を講じる都としても、まさに隔靴掻痒の感と思います。
そういう現状から一歩踏み出し、今後、制度のより一層の活用を期待するためにも、都は新たな視点で行動するべきであり、またそれが都道府県行政を担う都の役割であると考えます。
 そのためには、成年後見制度の利用を本当に必要としている方々が支障なく制度を活用できるよう、改善が必要な事項について積極的に国への働きかけを行っていくべきと思いますが、所見を伺います。
 次に、税源移譲について伺いますが、初めに、主税局のここ数年の都税の徴収確保への取り組みについて一言申し上げます。
 創意工夫を凝らしたさまざまな先駆的な取り組みにより、平成十六年度の徴収率は九六・八%と、過去最高の実績を上げました。財政再建推進プランの歳入確保の目標も大幅に上回り、現場で苦労されている主税局職員の努力に心から敬意を表します。
 ところで、いわゆる三位一体の改革における国庫補助負担金改革をめぐっては、義務教育費や国民健康保険など、国と地方の負担割合の変更にとどまるという、単なる数字合わせに終始し、地方の自主性の発揮という観点が忘れ去られたことは否めない事実であります。
 しかし、地方税の充実確保という側面では、全国の自治体が待望した、基幹税である所得税から個人住民税への三兆円規模の税源移譲が平成十九年度からようやく実現することになったわけであります。こうした税源移譲による地方税の充実は、地方の自主、自立的な行財政運営を確保し、真の地方自治を確立するためには不可欠であります。
 そこで、今回の税源移譲について、都の税務行政を執行する立場からどのように評価しているのか伺います。
 次に、今回の税源移譲の実現により、納税者の数という点に着目すれば、所得税よりも個人住民税を多く納める方の方が多くなります。それだけに地域住民が都や区市町村の行政に向ける目は、単に関心が高まることにとどまらず、一段と厳しいものとならざるを得ず、それに伴って自治体の地域住民への説明責任もますます重くなっていくものと考えます。
 また、地方の税務行政の運営面においては、個人住民税を含めた地方税をこれまで以上に適正に課税し、徴収していくことが、税の公平性を確保し、さらには住民の理解を求める上で極めて重要であります。
 そこで、今回の税源移譲の実現を受け、都税の徴収確保に今後どのように取り組んでいくのか伺います。そして、今後より一層住民の期待にこたえる都政を構築されるよう強く要望いたします。
 次に、大都市東京が地球温暖化の克服に向けて先導的役割を果たしていく必要があることはいうまでもありません。
 都内の温室効果ガス排出量は、家庭部門における増加が著しくなっています。そのエネルギー消費は約六割が家電製品などによる電力消費が占めています。
いかに省エネ型の家電製品の普及を図るかが課題ですが、この実現に向け、都は昨年条例を改正し、七月から省エネラベリング制度を施行しています。
家電製品の販売店に、省エネ性能の相対評価、電気料金等の表示を義務づけ、消費者の環境配慮行動を促すものでありますが、しかし、消費者に対しこのような情報を確実に伝えるためには、販売店がしっかりと表示義務を果たす必要があります。今後の取り組みをどのように促進するのか伺います。
 そして、せっかく省エネ型の家電を購入しても、例えば暖房温度を二十度ではなく、二十八度に設定してしまえば、省エネ効果は何ら発揮されません。地球温暖化の問題は、住まいのあり方やライフスタイルの見直しなど、都民一人一人が常に意識を持って行動を実践する社会の実現が求められます。
都民が温暖化対策にさらに積極的に取り組むよう、継続して普及啓発を行っていくべきと考えますが、所見を伺います。
 次に、私は、一昨年四定の質疑で、ニートと呼ばれる若者の増加に対し早期取り組みの重要性について指摘いたしましたが、このニートには高校中退者が多く含まれているといわれています。
平成十六年度の都内高校中退者数は約八千人と聞いていますが、彼らがニート等にならないための取り組みの一つとして、やり直し、学び直しができる社会を構築することが必要です。都では高校中退者に対しどのような支援を行っているのか伺います。
 そして、高校中退の理由は多様であり、一律な支援では対応し切れないと思いますが、さまざまな機関との連携や民間活力の活用が大切です。今後の連携の取り組みについて伺います。
 最後に、私の地元練馬区内では、都市計画決定から六十年、大変長い間完成が待たれていた環状八号線が五月に開通の予定です。
この環状八号線と新大宮バイパス、川越街道を結んでいるのが放射三五号線ですが、この路線は平成十六年十二月に事業許可がなされ、本年度は本格的に用地取得に着手していると聞いております。早期整備のためには用地の確保が重要ですが、どのように取り組んでいるのか、取り組みを伺います。
 そして、都市計画事業には多くの関係権利者の協力が必要です。
この放射三五号線沿線は古くからの住宅街で、大変長く居住している方々も多く、整備を進めるに当たっては、どうか生活者の目線を大切にし、事業に協力する関係権利者に十分配慮しながら事業を進めていただきたいと思います。
 そこで、生活再建の面において東京都はどのような努力をしているのか伺い、私の質問を終わります。
 ご清聴ありがとうございました。(拍手)
知事(石原慎太郎君)
山加朱美議員の一般質問にお答えいたします。
