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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

本会議質疑

山加朱美
私は、以前から児童虐待の問題に強い関心を持ち、前回の本会議でも、近年の児童虐待件数の急激な増加に警鐘を鳴らしましたが、平成十九年度、全国の児童相談所における相談件数は、依然として増加の一途をたどり、四万六百三十九件、この十年間で、実に七倍以上に膨らんでいます。
 都内の状況も、十九年度、第一義的窓口の区市町村で四千九百五十三件に上り、児童虐待の早期発見、早期対応に向け、多くの関係機関が懸命に対応を行っていますが、残念ながら、子どもの幼い命が奪われる事件はいまだ後を絶たず、取り組みの一層の充実が必要であります。
 少子化社会が進行する中、殊さら出生率の上下ばかりが注目されておりますが、私は、私たち一人一人が、社会全体が、この世に授かったかけがえのない命を守り、健やかな成長を支えることこそ少子化対策にほかならないと思います。次代を担う子どもたちにとって、より安全な未来をつくらねばなりません。
 虐待を受けている子どもを早期に発見し、適切な支援を行っていくためには、児童相談所のほか、保健センターや保育所、幼稚園、学校、民生児童委員など地域の関係機関が密に連携し、ネットワークを築いて対応していくことが重要です。
 平成十六年の児童福祉法改正により、子どもを地域で支援するためのネットワーク、要保護児童対策地域協議会が明記され、各区市町村で設置が進んでいます。この協議会は、メンバーに守秘義務が課されるなど、強い連携機能が発揮できる制度となっていますが、その運営の中心を担っているのが、地域の子ども家庭相談の拠点である子ども家庭支援センターであります。支援センターが調整機能を発揮しなければ、各関係機関が役割分担のもと、その機能を十分に発揮することはできません。
 児童相談所とともに地域の虐待対応のかなめである子ども家庭支援センターへの支援を今後一層充実すべきと考えますが、所見を伺います。
 虐待を受けた子どもたちの中には、親元から離れ、児童養護施設など、いわゆる社会的養護のもとで暮らす子どもたちもいます。
 ことし八月、東京都児童福祉審議会からは、社会的養護のもとに育つ子どもたちへの専門的ケアのあり方について提言が出されました。近年の児童虐待対応件数の増加に伴い、社会的養護のもとで暮らさざるを得ない子どもは都内で約四千人に達しており、このうち五割以上が虐待を受けた子どもであることが指摘されています。こうした子どもの多くは、虐待を受けたトラウマなどにより、施設に入所しても、対人関係に不安を覚えるなど、集団生活の中で著しい不適応を起こし、児童養護施設での対応が困難になっていることが指摘されています。
 審議会では、虐待により重いケアニーズを抱える子どもに対し適切な治療的ケアを提供できる、新たな施設の整備を検討することが提言されています。都としての取り組みを伺います。
 また、児童養護施設などでは、今後、こうした虐待を受けた子どもたちの抱える多様で複雑なケアニーズに対応できる人材の育成が不可欠であります。
 施設では、関係機関と連携しながら、ソーシャルワーク的支援を行える人材の育成が求められていますが、今日の現場では、人材不足から、新人職員であっても即戦力としての働きが求められ、その結果、バーンアウトによる早期退職など悪循環が生じているようです。  提言では、都に対し、児童養護施設の実態にかなう実践力を身につけるための研修カリキュラムの研究開発を求めています。この点について所見を伺います。
 次に、都が平成十八年度から実施してきた障害者地域生活支援・就労促進三か年プランが、今年度、その最終年度となるため、昨日、我が党代表質問で三宅政調会長が特別助成の継続を求めたことに対し、福祉保健局長から、検討すると答弁がありました。
 都は、障害者自立支援法による新たな事業体系への移行期限、平成二十三年度末までに、さらにグループホームや就労継続支援などを行う事業所の増加を図ることとしています。今、整備を減速させることはできないと考えますが、都の基本的考えを伺います。
 また、整備を進めるためには、どのような施設がいつまでにどれだけ必要なのか、はっきりとした目標をわかりやすく示し、事業者に働きかけていくことが必要であります。現在、二十一年度からの第二期東京都障害福祉計画の策定を進めているようですが、平成二十年度までの三カ年プランに引き続く新たな三カ年プランとして、例えば仮称ですが、障害者の安心生活基盤の整備三カ年プランを策定し、第二期福祉計画にもはっきりと位置づけていくべきと考えます。所見を伺います。
