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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

予算特別委員会

2012年3月15日 平成24年度予算特別委員会第4号
山加朱美
 日本の少子高齢化は、世界でも例を見ないスピードで進んでいます。国立社会保障・人口問題研究所がことし一月に発表した将来推計人口によりますと、五十年後、高齢者一人を現役世代一・三人で支えるという、高齢者にとっても現役世代にとっても、大変厳しい時代の到来が予想されます。
 一方で、孤独死や所在不明問題など、高齢者の社会的な孤立が既に大きな問題となり、また昨今、結婚できない、しない若者が社会問題になり、平成二十三年厚生労働白書では、二〇三〇年には生涯未婚率が男性で約三〇%、三人に一人、女性では約二三%、四人に一人と見込まれ、生涯独身人口がふえていくことが予想されます。
 一人の人間が自立した個人として豊かな生活を送るためには、まずその前提として、周囲の人々が相互に助け合う、知事がよくおっしゃるご近所づき合い、地域社会の実現が不可欠です。しかし、地域で支え合う仕組みが不十分な中、私は家族というセーフティーネットを持たないひとり暮らしの高齢者が、今後ますます増加することを懸念しています。
 都内六十五歳以上のひとり暮らし高齢者は、今後十年間で十六万世帯ふえると予想され、もちろん、大半の方が介護や福祉サービスを受ける必要のない元気な方であろうことは承知をしています。しかし、今は元気であっても、一たび病気になれば頼る家族もなく、一人孤立してしまうという状態では、安心・安全な生活とはいえません。
 ひとり暮らしの高齢者が安心して地域で暮らし続けるために、地域で見守り支える取り組みをより積極的に推進すべきです。所見を伺います。
杉村福祉保健局長
 都は自治会、町会、民生委員、ボランティアなどによる声かけや配食サービスを活用した安否確認など、高齢者の見守りに関します地域のさまざまな取り組みにつきまして、区市町村包括補助事業を通じて支援を行っております。
 また昨年度からは、地域の高齢者を見守る拠点を拡充するため、区市町村におけるシルバー交番の設置を支援いたしておりまして、今月策定をいたします東京都高齢者保健福祉計画では、平成二十六年度までに七十カ所を設置することといたしております。
 今後とも、高齢者の見守り活動などに取り組む区市町村を積極的に支援してまいります。
山加朱美
都がさまざまな仕組みで支援をしていることはわかりますが、超高齢社会の到来を考えると、今まで以上に地域全体で高齢者を見守る仕組みを早急に構築しなければなりません。
 「二〇二〇年の東京」に高齢者見守りネットワークの構築が明記されたことを、私は高く評価しています。しかし、ネットワークづくりは、住民に身近な区市町村が主体となって進めていくべきものですが、都はどのようにして支援をしていくのか伺います。
杉村福祉保健局長
 先ほども申し上げましたように、現在、地域の中では、高齢者を見守るさまざまな取り組みが行われております。こうした取り組みを進め、行政、民間、地域が連携をいたしました、地域全体で高齢者を支えるネットワークづくりを検討いたしますため、来年度、都は見守りの担い手である地域包括支援センターの職員、シルバー交番の相談員、民生委員などを中心に構成する会議を新たに設置をいたします。
 会議では、これまでの取り組みの検証や、先駆的な取り組み事例の収集分析を行いながら、関係者が連携した効果的な見守り手法などを検討することとしておりまして、この結果も活用しながら、区市町村における高齢者の見守りのネットワークづくりを支援してまいります。
山加朱美
 次に、大都市東京の高齢者問題を考えるとき、おろそかにできないのが住まいの視点です。
 ひとり暮らしの高齢者の持ち家率は六割以下であります。身寄りがなく、家族の支援も受けられない中、病気や介護で医療費などがかかる、生活費に占める家賃の比率は日本は高い。老いても一人の所得で住まいを失うことなく、地域での生活を安心して続けていけるような支援が重要です。
 過去に群馬県で発生した静養ホームたまゆらの火災事故で犠牲となられたのは、その多くが生活保護を受けた低所得高齢者でありました。間もなく三年がたとうとしています。
 都がこの問題に危機感を持って取り組んだ結果、居室面積要件を緩和した都市型軽費老人ホームが実現をいたしました。私の地元練馬区でも、日常生活圏ごとに少なくとも一カ所という目標を掲げ、計画的に整備を進めております。低所得高齢者の受け皿としては大変重要ですが、現在の整備状況、都の取り組みについて伺います。
杉村福祉保健局長
 昨年四月の第一号開設以来、都市型軽費老人ホームは、現在まで五カ所設置をされております。さらに、来年四カ所が開設予定であり、その他整備中のものが九カ所、協議中が五件ございます。
 都は、整備を支援するため、国の交付金に加えまして国と同額の加算措置を講じますほか、みずから建物を整備し、運営事業者に賃貸する土地所有者への補助や、都有地の活用など独自の取り組みを実施いたしております。
 今月末には、土地所有者を対象といたしました補助制度説明会を予定しておりまして、今後も事業者等へ積極的にPRするとともに、区市へも強く働きかけ、より一層の整備を促進してまいります。
山加朱美
 次に、中堅所得者向けの高齢者住宅について、都は高齢者の居住安定確保プランの中で、ケアつき賃貸住宅を二〇一四年までに約六千戸の供給を目指すとしています。バリアフリー化とともに、サービスの質の確保が極めて重要であります。
 現在、東京都住宅供給公社が取り組んでいる二カ所のサービスつき高齢者向け住宅の進捗状況、あわせて、私は公社が整備する住宅は、施設のように高齢者だけが過ごすところではなくて、地域の人たちやさまざまな世代の人たちがたくさん交流できる場、何よりも地域の安心とそして生きがいを支える場になることが大変重要と思っております。所見を伺います。
飯尾都市整備局長
 東京都住宅供給公社は、平成二十六年に、板橋区向原と世田谷区烏山で高齢者向け住宅の開設を計画しておりまして、昨年夏にそれぞれ提案を募りました。運営事業者と設計事業者を選定したところでございます。
 どちらの運営事業者からも、入居者や地域の高齢者が利用できる介護事業所や診療所、地域の子育て支援のための保育所の併設が提案されております。また、地域住民の交流を促進するために、気軽に立ち寄れるコミュニティカフェを整備するとともに、自治会と協働したさまざまなイベントの開催なども検討しております。
 現在、この提案内容を踏まえまして、設計事業者は、公社、運営事業者と協議しながら設計を進めているところでございます。
山加朱美
 次に、さらに中長期的な視点から、私たちは目先の対策だけでなく、次世代の高齢社会のことも考えねばならない責務があります。
 そこで、パネルをごらんください。
 このように日本の人口は右肩下がり。大変背筋が寒くなるような思いがいたしますが、人口減少時代を迎えております。
 日本の将来推計人口によりますと、現在総人口は約一億二千八百万人ですが、このままいけば今後とも減少を続け、五十年後、この赤のところですが、三分の二の約八千七百万、百年後には、何と三分の一の約四千三百万人になってしまいます。イメージいたしますと、これは現在の関東地方の一都六県に山梨県を加えた人口と同じくらいであります。つまり、百年後には日本の総人口から、このままいけば関東地方以外の人口が消えてしまうという、大変恐ろしい状況であります。ここにいるほとんどの方は百年後いないかもしれませんが、ことし生まれる子どもが百歳、そう遠い時代の話ではありません。
 一方、高齢化率は、現在の約二四%から年々上昇していき、五十年後には約四〇%、しかし、高齢者人口そのものは、パネルにありますとおり、二〇四二年をピークにその後減少すると予想されています。減少していくのはたった三十年後からの話であります。東京においても、ピーク時は前後するものの、同様の傾向と思います。
 そこで、こうした人口の予測に対して、福祉サービス事業者、特に社会福祉法人は、社会福祉事業の主たる担い手と位置づけられているのですから、長期的展望を持つことが求められます。
 今、例えば、特養ホームを建設しますと、一般的に建物は四、五十年使えます。しかし、三十年後から既に高齢者人口は減少し始めます。漫然と施設運営をしていると、在宅サービスニーズの高まりと相まって、入所者減少により経営が悪化し、その結果、施設運営ができなくなり、廃止に至ることになります。