 パラリンピックの位置づけについてでありますが、パラリンピック大会は、オリンピックと理念を共有する障害者のスポーツの祭典でありまして、そこに集い競う選手の姿は、より人間的で感動的でもあると思います。
 東京パラリンピックにおいては、競技会場や選手村などのバリアフリーを徹底することはもちろんのこと、東京のITやすぐれたものづくり技術の集積などの優位性を生かして、夢と感動を与える、東京ならではの大会を実現したいと思っております。
 大会を契機に障害者のスポーツの振興を図り、さらには障害者の自立と社会参加を進め、障害者に対する理解を深めていきたいものだと思っております。
 他の質問については関係局長から答弁いたします。
福祉保健局長(平井健一君)
福祉に関連して五点の質問をいただきました。
 まず、福祉・健康都市東京ビジョンについてでございます。
 このビジョンが掲げる新しい自立でございますが、これは、積極的な健康づくりへの取り組み、就労や地域生活への移行を目指した主体的な行動など、個々人の状況や環境のもとでの、その人らしい自立へのチャレンジにより実現される、都民一人一人の自立を基本に据えた考え方でございます。
こうした都民行動はみずからの生活の質を向上させるのみでなく、周囲の人々や社会を支える力ともなり、社会保障制度を含め、より豊かで力強い社会システムの礎となるものでございます。
 今後、こうした視点に立ちまして、民間、地域、行政の持つ力を最大限に生かしながら、効率的、効果的に各種施策を展開し、将来世代にわたる確かな安心を実現してまいります。
 次に、今後のグループホームの整備についてでございますが、ご指摘のように、障害者が親元からの自立や地域生活への移行を進めるためには、居住の場でございますグループホームの整備が極めて重要な課題でございます。このため、今回策定いたしました障害者地域生活支援・就労促進三カ年プランにおきましては、精神障害者を含むグループホーム千三百人分の整備を目標に盛り込んだところでございます。
 今後は、グループホームの質の一層の向上を図るため、世話人研修の充実、あるいはグループホーム事業者間での情報の共有化などに取り組むことによりまして、障害の種別にかかわらず、希望するすべての障害者が地域で自立して生活していくことができますよう支援してまいります。
 次に、ホームヘルプサービスの負担軽減措置についてでございますが、障害者自立支援法では、既に月額負担上限額の設定や社会福祉法人等による負担軽減制度の実施など、低所得者に対する配慮がなされておりますが、都はこれらに加え、障害者が地域において自立して生活していく上で基幹的な役割を果たしておりますホームヘルプサービスに関して、さらにきめ細かい配慮が必要と判断し、独自の取り組みを行うことといたしました。
 具体的に申し上げますと、平成十八年度から二十年度までの三年間、社会福祉法人等による負担軽減制度を、民間事業者などすべての事業者に拡大するとともに、低所得者を対象とした激変緩和措置といたしまして、原則一〇%の利用者負担を三%に軽減するものでございます。
 次に、認知症に優しいまちづくりについてでございます。
 高齢者が認知症になっても地域の中で暮らし続けられるようにするためには、多くの都民による認知症に対する正しい理解と、声かけや見守り、手助けなど、日常生活におけるさまざまな支援が必要でございます。
 このため、都は、来年度、仮称でございますが、認知症高齢者を地域で支える東京会議を設置いたしまして、支援の担い手となる都民を初め、区市町村、公共交通機関や、小売店、飲食店など生活関連企業の参画も得まして、認知症高齢者の生活を地域で支えていく機運を高めることとしているところでございます。こうした取り組みにより、東京が、ご提案の認知症に優しいまちとなるよう努めてまいります。
 最後に、成年後見制度の活用に向けた取り組みについてでございますが、都では、本年度、成年後見活用あんしん生活創造事業を新たに実施いたしまして、制度の担い手でございます後見人等を養成するとともに、国が対象としていない方の申し立て経費などを独自に補助するなど、制度の普及促進に積極的に取り組んでまいりました。
 しかしながら、本来、負担能力がない方に対する支援策など、制度を普及するための環境整備につきましては、国が責任を持って実施すべきものと考えております。このため、都といたしましても、ご提案の国の成年後見制度利用支援事業の対象要件の拡大や、生活保護制度の改善など、制度利用促進のための支援策を拡充するように国に対し提案してまいります。
主税局長(菅原秀夫君)
税源移譲に関します二点のご質問にお答え申し上げます。
 まず、今回の税源移譲についてでございますが、いわゆる三位一体の改革における国庫補助負担金の見直しは、国と地方の負担割合の変更によって削減目標数値を達成しようとするなど、数字合わせに終始しておりまして、地方の行財政運営の自由度は一向に増しておりません。
 また、法人事業税の分割基準の見直しに名をかりました都に対するさらなる財源調整の強化が行われまして、あるべき地方税制の姿がゆがめられる側面もあったことは事実であります。
 しかしながら、今回実現される税源移譲そのものにつきましては、個人住民税という、受益と負担の関係が明確な地方の基幹税が充実されること、三兆円規模という、現行地方税法制定以来初めての大規模な税源移譲でありまして、地方の自主財源の拡充に大きく寄与するものであり、画期的なことと考えております。