 次に、東京都の保健医療計画において五年ごとに各二次保健医療圏の基準病床数を定めていますが、私の地元練馬区は、現在、区市町村の人口十万人当たりの一般療養病床数が約三百床と、二十三区平均八百五十六床の約三分の一、二十三区内で最低の水準であります。区民七十一万人という人口規模だけを見れば、二次保健医療圏に匹敵する規模の自治体の切実な状況であります。
 今まで練馬区は、二次保健医療圏で、既存病床の過剰地域だったため、区内の病床をふやすことが困難でした。しかし、本年三月の第四次改定により、区西北部全体としても病床数の不足地域となったため、悲願の増床を図る道がやっと開けたわけであります。
 そこで、練馬区は、五百床の増床を目標に掲げ、本年四月に病床確保対策庁内検討委員会を設置し、既存病院の増床や新たな病院誘致による病床確保などを視野に置き、この秋には区民アンケートを行い、精力的に検討を進めています。今般の医師不足から、区内では地域医療を支える中小病院の閉鎖や休止の動きも見られ、区民の不安は募っております。このたびの練馬区による病床確保の取り組みは、区民のみならず全都の医療体制の充実に資するものです。
 既に都も、救急医療体制の整備や医師確保など、喫緊の医療対策に全力で取り組んでいることは承知していますが、さらに練馬区の医療確保の取り組みに対し、しっかりと連携を図りながら、必要な協力や支援を行っていただくことを強く要望します。
 次に、現在、医師不足とともに、看護師不足も深刻な社会問題ですが、平成十八年度診療報酬改正で七対一看護基準が導入されたことで、看護師獲得競争が激化し、その不足に拍車をかけたといわれます。その一方で、七対一を取得した病院に看護師が集まることも事実であります。さらに、勤務にめり張りがつく二交代制勤務を希望する方がふえているともいわれています。
 都立病院でも、看護師の採用に当たっては相当苦労されているようですが、こうした現在の看護師を取り巻く状況を踏まえた確保対策を展開する必要があると考えます。所見を伺います。
 次に、食の安全・安心の確保について伺います。
 ことしは、中国産の冷凍ギョーザ問題に始まり、事故米問題、冷凍インゲンの毒物混入、食品へのメラミン混入など、輸入食品にまつわる事件が続けざまに発生し、食に対する信頼が大きく揺らいだ一年となりました。これらの事件は、毒物が故意に混入された疑いの強いもの、企業が営利を追求する余り消費者を欺いたものなど、これまでの食中毒事件などとは異なる背景から生じており、社会的な不安をも招いております。
 衣食住の中でも、食は私たちの日常生活の中で最も基本的なものです。特に次代を担う子どもたちを健全にはぐくむ上で、食事は何よりも重要な要素です。グルメブームがもてはやされる一方で、日常の普通の食事の安全・安心が確保されないのは何とも皮肉なものです。
 東京には国内外から多くの食材が集まり、食品関係の事業者は五十万を超え、食品大手企業の本社の四割が都内に集中するなど、食の問題が最も先鋭的にあらわれる都市であります。
 都は、全国に先駆け食品安全条例を制定し、また、食品の原料原産地表示の義務づけなど積極的に取り組んでいますが、改めて約一千三百万都民の食の安全・安心の確保に向けての知事の強い決意を伺います。
 また、食品については複数の法律の網がかかっていますが、産地偽装、賞味期限の偽装などが組織ぐるみで行われる事件に対しては、内部告発があるまで不正が発覚せず、また、広域に流通する食品の違反については迅速な対応ができないなど、現行の法制度での不備が指摘されております。
 食品の安全を脅かすさまざまな事態に的確に対応するため、法改正を国に強く求めていくべきと考えますが、所見を伺います。
 最後に、ユニバーサルデザインに基づくバリアフリーの推進も、さまざまな関係機関の尽力と理解により進められております。しかし、昨年八月、警察庁からバリアフリーに逆行するような法の一部改正があったことは理解に苦しんでおります。障害者の駐禁規制除外措置の対象範囲が改正され、該当する多くの障害者から悲鳴の声が上がっております。