 特に、私が一番心配いたしますのは、一つの施設しか経営していない社福の場合、たしか都内には全体の約四割、四百近くあると思いますが、施設廃止はすなわち社会福祉法人の解散を意味します。このようなことにならないよう、社福が地域福祉にさらに貢献し続けるためには、中長期展望を持った経営、五十年先、百年先のことを考え事業展開をしていくことが求められます。
 経営の健全化を図り、財政基盤を確立することが重要ですが、経営的な点で都はこれまでどのような支援をしてきたのでしょうか。
杉村福祉保健局長
 都は、社会福祉法人が適正かつ安定的な運営を確保し、良質な福祉サービスを持続的かつ安定的に提供できるよう、社会福祉法人経営適正化事業を実施いたしております。
 この事業では、法人みずから経営の安定化を図ることができるよう、流動比率や借入金比率など、社会福祉法人の特性に応じた十一の財務指標と、それぞれの指標について都内社会福祉法人の平均値を示しており、経営状況を比較分析できるようにしております。
 都におきましても、各法人の財務状況を詳細に分析し、課題のある法人に対しては実地調査をして経営指導を行っております。
山加朱美
 一歩前進と思いますが、それだけでは不十分ではないでしょうか。今後変化するニーズに対応していくためには、人材、資金、設備等の裏づけをした中長期計画を策定させるなどの経営指導が必要であります。
 平成二十五年から、同一区市で事業を展開する社福への指導検査権限が当該区市に移譲されます。したがって、先ほど申し上げた一施設しか経営していない社福は、法人が所在する区や市が所管となるわけであります。
 都が、区市に移管される社会福祉法人への指導検査は、区市にすべて任せてしまえばいいという逃げ腰では、東京の福祉は向上しません。都は、これまでの豊富な経験、どこよりも現場を知っている自治体として、指導検査権限が区市に移譲される法人を含め、都内のすべての社会福祉法人が、今後とも福祉ニーズの変化に対応し、中長期的展望を持って健全に経営していけるよう、率先して経営指導していくべきと考えます。所見を伺います。
杉村福祉保健局長
 お話のように、今後、少子高齢化の進行によりまして福祉ニーズは大きく変化をいたします。この変化に社会福祉法人が的確に対応し、健全な経営を行っていくためには、社会福祉法人みずからが、現在保有している人材、資金、設備等を分析した上で、中長期的な事業計画を策定することが必要でございます。
 こうした法人の取り組みを進めるため、都は、ことしの夏ごろを目途に、社会福祉法人向けのマニュアルを作成することとしておりまして、このマニュアルを活用して、区市に移譲される法人を含めた都内すべての社会福祉法人を対象とし、講習会などを行うことを通じまして、中長期的な事業計画の策定を働きかけてまいります。
山加朱美
 次に、少子化対策についてお伺いいたします。
 先ほども申し上げましたが、このままでは、日本の人口は急激な減少を続け、百年後には現在の三分の一程度になってしまいます。こうした状況を食いとめるには、より多くの新たな命がこの世に誕生すること。そして誕生した命を失わないこと、しっかりと守ること。この二つしかありません。子どもは日本の将来にとってかけがえのない宝であるという認識を、改めて強く持つ必要があります。
 少子化対策を進める上で、まず社会全体で、女性の妊娠、出産に関するサポートが重要なわけでありますが、妊娠した女性へのサポートは、妊婦健康審査の公費助成や相談体制などが整ってきています。また、不妊に悩む夫婦へのサポートは、特定不妊治療費助成事業が実施され、その実績も年々増加をしていると伺っております。
 しかし、不妊治療を受けても妊娠できず悩んでいる方が多いのも現実で、妊娠や出産に適した年齢を過ぎてから治療に取り組み始めても成果が出ないことも多いと聞いております。
 こうした背景として、女性は閉経するまで幾つになっても同じように子どもをつくることができると思い、二十歳代から三十歳代前半、医学的に女性の妊娠に適した年齢のときに社会で活躍し、仕事を優先しているという現状があります。いざ子どもが欲しいと考えたときに、妊娠が難しいという事実に直面してしまうことが多いというこの実態に、私は目を向ける必要があると思います。
 日本はどちらかといえば、女性の健康教育において、従来、望まない妊娠をしないための避妊教育、その普及啓発が主だったと思います。しかし女性は、少なくとも現在の医学において、卵子の老化をとめることはできず、また戻すこともできません。年齢を重ねるごとに生物学的には妊娠しにくくなるという現実を踏まえ、適切な結婚や出産の時期、これは学生のうちから正しい情報と知識を持っていくべきと考えます。
 そこで、現在、高校では、結婚や女性の健康についてどのような教育が行われているのか、教育長、現状を伺います。
大原教育長
 現在、高等学校の保健の授業では、学習指導要領に基づきまして、生涯を大きく、思春期、結婚後、中高年期の三段階に分け、各段階の健康について取り扱うこととなっております。
 思春期については、身体面、心理面、行動面の変化、異性を尊重する態度、そして性に関する正しい情報と適切な対処の仕方等を学習させることとなっております。また、結婚後につきましては、家族計画の意義、出産までの経過、人工妊娠中絶の心身への影響、母子健康診査の必要性等を理解させることとなっております。
山加朱美
 今後の少子化時代を考えるときに、対策のまず入り口となる重要な学習ですから、今後ともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 さらに、学生のときに学んだ知識は次第に薄れてしまうおそれがあります。目前に結婚が迫っているわけではありません。そういう意味では、学校を卒業した後に再び成人した人々に対する啓発が重要であろうかと思います。
 そこで、女性には年齢による身体の変化があること、妊娠や出産に適した年齢があることを正しく知り、妊娠、出産といった人生設計について考えてもらうための普及啓発が必要と思います。都の取り組みを伺います。
杉村福祉保健局長
 都では、不妊を理解することを通じて、若い人たちが妊娠、出産について正しい知識を持ち、自分自身のライフプランを考えるきっかけとなるよう、平成二十二年度に小冊子を作成いたしました。この中では、不妊の原因や不妊治療に加え、妊娠や出産には適齢期があることなども紹介をいたしております。
 小冊子は区市町村や保健所など、関係機関に配布するとともに、ホームページに掲載をしており、普及啓発に努めております。
山加朱美
 この問題は少子化対策にとって非常に重要なことであります。ぜひとも普及啓発に積極的に取り組んでいただきたい。
 次に、この世に生を受けた命は、社会が大切に守り育てていかなければなりません。大人の我欲によってその命を奪ってしまうことがあっては絶対にならないわけであります。かけがえのない命を失わせない、救える命を大切に守り育てるという社会の責務を果たしていくために、強化すべきは児童虐待防止に向けた取り組みであります。
 大変残念なことに、児童への虐待事件は後を絶たず、虐待に関する相談件数は増加の一途をたどり、平成二十二年度、都内児童相談所に寄せられた児童虐待に関する相談対応件数、前年比三三%と大きく増加をしています。同様に、区市町村に対して寄せられた相談対応件数も大幅に増加をしています。さらに、一昨年、全国の警察が検挙した児童虐待事件で、虐待を受けた児童は過去最多三百九十八人、そのうちの約一割、三九名が死亡しています。極めてゆゆしき事態であります。
 私は、このふえ続ける児童虐待にかなり早い時期から警鐘を鳴らしてまいりました。
 国はようやく来年度から、地域の中核的な小児救急病院などに虐待専門の職員配置を促す新制度を設けているとのことですが、都は国に先んじて、既に院内虐待対策委員会の設置促進など、これまでさまざまな先駆的な取り組みの推進を図っていることは、私は高く評価をしております。
 しかし、こうした都の取り組みにもかかわらず、依然として虐待が増加をしている現状をかんがみれば、児童相談所のさらなる体制強化は不可欠ですし、また、さまざまな原因で何よりも心に深い傷を抱えた児童に対して、個々の児童の様態に合わせた手厚い心理ケアが今後ますます重要になっていくと考えます。都としてその拡充のためにどのように取り組んでいくのか、伺います。
杉村福祉保健局長
 都は、在宅で経過を観察している児童や、施設に入所している児童等に対しまして、個々の状態に応じてよりきめ細かな心理的なケアが行えるよう、来年度、児童心理司を全児童相談所で増員をいたします。