 次に、今後の都税の徴収確保への取り組みについてでございます。
 税源移譲による地方税源の充実に伴いまして、今後、地方税に向けられる住民の厳しい目を意識して地方税の徴収確保に努めることが強く求められるものと考えております。とりわけ個人住民税は、今回の税源移譲によりまして、基幹税としてますます重要な役割を担うこととなり、賦課徴収を行う区市町村には、ご指摘の税の公平性あるいは住民の理解の確保のためにも一層の徴税努力が求められております。
 したがいまして、今後とも都内区市町村との緊密な連携を図りつつ、個人都民税の確保と区市町村への支援等に努めてまいります。
 また、唯一の歳入所管局といたしまして適正、公平な課税に努める一方、全国の模範となりますよう、創意工夫を凝らしながら、さらなる徴税努力に向けまして全力を尽くしてまいります。
環境局長(大橋久夫君)
地球温暖化対策に関する二つのご質問にお答えします。
 まず、省エネラベルの表示促進についてでございます。
 省エネラベルは、消費者に対し、省エネ性能の高い家電製品の選択を促すことを目的としております。都はこれまで、家電販売店での省エネラベルの表示が促進されるよう、ラベルの印刷ソフトを提供するなど、店舗での負担軽減を図っているところでございます。
 都が始めたラベル表示は、二十二の都道府県で実施されております。このような都の先駆的な取り組みを踏まえ、現在、国では、全国展開できるよう表示方法などを検討しているところでございます。
 今後とも販売店における表示の実施状況を確認しながら、表示の徹底を指導してまいります。
 次に、都民に対する温暖化対策の普及啓発についてでございます。
 関係各局が連携して実施するテーマ広報の一つとして、今年度は地球温暖化対策を取り上げ、テレビ、ラジオ、新聞など、さまざまな媒体を活用し、省エネの取り組みを広く都民に呼びかけてまいりました。その一環として、住宅情報誌などの雑誌に、マンションの環境性能を購入者に伝える新たな仕組みである、マンション環境性能表示制度の広告を今月掲載する予定でございます。
 今後とも、都の広報紙の活用や、都民向けに省エネ対策のシンポジウムを開催するなど、あらゆる機会を通して温暖化対策のさらなる普及啓発を図ってまいります。
青少年・治安対策本部長(舟本馨君)
高校中退者に対する二つの質問にお答えをいたします。
 まず、高校中退者に対する支援についてでございますが、高校を中退した生徒の再スタートを支援するため、都では、昨年四月に、青少年リスタートプレイスを開設いたしました。青少年リスタートプレイスでは、高校中退者や保護者に対し、高校への再入学などの相談や、東京しごとセンターと連携をした就職相談を現在行っております。
 また、現在、高校中退者へのアンケートを実施しておりまして、その結果などを踏まえ、今後とも、高校中退者が新たな目標を見出し社会に参画していくことができるよう、積極的に支援していきたいと思います。
 次に、高校中退者を支援するための今後の連携の取り組みについてでありますが、ご指摘のとおり、高校を中退する理由はさまざまでありますので、関係機関連携は重要であると考えております。
 都では、その一環としまして、この二月に、NPO団体を含む関係機関の参加を得まして、高校中退者支援のためのフォーラムを開催し、意見交換を行いました。
 今後、高校中退者を支援している、いわゆるサポート校や通信制高校との連絡会の一層の充実、またサポート校のネットワーク化など、関係機関、NPO団体などとの連携をさらに深めていきたいと考えております。
建設局長(岩永勉君)
放射第三五号線に関する二点のご質問にお答えします。
 まず、放射第三五号線の用地取得についてでございますが、この路線は、新大宮バイパスと池袋につながる放射第三六号線を結び、道路交通の円滑化とともに、地域の発展に寄与する重要な路線でございます。現在、練馬区北町五丁目から環状第八号線付近の早宮二丁目までの約一・四キロメートルの区間で事業を進めております。
 本路線の用地取得につきましては、東京都道路整備保全公社に委託し、重点的、集中的に取り組んでおり、委託初年度に当たる平成十七年度は、全体の三〇%、約一万平方メートルを取得いたします。
 今後とも、財源の確保に努めるとともに、地域住民の理解と協力を得て、早期整備を目指してまいります。
 次に、生活再建への取り組みについてでございますが、事業用地の取得に当たっては、適正かつ公平な補償を行うとともに、代替地や都営住宅のあっせん、移転資金の貸し付け、民間の物件情報の提供など、関係権利者の生活再建に向け、さまざまな取り組みを行っております。
 本路線におきましても、七件の代替地の売り払い、三件の移転資金の貸し付けを進めているほか、物件のあっせんや専門家による用地相談の活用など、積極的な支援を行っております。
 引き続き、折衝に当たりましては、関係権利者の生活再建に十分配慮し、きめ細かな対応に努めてまいります。

出典:平成十八年東京都議会会議録第三号 https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2006-1/03.html#03

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