 除外措置から外されたのは、日常生活を送る上で自動車を足がわりとして絶対に必要不可欠としている下肢機能障害三級の二と三及び四級の障害者であります。該当する障害者の大半は、自動車を使用することにより、他人の手をかりずとも自身の自助努力で日常生活の不自由さを補うことの可能な障害者、例えば義足をつけ、一下肢一機能の全廃をもっても、自動車を足がわりとすれば、ひとりで行きたいときに行きたいところへ不安なく出かけることができる、仕事を続けることもできる。そのような障害者が今回の対象から外されてしまったわけであります。
 短い距離は歩けても長い距離は歩行の困難を伴う者、荷物を抱えて長い距離は動けない者、社会参加をする上で駐禁規制除外措置を最も必要としている障害者が今回の改正で外されたことは、余りにも不条理、障害者の現状を余りにも認識、理解をしていないとしかいいようがありません。他の自治体との調整を図りながら、対象範囲を早急に復活すべきであります。
 ただいうだけならだれでもいえますが、この問題を、私は責任与党、責任政党の一員として、いいっ放しにするわけにはいきません。該当する全都の障害者の総意として、機能欠損を抱えても必死で社会参加をしている障害者に対する警視総監の、机上の論ではなく、温情あふれる、血の通った答弁を求めます。
 以上で私の質問を終わります。ありがとうございました。(拍手)
   〔知事石原慎太郎君登壇〕
知事(石原慎太郎)
 山加朱美議員の一般質問にお答えいたします。
 食の安全・安心の確保についてでありますが、ことしは、冷凍ギョーザによる健康被害を初め、食の安全を根本から揺るがす、輸入食品に関連した多くの事件が発生いたしました。
 なかんずく私が一番ショックを受けましたのは、死者には至りませんでしたけども、千葉で問題になった冷凍ギョーザの中に――新聞に出ておりました、パラチオンという、現在で世界最強の毒が検出されたんですね。これは、ドイツが開発した、戦争中、毒ガスから開発された世界最強の毒でありますが、これは案外問題にならずに、私は友人の外人記者から、この問題について、とにかくオリンピックの前ですし、日本の政府はもうちょっと責任のある追及をしてくれということをいわれたんですが、それきりになりました。幸い、輸入の食品による死者という被害は出ませんでしたけども、これは非常に大事な問題だったと思います。
 本来、輸入食品の安全確保は、国における水際での検疫が基本であります。そのために、都はこれまでも、国に対して輸入食品の監視体制の充実強化を強く求めてまいりました。また、国に先駆けて、都独自に調理冷凍食品の原料原産地表示を義務づけました。
 今後とも、あらゆる機会を通じて、国の責任を果たすよう強く求めるとともに、都の監視指導や検査体制を強化しまして、我が国最大の消費地として、食品の安全・安心の確保に全力を尽くしていくつもりでございます。
 他の質問については、警視総監及び関係局長から答弁いたします。
   〔警視総監米村敏朗君登壇〕
警視総監(米村敏朗)
  下肢に障害をお持ちの方に対する駐車禁止等除外標章の交付基準に関するご質問にお答えいたします。
 この問題につきましては、この問題といいますか、この見直しにつきましては、私自身も、かねてから各方面の方々から、ただいま議員がご指摘されたようなご意見、ご要望については多々承っているところであります。
 その上で、警視庁としては、現状はどうかと申しますと、まず見直しによって影響を受ける方々あるいは関係団体の方々とお会いしまして率直にご意見をちょうだいし、実際上、障害をお持ちの方にとって、社会生活を営む上で、あるいは社会参加する上で車の利用がいかに不可欠なものであるか、あるいは今回の見直しの影響等、その実情、現状について、るる承っているところであります。
 その結果といいますか、警視庁といたしましては、駐車秩序の整序化は考慮しつつも、下肢に障害をお持ちの方が移動される場合の支障について、その実情、現状について、これを十分配慮する必要があるというふうに考えております。
 したがいまして、結論から申し上げますと、できるだけ早い時期に、基本的に、ただいま議員が示されましたご要望に添える形で方針を示したいというふうに考えております。
   〔福祉保健局長安藤立美君登壇〕
福祉保健局長(安藤立美)  六点についてお答えいたします。
 まず、子ども家庭支援センターへの支援についてでありますが、虐待を早期に発見し、適切な対応を図るためには、要保護児童対策地域協議会の役割が重要であり、その運営の中核を担う区市町村の子ども家庭支援センターの機能の充実が必要でございます。