 また、強いストレスにより日常生活に支障を来すなど、より深刻な問題を抱えている児童とその保護者への援助を強化するため、来年度開設をいたします子ども家庭総合センターに、親子のサポートステーションを設置いたします。ここでは、児童精神科医等の専門の職員が、児童に対して、心理ケアに加え、医療、生活指導などのケアを短期集中的に実施するとともに、親に対しても助言や指導を行ってまいります。
山加朱美
 ぜひとも今後一層の充実をお願いしたいと思います。
 また近年、警察が関与する虐待がふえる中で、福祉保健局は、児童虐待の未然防止、早期発見を進めるために、昨年十二月、警視庁と確認書を取り交わしました。
 お互いが危機感を共有しスピード感を持って、今回の組織横断的な対応に至ったことを高く評価をしております。しかしその際、連携のすき間に落ち、救えたはずの命を救えなかった、そんなことだけは絶対に避けなければなりません。そうしたことがないよう強く求めます。
 さて、私がいつも身につけているこのオレンジリボン、八年前に栃木県で起きた、幼い兄弟の命が虐待によって奪われたことを契機に始められたもので、児童虐待をこの世からゼロにするという強いメッセージが込められております。
 都は、毎年十一月を児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンに定め、集中的な取り組みを行っていますが、虐待の増加がとまらない現状を踏まえ、単発で終わるのではなく、年間を通じ--子どもの命は単発ではありません、一年間三百六十五日普及啓発に取り組み、広く都民にこのオレンジリボンに込められた児童虐待の防止のメッセージをしっかりと届けていただきたいと思います。また、社会の意識をもっと高め、民間企業の力を活用した取り組みを、より一層推進することが重要と思います。
 児童虐待防止に向けた普及啓発の取り組みについて伺います。
杉村福祉保健局長
 都は、十一月の児童虐待防止推進月間を中心としまして、オレンジリボンキャンペーンに取り組んでおりまして、今年度は民間企業の協力を得て、ポスターの掲示やオレンジリボンの配布などを行うことにより、普及啓発の強化を図っております。
 来年度は、より多くの方々に児童虐待防止に関心を持ってもらえるよう、キャンペーンに協力いただける企業をさらに開拓いたしますとともに、都のイベントを一層活用しながら年間を通じた普及啓発に取り組んでまいります。
山加朱美
 人口減少時代に歯どめをかけるためにも、都民一人一人が子どもを産み育てていくことの大切さを改めて認識し、問題意識を持っていかねばならないと考えます。都はあらゆる力を最大限に活用し、ぜひとも効果的な普及啓発、児童の支援体制の充実に努め、少子化対策に立ち向かっていただくよう強く要望しておきます。
 先ほど、民主党さんもこの児童虐待に対しては大変強い関心を示していただき、心強いことであります。ぜひこのオレンジリボンを、できればつけていただきたかった。残念に思っております。
 次に、障害者への理解についてお伺いしたいと思います。
 障害者といっても、障害種別、程度によっては特性はさまざまであり、松葉づえや車いすを利用していれば、一見して障害があることが理解されますが、外見からは障害者とわからない方は日常生活でさまざまな不便を強いられています。例えば電車の中で優先席に座ることをためらったり、横断歩道で渡り切れずにクラクションを鳴らされたりすることも少なくありません。私も障害四級、人工股関節ですから、同じような苦い経験をいたしております。
 障害四級というのは、体の中のどこか一部分の機能の全廃を持っている方、例えば、義足の方もそうでありますし、人工肛門の方もそうでありますし、ペースメーカーの方もそうであります。なかなか外からはわからないわけでありますから、その分本当に本人は一生懸命努力をし、そしてまた不自由を感じることも多々あるわけであります。
 見えない障害への理解を深めるために、障害に関するシンボルマークも、これは国際規格を初め普及啓発が図られていますが、そして障害当事者の方々も、それぞれの障害に応じて、それぞれ会でシンボルバッジをつくっているところもあります。ただ、それだけにそのリボンの数、バッジの数が多く、健康な一般都民の方から見ると、なかなかどれがどれだかわかりづらくなっていることも事実であります。
 都は、毎年十二月の障害者週間において、障害があることを周囲の人に理解してもらう取り組みを行っていますが、やはり年間を通じて理解を求めることは必要と思います。
 見えない障害は、障害の種別により、不自由さも異なるわけでありますが、一見して障害があることが外から見えないという点では、どの障害も同じであります、共通であります。
 この際、さまざまな見えない障害を持っている方々が、例えば公共交通機関の優先席などで安心できるように、都として統一したマークをつくるなど、見えない障害のある方への理解を一層促進していくべきと考えますが、所見を伺います。
杉村福祉保健局長
 都は、障害への理解を深めていただくため、障害がある方が地域生活の中で必要としている配慮、気づいてほしい心遣いなどを盛り込んだリーフレットを、障害種別ごとに作成をし、区市町村や学校等で配布をいたしております。
 また、外見からわかりにくい障害につきまして、周囲から理解をしていただけるよう、毎年十二月の障害者週間の時期を中心に、電車の中づりポスターや広報紙等で周知を図っております。
 今後、こうした方々への理解を一層進めるために、関係局とも連携をしながら、お話にございました外見からわかりにくい障害の方が交通機関等で利用できるよう、統一的なマークを新たに作成をいたしまして、その利用を、都営地下鉄の優先席でモデル的に実施をしてまいります。
山加朱美
 初めから、都が統一のマークをつくっていてくれれば、どんなに心強かったかなという方たちはたくさんいらっしゃったと思うんです。きょう初めて、統一したマークをつくっていただける、発信していただけるということで、私は目に見えない障害をお持ちの方がどんなに心強く感じることか。そしてまた、この東京は二年後に全国障害者のスポーツの祭典を控えているわけでありますし、二〇二〇年には東京オリンピック・パラリンピックが招致されれば、この東京で開かれるわけであります。ぜひ、その統一マークが日本全体、そして都から発信された、国際社会に向けてしっかりと認識されていくような、そんなマークをしっかりと気合いを入れてつくっていただきたいと思っております。
 さて、次に、具体的に都営地下鉄におけるバリアフリー対策について伺います。
 私は、都議会議員に就任した平成十三年、公決特別委員会において、地下鉄のバリアフリーについてあらゆる角度から質問し、都営地下鉄のセールスポイントはバリアフリーである、世界一であるといい切れるような取り組みを何としても強化していただきたい、十一年前にそう申し上げ、それ以来、一貫してユニバーサルデザインに基づくバリアフリーの実現に力を注いでまいりました。
 都営地下鉄においても、これまでさまざまな面でバリアフリーに取り組んできていると思います。そこでまず、これまでの都営地下鉄におけるバリアフリーに向けた取り組みについて伺います。
野澤交通局長
 交通局では、高齢者や障害者を初めだれもが利用しやすい地下鉄の実現を目指し、駅施設や地下鉄車両のバリアフリー化に取り組んでおります。
 駅につきましては、大江戸線でホームドアの整備を進めておりまして、平成二十五年六月までに全駅の整備を完了いたします。また、エレベーター等による地上からホームまでのワンルートの確保につきましても、現在、百六駅中九十九駅で整備を完了しており、来年度中には全駅で完了いたします。さらに、車いすで利用できる多機能トイレを全駅に設置するとともに、ホームの階段付近の音声案内装置の整備、駅の出入り口などにある小さな段差の解消等に取り組んでおります。
 車両につきましては、ドアの位置を示す点字シールを取りつけたほか、優先席を識別しやすくするオレンジ色のつり手を設置しております。
山加朱美
 バリアフリーに向けて着々と取り組みが進められていることがわかりました。
 実は私も、都庁まで練馬春日町から大江戸線を利用しておりますので、ここ十三年に当選してから、本当にこのバリアフリーが進んだなということを実感しておりますので、高く評価をしております。
 しかしですね、ホームに行くまではいいんですが、電車に乗った後はいかがなものでしょうか。私、調べましたら、車内の優先席が設置をされたのは昭和四十九年なんです。今から三十八年前であります。高齢社会もこれほど進んでいなかった。また障害を持つ方たちも、どちらかといえば、今ほど安心しては世の中に出ていけなかった。
