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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会

山加朱美
自由民主党意見の開陳を行います。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 我が国経済は、企業部門の好調さが持続し、家計への波及になお不透明さを残すものの、戦後最長となる景気拡大が緩やかながらも続いております。
 平成十九年度東京都予算案は、こうした景気好転に伴う法人二税の伸びなどを反映し、都税収入も過去最高となる五兆三千三十億円を見込むなど、一般会計の規模は六兆六千二十億円と、九年ぶりに六兆円台後半となっています。
また、隠れ借金の解消にめどをつけ、負の遺産の抜本的な対応に取り組むとともに、基金残高も九千億円を超える水準まで回復するなど、長年の懸案であった財政再建を達成した内容となっています。
 また、我が党の要望にもきめ細かくこたえ、都市インフラの拡充、安全・安心の確保、少子高齢対策、中小企業支援など、ハード、ソフト両面において喫緊の課題への対策を適切に講じています。
その結果、投資的経費の単独事業は二年連続で一〇%を超える高い伸びを示すとともに、福祉と保健などの目的別で見ても、すべての分野で予算の増額を図った内容となっています。
 さらには、二〇一六年のオリンピック招致、そして「十年後の東京」で描いた将来像の実現に向けて、福祉、環境、スポーツ・文化の三分野において新たに基金を創設し、施策の安定的かつ集中的な推進を担保しています。近年の税収増をむだなく有効に活用するため、都の前向きな姿勢を明らかにした画期的な取り組みであり、高く評価いたします。
 しかしながら、決して楽観は許されません。いつまでも好景気が持続することは期待できない上、都財政の回復を背景とした東京富裕論を根拠として、東京から財源を奪う動きは一層強まる様相すら見せています。
都民の皆様のご理解とご協力があればこそ、都財政はここまで立ち直ることができました。
 我々都議会自民党は、財政再建の達成により獲得した貴重な財源は、多様な施策展開を図ることにより、しっかりと都民一人一人に還元していくことが必要だと考えます。そのためにも、財政基盤の強化に引き続き邁進しながら、都民福祉の向上に努めていくべきであることを改めて指摘しておきます。
 なお、予算の執行に際しては、各局とも効率的な事業運営に全力で取り組み、最大限の効果を発揮するよう強く要望いたします。
 次に、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、福祉・健康都市東京ビジョンの基本方針を継承しつつ、福祉、保健、医療を取り巻く状況の変化に対応すべく今年度策定された東京の福祉保健の新展開二〇〇七に基づいて、これまで先導的に取り組んできた福祉改革と医療改革をさらに前進させ、より効率的、効果的な福祉保健施策の展開を図られたい。
 二、区市町村が地域の実情に応じて、主体的に福祉、保健、医療のサービスの充実や基盤整備に取り組めるよう、現行の補助制度を再構築した新たな包括補助制度を創設し、一層の充実を図られたい。
 三、「十年後の東京」で示された、みんなが生き生きと暮らせる都市の実現を目指して、将来に向けた重点的かつ集中的な取り組みを行っていくため、福祉・健康安心基金を設置し、今後の施策展開に活用されたい。
 四、ケアを必要とする高齢者が地域の中で安心して暮らし続けられるよう、認知症高齢者グループホーム緊急整備三か年事業に基づき、整備を促進するとともに、防火対策や夜間の職員体制強化につながる取り組みを支援されたい。
 五、認知症高齢者が地域で安心して生活できるように、地域の社会資源の面的な連携によるモデル事業の実施や、かかりつけ医に対する認知症対応力向上など、総合的な認知症対策に取り組むとともに、高齢者虐待防止・養護者支援法の趣旨を踏まえ、早期発見、迅速な対応を支援するため、区市町村等の人材育成を図られたい。
