議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
厚生委員会
2014年3月18日 平成26年厚生委員会第4号
山加朱美
前半、ともとし委員からもねぎらいのお言葉がございましたが、私からも、平成二十六年度の予算案、一兆円を超える本当に大きな予算案が、どれもこれも大事な分野でございます。
しかし、目先だけではなくしっかりと将来を見据えた、さまざまな分野において知恵を絞って、今日までこの予算の案を組み立てていただいていることと思います。
川澄局長は一回りお痩せになったように、それだけ全力で頑張っていただいているのかなと、まずはねぎらいを申し上げたいと思います。
私たち人間も揺りかごから墓場まででありますが、しかし、私たち人間とともに、命あるものとしての動物も墓場までしっかりと、揺りかごから墓場まで考えてあげなければならないわけであります。
先週の予算特別委員会総括質疑におきまして、我が党から人と動物との共生についての知事のお考え、今後、動物愛護管理施策をどのように進めていくのかを局長にお尋ねをしています。
確認の意味で申し上げれば、知事からは人と動物とが地域の中で共生していくためには、飼い主がルールやマナーを守り、飼い続ける責務を果たすこと、動物を飼っている人もいない人も理解を深めながら生活できる環境づくりに取り組み、人と動物との調和のとれた共生社会を実現していくとの答弁をいただいております。
また、局長からは飼い主への適正な飼養の啓発、事業者による動物の適正な取り扱い、致死処分数のさらなる減少、災害対策を初めとする危機管理への対応を新たな動物愛護管理推進計画の四つの柱に掲げ、都民、事業者、ボランティア、関係団体、区市町村、都が連携をしながら施策展開を図っていくとの答弁をいただいております。
いうまでもなく動物愛護管理施策を効果的に展開していくためには、施策を担う各主体が動物愛護に対する共通の認識を持ちながら、連携、協働しながら取り組んでいくことが重要であります。そのためにもこうした役割を担う人材の育成は欠かすことができません。
中でも都民や飼い主に深くかかわる動物取扱業者、動物愛護推進員、ボランティア等に対する人材育成には、今まで以上に取り組むことが大事と思いますが、都の今後の取り組みを改めてお伺いいたします。
中谷健康安全部長
動物愛護管理施策につきましては今、山加理事の方からもお話がございましたとおり、都民、事業者、ボランティア、関係団体、区市町村、都のそれぞれが各主体の役割を果たしながら、一層連携、協働し施策を推進していくためには、役割を担う人材の資質の向上が極めて重要でございます。
動物取扱業に設置が義務づけられております動物取扱責任者に対しては、法令遵守と事業者責任を徹底させるために、専門家を講師として、動物の適切な取り扱いや管理について、最新の知識を踏まえた情報を提供するなど研修の充実を図ってまいります。
また、動物取扱業の従事者の資質向上を図るために、将来動物取扱業に従事する人材を養成する、専門学校などの学生や教職員を対象といたしまして、動物の保護管理や関係法令に関する研修会を開催してまいります。
さらに動物愛護推進員、ボランティア等が地域住民からの相談に的確に対応できますよう、動物の適正飼養に必要な知識習得やスキルアップのための研修の機会をふやしていくとともに、動物愛護推進員の人材情報を共有するため、区市町村や関係団体に対し、情報提供を行ってまいります。
山加朱美
しっかりと裾野を広げていただいていること、また、都の明確な方針をお聞きし、大変心強く思うところであります。ぜひとも、今後とも力強くこの取り組みを進めていただきたいと思います。
その中でも、とりわけ動物を飼い始めるきっかけとなる、動物取扱業の動物愛護に対する意識向上と実践が重要であります。
このたびの法改正では、動物取扱業者による動物の適正な取り扱いのさらなる推進を目的として、動物取扱業に対する規制が強化されています。犬、猫等販売業の特例が設けられ、動物を販売する際の対面説明の徹底、幼齢、つまり小さな子猫や子犬の犬、猫の販売制限等が義務化されました。
そこで、都は今後、動物取扱業に対する監視指導をどのように行っていくのか伺います。
中谷健康安全部長
動物取扱業者が法令を遵守し、動物の適正飼養、終生飼養を徹底することによりまして、飼い主の範となることを社会に示すことが求められております。
そのために、動物取扱業者において販売時の対面説明、現物確認など法改正に伴い規制が強化された事項が遵守されるよう、都独自の事業者評価制度を活用した効率的かつ効果的な監視指導を行ってまいります。
あわせまして、動物取扱業者が事業運営をより適切に行うために、業種に応じた自主管理の具体例をまとめましたリーフレットなどを新たに作成いたしまして、監視指導の際に配布して活用を促すなど、自主管理の実施を強く指導してまいります。
山加朱美
今後の、都の力強い指導を期待するところであります。
また、このたびの法改正では、飼い主にも、動物をその命を終えるまで適切に飼養するという責務が課せられました。一度家族の一員として迎えた動物を、その動物との生活を将来にわたって考えることは、動物を飼っている人もこれから動物を飼おうと考えている人にとっても重要なことであります。
最後まで適正飼養、終生飼養ができるように飼い主に対する適正飼養、終生飼養の徹底について、都は今後、具体的にどのように取り組んでいくのか伺います。
中谷健康安全部長
このたび改定をいたします推進計画におきましても、飼い主が動物をその終生にわたり、適正に飼養するよう努めなければならないということを明記してございます。安易な飼養の防止や動物の適正飼養、終生飼養についての意識向上を図るため、引き続き適正飼養講習会、ホームページ、パンフレットなどにより普及啓発を強化してまいります。
具体的には、餌代等の飼養にかかる費用や、動物が病気になったときの医療費などの経済的負担、動物が高齢になったときや飼い主自身が高齢になったときの動物の世話など、飼い主としての心構えを周知してまいります。
さらに、区市町村の相談窓口を周知するほか、都民からの相談に対して動物愛護推進員等が適切に対応できるよう研修会を開催するなど、能力向上のための支援を行ってまいります。
山加朱美
ぜひ今、答弁いただいた、さまざまなそういった取り組みを推進してもらいたいと思います。
そして、さらに事業者の監視指導や飼い主への啓発によって適正飼養、終生飼養を徹底したとしても、例えば攻撃的な性格を有する動物や、重度の負傷等により回復がもはや見込めない動物、また、高齢による病気など健康上の問題があり、やむを得ず致死処分となる動物もいると聞いております。
理想的には殺処分ゼロを目指す、いうのは簡単でありますが、数字だけゼロを見て、それは都はやってないじゃないか、それはちょっと現実とはかけ離れていくと思います。今、申し上げたように、さまざまな理由によって致死処分をせざるを得ないという、そういう状況もあることをしっかりと頭に入れておかなければならないと思います。
都には、その理由をしっかりと見きわめた上で、可能な限り譲渡につなげていくためのさまざまな取り組みを、ぜひ積極的に推進をしていただきたいと思います。
動物に優しい町は人にも優しい、動物に優しい国は人にも優しい国である。私は以前もこのように申し上げましたが、これこそがまさに人と命あるものとしての動物との調和のとれた共生社会の実現であると考えます。
今後とも、新たな推進計画に基づき、各施策に着実に取り組んでいただき、都の動物愛護管理行政をさらに発展させていただくことを要望して質問を終わります。
出典:厚生委員会速記録第四号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2014-04.html
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