 その後、平成十五年に一度優先席を増設しています。しかし、当時と比べて、これだけ高齢化が進み、障害者も安心して出かけられるようになったのに、いまだ優先席、車両によっては全体座席数の一割程度しかありません。いかがなものでしょうか。
 今後、ますます高齢者はふえ、電車で出かける機会もふえると思います。優先席が今よりもっとあれば、譲る方も譲られる方も気持ちよく利用できるのではないでしょうか。
 局長、今お元気でありますがね、二十年、三十年して本当に足が不自由になったときに、ホームまでは本当にエレベーター、エスカレーター、バリアフリーが進んでいる。電車に乗って、自分が局長のときにこうしておけばよかった、悔いを残さないように、私はぜひ求めておきたいと思います。
 また、この優先席を実のあるものとするには、利用者への啓発が欠かせないわけであります。交通局がマナー啓発を通じ、優先席が本当に必要としている人に譲られるよう、必要としている人が当たり前に座れるよう、働きかけていくことが必要と思います。優先席の増設とあわせ、交通局の見解を伺います。
野澤交通局長
 都営地下鉄の優先席は、高齢者や障害のある方、妊娠している方などのため、現在、基本的に、各車両の前寄りまたは後ろ寄りのいずれかに二カ所ずつ設置しております。
 ご指摘のとおり、今後高齢者がますますふえていくことから、都営地下鉄の優先席について、一両当たりの数を現在の二倍にふやすことを目指し、まずは大江戸線で各車両の優先席を四カ所にいたします。また、優先席を必要とされる方が安心して利用できるよう、先ほど答弁のありました統一マークの活用について、福祉保健局と連携してモデル的に取り組んでまいります。
 あわせて、駅や車内に掲示するマナーポスターをよりわかりやすく工夫するとともに、適時適切な車内放送により、利用者に一層の協力を訴えてまいります。
山加朱美
 三十八年ぶりに二倍ということは、大変思い切った英断だと思っておりますが、ぜひ局長、この後もふやしていっていただきたいと思います。ぜひとも世界一であると胸を張っていい切れるような、バリアフリーの取り組みを今後とも引き続き強化をしていただきたい。  次に、少子高齢社会における都市のあり方について知事にお伺いいたします。
 今世紀は都市の世紀といわれて久しく、知事も、都市は文明の光を映し出す一方で、文明の影の部分が先鋭的にあらわれる二面性を有しているとの認識のもと、都市のありようが人類の未来を決定するとおっしゃっていらっしゃいます。
 都は、「二〇二〇年の東京」の中で、一昨年の国勢調査をベースとした人口推計を行い、総人口は二〇二〇年をピークに減少に転じるとしていますが、その後においても高齢者の人口は着実な増加傾向を見せる一方、年少人口は減少の一途をたどるとするなど、まさしく少子化、高齢化のトレンドは続くとしています。この少子化、高齢化の深刻化も、ある意味で都市特有の問題であります。
 さて、東京は二〇二〇年オリンピック・パラリンピック招致に向け、復活というコンセプトを高らかに掲げていますが、私はそれだけでは、国際都市の中で、この成熟した首都東京が招致に名乗りを上げるには不十分ではないかと思っています。世界に類を見ない超高齢社会に突入した日本であります。その首都東京が、大都市特有の課題をまさに解決する姿を、オリンピック・パラリンピックを通じて全世界に範として示していくことも、私は東京の社会貢献、責務であろうと思っております。
 そうした観点から知事は、この少子高齢化が深刻化する中での都市東京のありようをどのようにとらえ、あるべき姿をどのように実現をしていくおつもりなのかお聞かせください。
石原知事
 これはもう極めて難しい質問でありまして、社会全体のつまり価値感が変わり、生活様式が変わってきて子どもが少なくなってきたという中で、子どもの姿が少ないというのは、何も大都市に限らず、地方に行けば若い人はむしろ都市志向で集まってきますから、地方の中都市の方がもっと惨たんたる印象でありますし、限界集落といわれているところは本当に年寄りしかいない、あとは動物しかというていたらくでありますがね。
 これはやっぱり、私も東京を歩いていて、ママチャリというんですか、お母さんが自転車こいで、前と後ろに赤ん坊乗っけていると、非常に危ない気はするけど、またうれしい気もするわけです。中には生まれたての赤ん坊を背負って母子四人で乗っているというのは、本当にそら恐ろしい感じがしますが、これまた、大都市ならではの一つの風景だと思います。
 先ほどから少子化の問題、いろいろな角度で検討されていますが、私たち、人間の連帯というのはまずやっぱり家族でありまして、子どもをふやす、子どもを安心して育てられる、そういう状況というのは家庭が基本だと思いますから、できれば、要するに高層住宅がふえて、オートロックで出入りしかできないような隔絶された建物がふえてきた中でも、何とかやっぱり親子三代で住んでいただけるような、そういう住宅の提供というものを私は、都として行政で心がけていくことが必要なんじゃないかという気がいたします。
 かつて東村山の大きな空き地があきまして、これは都営住宅の跡でしたけど、私着想しまして、大手に頼んだりせずに地元の、要するに左官屋なり電気屋なりを集めて、東京都がその建設主になった形でやってみろといったら、三割ぐらい安い住宅ができましたね。こういうものの発想を、これからもそのマンションならマンション、都営の住宅というもので発想して、価格の割にスペースの広い、親子三代で住める、そういう住宅をつくることが、私は行政を預かる者としての、都市における少子化対策の一番効果的な方法ではないかと思っております。
山加朱美
 ぜひ、知事の子孫が百年後に、本当にこれでよかったと思えるような、そんな道筋をしっかりとつけていただきたいと思っております。
 次に、時間がなくなりましたので、浸水対策について伺います。
 私の地元、かつて石神井川の支流であった田柄川流域では、近年の局所的な集中豪雨のたびに浸水被害が発生し、平成二十二年の豪雨被害に際しては、私も同席しましたが、練馬区長初め地元から六千人の方々の署名による要望が下水道局長へ提出されました。
 それを受け、この地区で新たな下水道幹線の整備に向けた検討が進められていることは、昨年の第一回定例会で確認をさせていただきました。
 その後の田柄川幹線流域の取り組み状況について、できれば下流部、あわせて上流部、また、同じように練馬区の中村・豊玉地区が浸水対策の重点地区に指定されておりますが、現在、下水道管の整備が進められております。工事の進捗状況、今後の予定について伺います。
松田下水道局長
 既設の田柄川幹線は、かつて川であった場所にふたをかけてつくられたため、浅い位置にあり、豪雨時に幹線内の水位が上昇しますと、そこにつながる下水道管からの雨水が流れ込みにくくなります。このため、深い位置に新たな幹線を並行して整備をいたしまして、田柄川幹線の水位を下げ、浸水被害を軽減してまいります。
 来年度は、田柄・北町地区など下流部、延長約四キロメートルの設計に着手をいたします。
 今後、工事に必要な用地の確保について、地元の練馬区と連携協力するなど、効率的に進めて、一刻も早い工事の着手を目指してまいります。さらに、田柄川幹線の上流部の土支田・旭町地区などについても対策を検討し、地元の皆様の強い要望である浸水被害の早期軽減に向け、精力的に取り組んでまいります。
 また、練馬区中村地区は、重点的に下水道幹線など基幹施設の整備を進める対策促進二十地区の一つでございます。この地区の状況につきましても、昨年委員からご質問いただきましたが、現在、区道豊中通りの道路下に延長約二千四百メートル、貯留量二万五千立方メートルの貯留管などを整備しておりまして、このうち、豊玉中地区などの貯留量二万立方メートルの部分を完了させまして、浸水被害の軽減に向け、昨年四月から貯留を開始しております。
 今後とも、地元の皆様からのご理解とご協力をいただきながら、平成二十六年度末までに残りの貯留管などすべての施設を完成させることを目指してまいります。

2007年02月23日 平成19年度 予算特別委員会第3号
山加朱美
二月十八日、アジア最大規模の市民参加レースとなった東京マラソン二〇〇七、走る人も応援する人もまさに我がまち東京が一つになりまして、知事が大きく手を上げスタートの合図を切った瞬間、まさに大河が流れるごとく、この都庁前を三万人のランナーが流れ始めました。
私は、この大会を支えた、本当に見えない部分でしっかりと支えた皆様に心から敬意を申し上げたいと思います。