 六、療養病床への再編成を踏まえ、受け皿づくりを含め、将来的なニーズや社会資源の状況に応じた地域ケア体制の計画的な整備を図られたい。
 七、シルバーパスについては、都内の高齢者にとって、社会参加あるいは社会貢献活動に極めて重要な施策であることから、税制改正の影響に伴う激変緩和措置を平成十九年度も継続されたい。
 八、介護施設を取り巻く環境変化を踏まえ、高齢者の多様なニーズにこたえるため、用地費助成など、施設整備費補助のあり方を積極的に見直し、介護を要する高齢者の受け皿となる介護専用型有料老人ホームや、公有地を活用した介護施設等の一層の整備促進を図られたい。
 九、子育て支援の主体である市町村における、地域の特性や創意工夫を生かした独自の取り組みを支援する、子育て推進交付金を充実されたい。
 十、複雑化、困難化する虐待、非行等に適切に対応するため、児童相談体制の整備や職員の専門性の向上など、児童相談所の機能強化に努めるとともに、身近な相談窓口としての区市町村の子育て支援機能を高めるため、先駆型子ども家庭支援センターの設置を促進されたい。
 また、次代を担う子どもと家庭を総合的、一体的に支援する子ども家庭総合センター(仮称)の整備を進められたい。
 十一、就学前児童に教育、保育を一体的に提供する認定こども園制度が円滑に実施され、認定こども園がその機能を十分発揮できるよう支援されたい。
 また、大都市の特性に合わせた、都独自の基準による認証保育所の設置を一層促進するなど、総体として必要な保育サービスの確保に一層努められたい。
 十二、障害者地域生活支援・就労促進三か年プランに基づき、すべての障害者の地域での自立生活を支援するため、グループホームや通所施設の整備を引き続き進められたい。
 十三、区市町村障害者就労支援事業において、障害者の福祉的就労から企業等での就労への移行をさらに促進するため、地域開拓促進コーディネーターの配置を進められたい。
 あわせて、企業内における授産事業を拡大するなど、障害者の就労支援策を一層推進されたい。
 十四、障害者自立支援法の円滑な定着を図るために、今般国が実施することとした特別対策に加え、都独自の負担軽減措置を着実に実施されたい。
 十五、重症心身障害児者が地域の中での療育を安心して送ることができるよう、利用者それぞれの状態に応じた支援の充実を図られたい。
 十六、小児初期救急医療体制の都内全域での整備に向けて、引き続き区市町村に対する支援を充実するとともに、小児三次救急医療のネットワーク化の推進により、小児医療水準の一層の向上を図られたい。
 また、小児科医師の確保対策の推進及び小児医療等に関する相談体制の充実を図られたい。
 十七、NBC災害、大規模交通事故等が発生した場合、災害現場に出動し、迅速に救命処置を行えるよう、災害医療派遣チーム・東京DMATの資器材等の充実及び隊員の養成を引き続き図られたい。
 十八、地域における医療提供体制を確保するため、医師、看護師等の医療人材の確保とともに、医療機能に着目した疾病別医療連携システムの構築を図られたい。
 十九、都民の健康な長寿の実現に向け、地域の実情に合わせた区市町村等の健康づくりの自主的な取り組みへの支援を行うとともに、東京都健康推進プラン21の後期戦略として、糖尿病、がん、心の健康づくりに重点的に取り組まれたい。
 二十、ウイルス肝炎の潜在的感染者を肝がん等の脅威から救うため、職域を含めた、検診未受診者に対する検診の受診促進、肝臓専門医とかかりつけ医を中心とした肝炎診療ネットワークの構築、インターフェロン治療促進のための新たな医療費助成制度の実施など、実効性のある施策を短期集中的に展開されたい。
 二十一、深刻な少子社会に対応するため、人間形成の核となる重要な時期に当たる義務教育就学児の医療費に関する助成事業を実施し、子どもを産み育てやすい環境を実施されたい。
 二十二、青少年を薬物乱用や犯罪から守り、都民の健康と安全を確保するため、薬物の濫用防止に関する条例に基づき、立入調査や普及啓発など、総合的な脱法ドラッグ対策を推進されたい。