 このため、都は、区市町村が精神科医や学識経験者など外部の有識者をスーパーバイザーとして活用し、相談対応力の向上が図れるよう支援しております。また、子ども家庭支援センターが、虐待対応等の専門性を一層強化するため、ケースワークの専門家である児童福祉司任用資格者等を増配置する場合の支援を検討してまいります。
 次に、虐待を受けた子どものための新たな施設についてでありますが、虐待を受け、情緒的な問題を抱えている子どもには、それぞれの状態に応じた専門的、治療的なケアが必要であります。都はこれまでも、精神科医や心理治療担当職員を配置した専門機能強化型児童養護施設を設置し、子どもの専門的ケアの強化を図ってまいりました。
 今後、この専門機能強化型施設の充実を図るとともに、特に状態が重篤化した子どもに対しましては、生活支援部門、心理治療部門、教育部門が一体となって治療的ケアの提供を行います新たな施設の設置について検討してまいります。
 次に、児童養護施設における研修カリキュラムについてでありますが、児童虐待の増加に伴い、子どもたちの抱えるケアニーズは多様化、複雑化しており、支援を行います施設職員の対応力強化と専門性の向上は重要な課題となっております。
 このため、都は今後、職種や職層、経験年数等に応じた実践的な研修カリキュラムや効果的な人材育成モデルの研究開発を行うなど、多様なケアニーズに対応できる人材の確保、育成に努めてまいります。
 次に、障害者のグループホーム等の整備促進についてでありますが、障害者が地域で自立した生活を送るためには、グループホームなど居住の場と、経済的自立に向けた就労のための訓練等の場の整備が重要であります。
 このため、都はこれまで、三カ年プランで、整備費の事業者負担を半分に軽減する特別助成を実施し、整備を促進してまいりました。現在、三カ年の整備目標の達成に向け、事業者への働きかけを行っているところであります。
 今後も、地域生活移行や就労促進を図るため、平成二十三年度末までに、さらに居住の場や訓練等の場の整備を進めていく必要があると考えております。
 次に、新たな三カ年プランについてでありますが、現在、平成二十一年度から二十三年度までを計画期間とする第二期東京都障害福祉計画の策定作業を進めているところであります。この計画におきましても、グループホーム等の整備は引き続き重点的に取り組むべき課題と位置づける予定であり、その整備を促進するために新たな三カ年プランを策定することを鋭意検討してまいります。
 なお、その名称につきましては、先ほど障害者の安心生活基盤の整備三カ年プランというお話がございましたけれども、都民や事業者にわかりやすい名称となるように考えてまいりたいと思います。
 最後に、食の安全確保に向けた国への提案についてでありますが、実際に現場で食品監視を行っている立場から見ますと、現在の食品に関する法律には幾つかの課題がございます。
 例えば、品質表示を規定するJAS法は行政指導を前提としており、直罰規定がないため、悪質な違反事例であっても、罰則の適用にまで至った実績がございません。また、食品衛生法では、工場や販売店舗などの施設ごとに自治体が営業許可をしているために、企業の本社を通じて販売停止等の処分を行うことができません。
 こうした実態を踏まえまして、今般、都は国に対し、関係法令を抜本的に見直すよう提案をいたしました。
 今後とも、あらゆる機会を通じて法制度の改正を国に強く求めていくとともに、都としても監視指導体制を強化し、食の安全確保に努めてまいります。
   〔病院経営本部長中井敬三君登壇〕
病院経営本部長(中井敬三)
 都立病院の看護師確保対策についてお答えいたします。
 近年、年度後半には看護師の欠員が生ずる都立病院の厳しい状況にあって、小児総合医療センターなどの再編整備を着実に推進していくためには、看護師確保は極めて重要な課題と認識しております。
 このため、今年度からは、新たに地方で採用選考を実施するなど、採用活動を一段と強化するとともに、院内保育室の二十四時間化や育児短時間勤務制度の導入等、勤務環境の改善を図り、看護師の確保に努めております。
 今後は、ご指摘のように、現在一部の都立病院で実施している七対一看護基準での人員配置や二交代制勤務についても、病院の特性を踏まえつつ、導入の拡大を検討してまいります。さらに、業務分担の見直しや認定看護師等の資格取得支援などを行い、看護師がより専門性を発揮できる勤務環境の整備にも力を入れてまいります。
 こうした対策を講ずることにより、引き続き看護師の確保に全力を挙げて取り組んでまいります。