 私もちょうどテレビを見ておりましたら、そのときに、恐らく都民に迷惑がかからないようにということで道路標識がぎりぎりで変更されたと思うんですが、そのとき指揮をとっていた方が、今、地上は雨が降っています、でも、この雲の上は晴れています、皆さん、晴れたつもりでこれから仕事を頑張ってほしい。
別に飾った言葉ではない、普通の言葉だったんですが、なぜかとても感動したんですね。
きのうから大変言葉じりをとらえたり、マイナス思考の質疑が繰り返されているのを耳にいたしまして、大変このようなプラス思考の、心に感動する一言を思い出したわけでありますが、その裏では一万二千人を超えるボランティアが活動したと伺っております。
 まず、ボランティアで参加された方々は、実際にどのような場面で活躍をされたのか伺います。
熊野東京オリンピック招致本部長
東京マラソンにおきましてボランティアにお手伝いいただいた主な業務を申し上げますと、二月十六日及び十七日に開催しましたマラソンエキスポでのランナー受け付け、それから、十八日の大会当日におきましては、スタート会場ではランナー誘導、車いすランナーのケア、荷物の預かり、コースでは給水、給食、沿道整理、清掃、また、フィニッシュ会場では完走メダルの渡し、表彰、荷物返却など、大変広い範囲にわたっております。
 大会当日は、あいにくの雨にもかかわらず、ボランティアの皆さんは、ランナーに温かい声援を送りながら、長時間にわたって熱心に業務に従事していただきました。改めて感謝を申し上げたいと思います。
山加朱美
東京は今、二〇一六年のオリンピック、パラリンピックの招致へ向けて全力で取り組みを進めているわけですが、今回の東京マラソン開催によって、さまざまな角度から日本の超元気が世界に大きくアピールされたと思います。
 その一つが、今伺ったボランティアの活躍だったと思います。
スポーツのビッグイベント、競い合うスポーツの祭典であるという面だけでなく、市民がさまざまな形で参加をする、市民の祭典であるという側面もあることは当然であります。その中で、ボランティア参加の存在は大変重要な要素だと思います。
 しかし、この市民のボランティア参加について、それが単にお祭りに参加するという、その日だけの経験に終わらせてはならないと私は思っております。
欧米では、日ごろから、環境、福祉、防災等のさまざまなボランティア活動が社会の中に根づき、多くの市民がさまざまな形でボランティアに参加をしております。
しかしながら、我が国においては、日常的にボランティア活動に参加している人はまだ少なく、アメリカやイギリスでは約半数の国民が何らかのボランティア活動に参加しているのに比べ、我が国は残念ながら二割程度の参加にとどまっていると聞いております。
 しかし、最近、都民の社会への貢献意識は、団塊世代を中心に高まっております。
今後、退職を機とした積極的なボランティア参加が期待されると思います。
 そこで、都において、ボランティアやNPO等の市民活動の促進のためにどのような支援を行っているのか伺います。
渡辺生活文化局長
都は、東京都社会福祉協議会が運営する東京ボランティア・市民活動センターを都内における総合的なボランティア活動支援の拠点として位置づけ、センターを通じて市民活動に対するさまざまな支援を行っております。
 具体的には、ホームページや広報誌によって市民活動に関するイベントや支援メニューなどの情報提供を行うほか、ボランティア団体に対する会議室などの提供や会計実務等の各種相談、ボランティアリーダーなどの人材育成事業等を実施しております。
山加朱美
都がさまざまな支援を行っていることはよくわかりましたし、その支援を行うことは私も大変大切なことだと思います。
 しかし、NPO、ボランティア等と行政とが互いに適切なパートナーシップのもとに協働して公共的な課題に取り組んでいくことが本来の姿であると思います。
 そこで、都は、NPO、ボランティア等との協働をどのように推進しているのか伺います。
渡辺生活文化局長
都は、NPOやボランティア等の持つ専門性や柔軟性、機敏性などの特性を生かすことで、より都民のニーズに沿ったサービスを提供するため、社会貢献活動団体との協働に関し、推進指針やマニュアルに基づいて協働の推進を図っております。
 具体的には、自然環境の保全や美化運動、博物館や動物園でのガイドなど、NPO、ボランティアなどとの協働事業数は年々増加しておりまして、平成十七年度には百八十七の事業が実施されております。
 さらに、協働を希望する都の関係局とNPOの双方のきっかけづくりをサポートする協働マッチング事業を、平成十九年度の重点事業としてモデル実施する予定でございます。
山加朱美
次に、都における今後のボランティアの育成、あわせまして、都民が気軽にボランティア活動に参加できる機会やその場を提供することについても積極的に進めていくべきと考えますが、都の所見を伺います。
渡辺生活文化局長
都では、東京ボランティア・市民活動センターを通じて、インターネットの検索サイトを活用し、ボランティア活動の希望者に対しまして、地域別や活動分野別に検索できる募集情報を提供しております。
 また、地域のボランティアセンターとも連携し、夏の体験ボランティアキャンペーンを実施しておりまして、多くの学生を含め、毎年、八千人を超える参加を得ております。
 さらに、今後、NPO法人情報管理・提供システムを構築し、現在五千を超える、東京都が認証しておりますNPOの法人情報を都民がインターネット上で閲覧できるようにするなど、市民活動への参加を支援してまいります。
山加朱美
さて、十年後、二〇一六年の開催を目指している東京オリンピック、パラリンピックにおきましても、ボランティアの役割は大変重要であろうかと思います。
 実際、これまでのオリンピック、パラリンピックを見ましても、数万人に上る市民がボランティアなどさまざまな形で参加し、大会を支えるとともに、感動と喜びを分かち合ってまいりました。
 北京オリンピックでも、二〇〇六年八月から二〇〇八年四月まで約十万人のボランティアを募集していると聞いております。東京招致に成功した暁には、大会の運営に当たり、ボランティアの方々が積極的に活躍できる機会を設けるべきと考えますが、所見を伺います。
熊野東京オリンピック招致本部長
オリンピック及びパラリンピック大会におきまして、オリンピックムーブメントの機運の醸成あるいは運営への効果的支援など、ボランティアの果たす役割は大変重要であると考えております。
 また、ボランティアとして参加する方々にとっても、競技の感動を、選手や観客とともに現場で共有できる貴重な体験になると思います。
 二〇一六年にオリンピック及びパラリンピック大会を東京で開催することになれば、各競技会場等での案内や選手の活動支援、語学ボランティア、さらには文化交流など、さまざまな形で多くの方々にボランティアとして活躍していただきたいと考えております。
山加朱美
次に、私は、昨年の第一定例会でパラリンピック大会の位置づけについて知事にお尋ねをいたしました。その際、パラリンピック大会は、障害者の自立と社会参加を進め、障害者に対する理解を深める契機となるものとの認識を知事からご答弁いただきました。
 私は、それに加えまして、ボランティアが選手を支え、ともにパラリンピックを成功させる姿は、障害者とともに生きていくこれからの日本の共生社会のあり方を全世界に発信することにもなると確信をいたします。
 日本は間もなく世界に例のない超高齢社会を迎えます。人間はだれもが肉体の老化を避けることはできません。
だれもが障害者の立場を経験することになります。
そこでは、障害の有無を問わず、ともに生きる共助の社会の精神が広く理解されることが重要であります。
 東京で開催しようとしているパラリンピックは、こうした共助の社会の姿を示し、ノーマライゼーションの新たな方向を全世界に示す大会としていくべきと考えますが、知事のご所見をお伺いいたします。
石原知事
東京パラリンピック大会が、障害の有無を問わず、だれもが互いに尊重し、支え合いながら人間的な生活ができる社会の実現というノーマライゼーションの考え方に立つべきことは、まことに同感でございます。
 そのため、競技施設や選手村においてバリアフリーを徹底することはもちろんでありまして、東京の持つITやものづくり技術を存分に生かし、すべての人が快適に利用できる環境を整備したいと思っております。
 また、大会運営においても、選手、ボランティア、観客が一体となって感動や連帯感を共有できる方策を検討し、これまでにないパラリンピック大会のあり方を東京から発信していきたいと思っております。
 しかし、何よりも必要なことは、東京ならではのホスピタリティー、東京ならではの心の温かいもてなしを供給することだと思っております。
山加朱美
ありがとうございました。