 二十三、新型インフルエンザの大流行による都民の健康被害を最小限にとどめるため、医療体制の充実など、健康危機管理体制の強化を講じられたい。
 二十四、花粉症の予防、治療対策として、花粉自動測定・予報システムの導入や花粉症根治療法開発、普及の促進などに取り組み、都民の健康被害の軽減を図られたい。
 二十五、多重債務者や児童養護施設退所者など、意欲を持ちながらきっかけをつかめない生活困難者に対し、関係機関と連携したきめ細かな相談支援体制を整備するとともに、必要に応じて資金の貸し付けを行い、自立に向けた幅広い支援を実施されたい。
 二十六、成年後見制度の積極的な活用を図るため、成年後見推進機関の立ち上げなど、区市町村における仕組みづくりを支援するとともに、制度の普及、定着に必要な取り組みを推進されたい。
 二十七、地域における福祉のまちづくりを推進するため、だれにも乗りおりしやすいバス整備事業や鉄道駅エレベーター等整備事業を着実に実施するとともに、オリンピック招致を契機として区市町村の取り組みを支援する、ユニバーサルデザイン整備促進事業を推進されたい。
 二十八、路上生活者の社会復帰を促し、早期に自立した生活を営むことができるよう、緊急一時保護センター事業、自立支援センター事業、自立支援センター退所者等に対する訪問相談や巡回相談を行う巡回相談センター事業、及び低家賃の借り上げ住居を貸し付ける公園生活者地域移行支援事業の、これらの都区共同事業を着実に推進されたい。
 二十九、現行の民生・児童委員のすそ野を広げる新たな仕組みとして、民生・児童委員サポーター制度(仮称)を創設し、地域の福祉機能の向上を図られたい。
 三十、三宅村の現状を踏まえ、生活再建に向けた支援策である東京都三宅島災害被災者帰島生活再建支援条例の有効期限を平成二十年三月末まで延長されたい。
 次に、病院経営本部関係について申し上げます。
 一、都立病院は、今後とも都における医療環境、都民要望等を十分に踏まえ、一般医療機関では対応が難しい精神科医療や小児医療、周産期医療などの行政的医療に引き続き積極的に取り組まれたい。
 二、多摩広域基幹病院(仮称)及び小児総合医療センター(仮称)をPFI事業として整備していくに当たっては、選定した事業者と十分協議を進め、効率的な病院運営はもとより、患者サービスの一層の向上に努力されたい。
 また、地元企業の育成や経済の活性化など、多摩地域の振興につながるよう努められたい。
 三、移転統合が予定されている都立小児病院については、これまで病院が果たしてきた役割を十分踏まえ、小児医療体制の整備について引き続き地元自治体等と協議を進められたい。
 四、がん・感染症医療センター(仮称)をPFI事業として整備していくに当たっては、事業者の能力と提供されるサービスの質を十分見きわめた上で事業者を選定し、着実に事業を進められたい。
 五、精神医療センター(仮称)の整備にPFI手法を導入するに当たっては、入札公告などの手続を着実に進め、最もふさわしい事業者を選定されたい。
 また、医療観察法に基づく病棟整備においては、その整備、運営に当たって、安全管理に万全を期するとともに、地域住民に対して情報提供をきめ細かく行われたい。
 六、都立病院は、新興感染症の流行に対応できるよう、引き続き感染症医療の充実に努めるとともに、災害拠点病院である都立病院は、災害用備蓄資器材の充実を図るなど、災害発生時の医療提供体制に万全を期されたい。
 七、都立病院医師アカデミー(仮称)の創設を図り、将来の都立病院、公社病院の中核を担う優秀な若手医師の確保、育成に努められたい。
 八、財団法人東京都保健医療公社の病院運営に当たっては、既存の医療資源を最大限活用するため、医療機関との連携はもとより、都立病院との連携を強化し、地域医療の充実に努められたい。
 九、豊島病院の財団法人東京都保健医療公社への移管に当たっては、地域のニーズを踏まえた医療機能を確保するとともに、地元自治体を含めた新たな連携方法を検討されたい。
 以上、自由民主党意見開陳を終わります。