 私は、一九六四年の東京大会、この東京オリンピックがパラリンピックの名づけ親である、この日本がパラリンピックの名づけ親であるということを以前にも申し上げました。
 ぜひとも二〇一六年東京大会におきましては、今、知事がおっしゃった、東京ならではの新たなパラリンピックを世界に向けて発信し、この首都東京の共生社会の方向性をどうか大きく打ち出していただきたいことを強く申し上げまして、次の質問に移らせていただきます。
 都税収入額は、十八年度補正予算では四兆八千七百七十一億円、十九年度予算では五兆三千三十億円ですが、両年とも徴収率九七・八%を前提としています。
 (パネルを示す)ところで、グラフでわかりやすいように用意をいたしました。
過去の都税徴収率を調べてみますと、この赤い線、平成七年度、一番低いところ、九〇・二%でありました。この年度の全国地方税徴収率は九四・〇%であり、都税徴収率を三・八ポイント上回っております。その後、十二年度には、都税徴収率が全国地方税徴収率を逆転し、年々差が大きくなり、平成十六年度、都税徴収率が全国地方税徴収率を二・九ポイント上回りました。大変急激に伸びていくわけであります。
 この間、主税局では、さまざまな創意工夫を行い、徴収率の向上に努めてきたと思います。改めてこの間の徴収努力について伺います。
菅原主税局長
税務行政の適正及び公平性の確保という観点から、組織として事務運営を抜本的に見直すとともに、インターネット公売、そしてタイヤロック等の新たな滞納整理技術の導入、さらには都内区市町村と連携いたしました個人住民税対策など、さまざまな手法を駆使いたしまして都税徴収率の向上をこれまで図ってまいりました。
山加朱美
ただいまご説明をいただいたさまざまな取り組み、多くの報道機関が取り上げ、高い評価を受けたことは存じております。
 最近の取り組みでは、昨年の十一月二十二日、近未来通信の本社に対し、東京都主税局が公的機関として最初の捜索を行いました。この様子はテレビ各局のニュースでも取り上げられ、東京都としての面目も大いに上がったことと思います。
 これに端を発して、年末年始、何度か東京都主税局の捜索が各局のニュースで取り上げられておりました。先週月曜日だったと思いますが、悪質滞納者と闘う現場、東京Gメンの攻防と称しまして、私もちょっと見せていただきましたけれども、現場の皆さんは本当に体を張って、汗をかいてこの徴収率の向上につなげたと思います。
 ぜひ、この地方税の滞納による捜索について、その意義と東京都の現状についてお伺いいたします。
菅原主税局長
再三にわたる催告にも応じないような、納税に対しまして全く誠意がない滞納者に対しまして、捜索を実施し、財産の発見に努めております。
 実績といたしましては、平成十六年度六十七件でありましたけれども、平成十七年度には百七十四回、そして、平成十八年度は既に一月までに二百二十七回実施しております。
山加朱美
ところで、主税局が行っているインターネット公売、タイヤロックといった先進的な取り組みでありますが、聞くところによりますと、職員のアイデアを主税局が取り入れ、わずかな予算で大きな効果を上げたと伺っております。
職員提案制度では最優秀賞に輝いたと伺っているんですけれども、さらに、これらの取り組みについては、いまだに全国の地方公共団体等から問い合わせや視察があり、実施に移している団体もかなりに上ると伺っております。
 インターネット公売及びタイヤロックの他団体への拡大状況について、どのようになっているのか伺います。
菅原主税局長
お答え申し上げます。
 平成十六年七月に全国で初めて実施したわけでありますけれども、インターネット公売は、その後全国の自治体に拡大しておりまして、これまでに百四十六の自治体がインターネット公売を実施しております。
そして、来年度からは、やっと国税でも導入されることとなっております。
 また、平成十八年二月から東京都が本格的に実施いたしましたタイヤロックでありますけれども、その即効性が高く評価されまして、現在、五十二の自治体で導入あるいは導入予定となっております。
山加朱美
局長、そのように全国に広がることが予想されたのであれば、何かパテントでも取得してアイデア料を稼げたのではないかと思うんですが、ぜひ次の新しいアイデアのときには、そのような副収入も考えてはいかがかと思います。
これはお答えは要りません。
 ところで、もう一点、他団体との連携についてでありますが、昨年第一回定例会で我が党の矢島議員の質問に対しまして、首都圏自治体との連携をさらに深めていくとのご答弁をいただいております。
この取り組みについて、十八年度の実績及び十九年度の予定がどのようになっているのか伺います。
菅原主税局長
平成十八年度には、埼玉県、そしてさいたま市との職員相互交流を実施いたしまして、埼玉県、そしてさいたま市から長期の研修生三名を受け入れております。
そして、実際に東京都の滞納整理の現場で、捜索を初めといたしまして先進的な取り組みを体験していただいております。
 また、主税局の職員を、延べ六名でありますけれども、埼玉県、そしてさいたま市に派遣いたしまして、一緒に仕事をすることを通しまして東京都のノウハウを提供しております。
 平成十九年度は、このほかに、現時点で二県、そして二市の長期研修生を受け入れるなど、首都圏自治体とさらなる連携を深めたい、このように思っております。
山加朱美
国民年金、給食費の問題など、払わなくてもよいという風潮が蔓延する中ではありますが、東京都主税局では、全国の地方公共団体とさまざまな形で連携し、地方税全体の徴収率向上はもちろんでありますが、さらに、社会全体の公正、公平を図っていただきたいと思います。
 最後に、冒頭に述べました平成七年度の九〇・二%という徴収率と、もう一度グラフをごらんいただきます。
(パネルを示す)その後の全国地方税徴収率から算出いたしますと、この十年間の合計、何の努力もしなければこのように推移していたかもしれないわけでありますね。
この間の十年間の合計を、一兆円余りの徴税努力があったという見方もできるわけであります。
 これを高く評価いたしますとともに、ぜひ局長、パーフェクトバーニング、パワー全開で徴収率一〇〇%を目指していただきたいと思いますけれども、局長の強い決意表明をお願いいたします。
菅原主税局長
税負担の公平性の確保は、都民の方々の信頼を確保するという意味で、都政にとりましても極めて重要な課題でございます。
 平成十九年度から、全国自治体の長年にわたる悲願でございました税源移譲が、一部でありますけれども実現されますけれども、今後、地方分権を確立する上で、さらなる税源移譲を国に求めていくためにも、着実に徴収するということが極めて重要な課題である、このように思っております。
 局といたしましては、唯一の歳入所管局といたしまして、今度ともさまざまな創意工夫を凝らしながら、局一丸となり、また、全国の自治体とも連携をいたしまして、さらなる徴収率の向上に全力を尽くしてまいりたい、このように思っております。
山加朱美
ぜひよろしくお願い申し上げます。
 次に、都立病院の経営に関して伺います。
 都立病院は、これまで、三百六十五日二十四時間、トータルな救急医療サービスを提供する東京ERの設置など、都民に対する医療サービスの充実に取り組んできたことは高く評価をいたしますが、本日は、病院の経営効率向上の観点から何点か伺います。
 現在、都立病院に限らず、病院経営をめぐっては、国の医療制度改革の流れの中にあって、大変厳しい運営を余儀なくされていると思います。
 病院の収入源である診療報酬は平成十四年度以降マイナスの改定が続き、直近の十八年度改正ではマイナス三・一六%という過去最大の大幅な削減となっています。
 こうした状況の中、都立病院が今後も都民に高度で良質な医療を提供していくためには、何よりも経営基盤の強化が必要であります。
 そして、経営体質を健全化していくためには、収入の増が見込まれにくいのであれば、可能な限り支出を抑制していかなければならないのは当たり前のことであります。
 経費削減の視点から病院運営に関する費用を見ますと、人件費が大きな比率を占めておりますが、この人件費を減らすということは、医師や看護師などの医療スタッフの人材確保の観点からも困難であると思います。
しかし、薬品などの材料費は、工夫次第ではコストの削減が可能なのではないかと考えます。
そこで、まず、都立病院の薬品や診療材料等の材料費の額、また、全費用に占める材料費の割合はどの程度なのか、平成十九年度の予算ベースで伺います。
大塚病院経営本部長
平成十九年度の病院会計予算案で申しますと、薬品費が約百六十九億円、注射器やカテーテル等の診療材料費が約九十三億円、給食材料費が約十四億円、その他消耗品を含めまして材料費総額といたしましては約二百七十七億円でございます。
 病院事業費用全体に占める材料費総額の割合は約二割となっております。
山加朱美
都立病院の事業規模の大きさを改めて認識いたしましたが、約二百八十億円に上る材料費の縮減を図るための方策が、私は一つの大きなかぎになると思います。
 病院経営本部では十八年度から診療材料などの共同購入を実施していると聞いておりますけれども、この共同購入とはどういうものか、また、なぜ共同購入を導入しようとしたのか伺います。
大塚病院経営本部長
共同購入と申しますのは、従来、病院ごとに購入していた薬品や診療材料などを本部において一括して購入するものでございます。
 これまで、各病院では、経営コストを削減するために、採用薬品数を抑制したり、低コストの診療材料を購入するなど、それぞれが個別に地道な努力を行ってまいりました。
 これに対して、共同購入は、全病院分を本部でまとめて契約することで、契約数量を飛躍的に拡大する結果、スケールメリットを生かしまして一層のコスト削減を図ろうとするものでございます。
 加えて、購入契約を本部が一括して行うことになるため、各病院での調達事務の軽減が図られるという効果もございます。
山加朱美
一括購入のメリットは、契約規模が大きければ、当然その効果も大きなものと期待できるわけですが、実際の契約では理論どおりうまくいっているのか、また、平成十八年度の実施内容とその成果はどのようなものだったのか伺います。
大塚病院経営本部長
平成十八年度は導入初年度でありましたことから、まず、医師、看護師、医療技術系職員などの代表者で構成いたします共同購入実施検討会によりまして、対象品目の選定や納品体制などにつきまして具体的な検討を行った後、昨年十月から試行を始めております。
 実際の共同購入は、検査試薬につきましては広尾、大塚、豊島の三病院で使用する大半で、また、診療材料につきましては、小児三病院を除く八病院で使用するもののうち一部で開始したところでございます。
 このうち、診療材料につきましては、一層のコスト削減効果を得るため、同じ用途で使うものにつきましては、製品の標準化を行った上で購入しております。
 この結果、平成十八年度は、年間ベースに換算いたしまして約八千六百万円のコスト削減が実現できる見込みでございます。
山加朱美
十八年度は導入初年度ということで、一部の材料のみに限定しての、しかも試行的な実施にもかかわらず、年間八千六百万円、これ、大きな数字ですよね、コスト削減効果が出たのであれば、私はもっと規模を拡大して実施をしていただきたいと思います。
 また、薬品費は予算規模が百六十九億円に上るわけですから、より大きな効果が期待できるだけに、私は、都立病院は薬品の共同購入を早い段階で実施すべきと思います。
 また、今のご答弁の中で、診療材料について標準化を図ったということでしたが、購入金額の大きな薬品の標準化も行えば、さらにその効果は高く、薬品の標準化も同時に推進していくべきと考えます。
 今後の共同購入の計画はどのようなものか、また、課題である薬品の標準化に今後どう取り組んでいくのか伺います。
大塚病院経営本部長
平成十九年度は、新たに薬品と医療用ガスの共同購入を開始する予定でございます。
 また、平成十八年度に試行した検査試薬と診療材料につきましても、購入範囲を拡大いたしまして、引き続き実施いたします。
 ご指摘の薬品の標準化につきましては、コスト削減効果があるだけでなく、処方時、投薬時の間違いを防ぐという医療安全上の観点からもメリットは極めて大きいと考えております。
 このため、昨年十月、医師、薬剤師など各病院の医療スタッフの代表者で構成する検討組織を設置いたしまして、現在、薬品の標準化の具体策について鋭意検討を進めているところでございます。
山加朱美
都立病院は、現在、病院の再編整備を一気に進めているほか、都立病院医師アカデミーの設置など意欲的な改革に取り組んでおります。
 私は、こうしたドラスチックな改革も当然必要と考えますけれども、今伺ったような、同時に、地味ではありますけれども、足元からしっかりとできる経営改善へ向けた努力も大変重要であると思います。
 この共同購入を着実に成功させていただき、どうか大きな成果を上げることを期待いたします。
 冒頭でも申し上げましたが、良質な医療の安定した提供が課題になっている現在、今後、都立病院への期待はますます高まっていくものと思われます。共同購入にとどまらず、さまざまな分野でコスト削減を図るなど、都立病院の経営基盤の安定化を図り、都民の期待に十分こたえられる病院運営を行うことを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 認知症対策について伺います。
 医療の進歩により、その治療法も進んでいるようでありますが、認知症は、私も、そして知事は一回りは若く見えますけれども、高齢期においてだれもがなり得る病気であり、決して人ごとではございません。
 最近は、年齢を問わず、若年認知症も増加しております。さらに今後、団塊世代の高齢化により、認知症高齢者は大幅にふえていくと思われます。そして、一方で、ひとり暮らし、夫婦のみの世帯が今後も増加し、老老介護の負担など、家族による介護がこれまで以上に厳しくなることは明白であります。
 私は、昨年の第一定例会で、認知症に優しいまちづくりを推進することを提案いたしました。これに対し、都は、認知症高齢者を地域で支える東京会議を設置し、認知症の正しい理解の普及に努めていくとご答弁をいただきました。
 そこで、まず、東京会議及び昨年十一月から都が三カ月間にわたって行った、認知症の人が安心して暮らせるまち・東京キャンペーンを通しての成果について伺います。
山内福祉保健局長
認知症高齢者を地域で支える東京会議では、昨年七月の発足以来、多くの都民が認知症を正しく理解し、それぞれの立場で支援にかかわるきっかけづくりなどに取り組んでまいりました。
 また、お話しのキャンペーンにおいては、東京会議の呼びかけに賛同した三十七の団体、二十三の企業や区市町村との協働によりまして、認知症の方や家族を身近で見守る認知症サポーターの養成講座やシンポジウム等を幅広く開催しまして、延べ一万人を超える方々が参加いたしました。
 さらに、本年一月の第四回東京会議では、これまでの議論の集大成として、都内で暮らし、働く方々に対しまして、東京の地域特性を踏まえた支え合いの実現に向けたメッセージを取りまとめ、広く発信するなどの取り組みを行いました。
 これら一連の取り組みによりまして、認知症の方を地域で支えていく機運が確実に醸成されてきているものと考えております。
山加朱美
認知症を身近なことととらえ、正しく理解し、それぞれが自分ができることを考える、そんな機運が生まれたことは大変心強いことですし、こうした機運を今後も継続し、拡大するため、都のさらなる取り組みを求めたいと思います。
 また、今後は、この東京会議の成果も踏まえまして、認知症の人や家族に対する支援について、多面的かつ具体的に検討を深めていくべきと考えますが、都の十九年度の取り組みについて伺います。
山内福祉保健局長
都民を初め生活関連事業者などが幅広く参画した東京会議の成果を踏まえまして、認知症の方に対する具体的な支援体制の構築へと取り組みを前進させるために、平成十九年度においては、学識経験者や医療、介護の専門家等による新たな検討組織を設置することとしております。
 この検討組織におきまして、症状が進行していくそれぞれの過程に対応した医療的な支援のあり方や、一人一人の生活環境等に応じた地域における生活支援の仕組みづくりなどについて、専門的かつ具体的に検討してまいります。
山加朱美
認知症に対する関心が高まったとはいえ、周囲の誤解や偏見から、認知症の人や、またその家族が孤立したり、適切な支援がない中で、認知症の進行だけを速めてしまう事例はいまだに少なくありません。
 今後の認知症対策を実効性あるものとして都内全域に広げていくためには、机上の論、会議での議論だけではなく、早期発見、早期診断のために、かかりつけ医の認知症の対応力を向上させる研修など、支援する具体的な取り組みを展開し、検証することが必要と考えますが、今後の都の対応について伺います。
山内福祉保健局長
平成十九年度においては、お話しの、かかりつけ医の認知症への対応力を向上させる研修を拡充するなど、専門的な人材の育成に引き続き取り組んでまいります。
 また、認知症の方や家族の生活を支援するために、地域包括支援センター等を核として、地域のさまざまな団体や企業と住民が連携したネットワークの構築や、グループホーム等を活用した、地域に開かれた支援の拠点づくりなどの新たなモデル事業を開始することとしております。
 あわせて、先ほどお答えした検討組織において、これらのモデル事業の実施状況や課題を検証するとともに、さまざまな社会資源の連携・活用事例を紹介いたしまして、地域における認知症対策の都内全域への普及に努めてまいります。
山加朱美
ぜひよろしくお願い申し上げます。
 認知症対策を推進する際に、私、あわせて考慮すべきは、高齢者虐待の問題があると思うのです。
 認知症に対する、そしてまた認知症による言動の混乱が虐待の主要な原因ともいわれておりますが、虐待を受けている高齢者の七割が認知症またはその疑いのある方といわれております。
 昨年、高齢者虐待防止法が施行されましたが、養護者支援について具体的な規定がないなど、制度としてもまだまだ多くの課題が残されております。
 こうした中で、都が総合的な認知症対策を推進し、認知症の人や家族への適切な支援が広がることは、高齢者虐待の予防、未然防止を図る上でも私は大きな意味を持つものと考えます。
 今後とも、高齢者の権利擁護に向け、都がさらなる取り組みを展開されることを強く要望いたしまして、次の質問に移ります。
 全国で二百万から三百万人の潜在的感染者がいるといわれるウイルス肝炎について、我が党は、昨年のこの予算特別委員会におきまして、本年の予特の委員長であります川井委員長より、早期に確実に治療へ結びつける方策の確立、そして特に治療実態の進歩に合わせた施策の展開が強く要望されました。
 都が、我が党の要望を受け、短期間に施策を見直し、国に先駆けて、より実効ある具体的対策を構築したことを高く評価いたします。
 さて、ウイルス肝炎は四十歳以上の年齢層に多く、血液製剤の安全対策が強化され、衛生環境が改善されたことから、四十歳未満の年齢層においては、新たな感染者の発生はほとんど見られない状況であります。
 しかし、沈黙の殺人者、サイレントキラーと呼ばれるこのC型肝炎は、自覚症状に乏しく、本人が気がつかないうちに慢性肝炎から肝硬変、肝がんへと進行する、大変リスクが高い病気であるといわれております。
また、肝臓がんの九割は肝炎ウイルスを原因とするもので、その多くはC型肝炎となっております。
 都は、平成十四年度から、肝炎ウイルス対策について独自に総合的な取り組みを進めていますが、肝炎検診の未受診者はまだ多く、また、感染者の多くが治療を受けていない状況と聞いております。
 一方、今日の医学の発達によりまして、治療が難しいとされてきたC型肝炎については、完治が可能となってまいりました。
潜在的感染者を肝がん等の脅威から救うためにも、私は、徹底した肝炎ウイルス検診の促進と早期治療への確実な結びつきが大切であると思います。
 都が行う今回のウイルス肝炎受療促進集中戦略の中で、これまで以上の具体的な取り組みが求められますが、所見を伺います。
山内福祉保健局長
平成十九年度から新たに開始するウイルス肝炎受療促進集中戦略は、四十歳以上に多い潜在する感染者を早期発見、早期治療することにより、肝がんへの進行予防を目指しまして、五年間の時限的措置として実施するものでございます。
 具体的には、肝炎ウイルス検診について、区市町村で実施する四十歳以上を対象とした老人保健法による検診に加えまして、企業などでの受診機会のない方や希望者についても、身近な医療機関等で受診できるよう体制を拡充いたします。
 また、感染者の早期治療を促進するために、かかりつけ医から肝臓専門医へつなぐ肝炎診療ネットワークを整備するとともに、C型肝炎インターフェロン治療に対する医療費助成制度を創設するなど、確実な治療に結びつけてまいります。
 実施に当たりましては、本年二月に設置いたしました、肝臓専門医、東京都医師会、区市町村などで構成する東京都ウイルス肝炎対策協議会において事業の進行管理や評価を行いまして、確実に推進してまいります。
山加朱美
ぜひとも、これまで既に陽性者とわかりながら、自覚症状がないために治療を受けていない方々が一人でも多く活用されますよう、実効性のある施策展開を求めます。
 次に、今回の戦略の特徴として、新たにC型肝炎の通院医療費助成制度が創設されますが、制度の趣旨及びその内容がどのようなものか、また、我が党は、医療費助成制度につきまして、これまでも低所得者への軽減措置も求めてまいりました。あわせて所見を伺います。
山内福祉保健局長
新たな医療費助成制度は、肝がんへ進行する危険性の高いC型肝炎につきまして、インターフェロン等により完治が期待されることに着目いたしまして、早期の治療を促進するために創設するもので、平成十九年十月実施を予定しております。
 助成内容については、近年のインターフェロン治療に要する標準的な治療期間がおおむね一年であることを踏まえまして、助成期間を一年とし、その間の医療費の患者負担の軽減を図る予定でございます。
 なお、住民税非課税世帯については、患者負担がないようとするように考えております。
山加朱美
この戦略は、行政効果としても大変評価できるものですし、また、戦略の実施期間を短期集中的に五年間と区切っていることによって、私は、早期に検診、治療へ都民を促す効果も期待できるものと思っております。
 医療の進歩に合わせ、適切な医療費助成を行い、治療を促進することは大切なことであります。
 しかし、一方で、現在、入院医療費助成制度がありますが、平成十四年度のこの制度設立当初は、ウイルス肝炎の治療が入院中心であったことから、入院治療を助成することで治療を促進する効果を期待したはずであります。
 この制度は、本年九月、平成十九年九月末をもって終了すると聞いておりますが、現在、入院治療を継続している患者が、制度の見直しによって、医療費の負担の増加などにより治療の中断を余儀なくされることは決してあってはならないことであります。
 今後、現在の入院医療費助成制度について、経過措置の配慮など検討すべきと考えますが、所見を伺います。
 また、最新の治療法をもっても効果が得られない患者、家族などへの支援も必要と考えますが、あわせて所見を伺います。
山内福祉保健局長
現行の入院医療費助成制度につきましては、入院中心から通院中心へと変化した治療実態や、東京都ウイルス肝炎対策有識者会議の専門的報告に基づきまして、今回見直しを行ったものであります。
 現在助成を受けている方に対する経過措置につきましては、ご指摘の趣旨を踏まえまして適切に対処してまいります。
 お話しの、インターフェロンなどさまざまな治療法をもっても効果の得られない患者や、その家族などへの支援については、患者の症状等に応じた的確な指導助言を行うため、新たに肝臓専門医やケースワーカーによる専門相談を拡充してまいります。
 また、日常的な健康相談へ対応する保健所職員等のより一層の資質向上を図るなど、きめ細かな対応に努めてまいります。
山加朱美
最後に、二月一日の「広報東京都」では、平成十九年度予算編成の二つの柱の第一に、十年後の東京の姿を展望しながら積極的に都民の負託にこたえていくことが掲げられ、ウイルス肝炎通院患者に対し、国に先駆けて都独自の対策を講じるとの記載がありました。
それだけ、福祉保健行政に対する知事の思いも強いものと考えます。
 国が取り組まなければ自治体が取り組むことは、都民の健康と命を守る姿勢として極めて重要なことであります。
 最後に、知事の都民の健康を守る強い決意を伺いまして、残すところは二分でありますので、私の質問はこれで終わりますが、知事は二分以内でなくても結構なわけですから、福祉には、野党によりますと大変知事は薄いといわれておりますけど、私はそんなことはないと思っております。
どうか強い知事の思いを伺わせていただけたらと思います。お願いいたします。
石原知事
世界に類を見ないスピードで超高齢化社会に向かう中、都民が健康かつ安心して人生を楽しむことができるためにも、やはり都民個々人の方がみずから健康づくりに取り組むべきだと思いますが、しかし、それを社会が支えていく仕組みもまた必要であると思います。それは行政の責任だと思います。
 昨年末に策定しました「十年後の東京」においては、すべての都民が生涯にわたって健康に過ごせ、質の高い医療を受けられる環境を創出することといたしました。
 私の周囲にも案外C型肝炎にかかって、非常にだるさを我慢しながら頑張っている人がいるんですが、そういうものを見まして、このため、新たに平成十九年度予算において、都独自のウイルス肝炎対策に取り組むとともに、福祉・健康安心基金を設置しまして、今後、この基金を活用して戦略的に施策を展開することにより、都民の健康確保に率先して取り組んでいきたいと思っております。