議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
本会議質疑
平成二十二年東京都議会会議録第六号
山加朱美
私は、東京都議会自由民主党を代表し、今定例会に付託された議案中、知事提出第二十号議案、平成二十二年度東京都中央卸売市場会計予算に付帯決議を付して賛成し、その他の知事提出議案については全議案に賛成する立場から討論を行います。
まず、二十二年度一般会計予算について申し上げます。
今回の予算案は、厳しい環境の中にあって、我が党が知事とともに築き上げてきた都財政の底力が余すところなく発揮されたものとなっております。
第一に、大幅な税収減の中、都民の現在と将来にしっかりと対応していることです。歳出総額が減少する中においても一般歳出は増を確保し、都がなすべき課題に対し積極的な予算措置を講じています。
第二に、将来を見据え、財政の健全性を堅持していることです。徹底してむだを排した上で、これまでの堅実な財政運営で培ってきた財政の対応力を適切に活用することで都がなすべき役割を積極的に推進しながら、財源として活用可能な基金残高は一兆円を確保しています。
厳しい環境が当面続くことが想定される中にあっても、将来にわたり都がなすべき役割を果たしていくためには、これまでの堅実な財政運営を維持するとともに、都財政の置かれた状況などを都民に深く理解していただくことが重要です。今後とも努力を重ねていただきたいと思います。
また、都税収入が大幅に減少する中にあっても、東京が我が国を牽引し続けるためには、法人事業税の暫定措置の即時撤廃が不可欠であり、引き続き知事と議会が一致団結し、都民と一体となって強く訴えていく決意であることを再度申し上げます。
次に、歳出について申し上げます。
まず、都民生活の安心確保への取り組みについて申し上げます。
この点、今回の予算案は、都民の切実な願いに十分にこたえるものとなっています。都民が抱える不安を打破すべく全力を尽くすことが今日の都政がなすべき重要な役割の一つであり、我が党はこれまで、都に対して積極的な対応を強く要望してきました。本予算案では、雇用を創出し、求職者の就業や生活を支援する取り組みを積極的に推進しています。
また、かねてより我が党が会派を挙げ積極的に政策提言を行ってきた少子高齢化対策についても、あらゆる分野において国を先導する取り組みを総合的に展開しています。
さらに、小児、周産期医療や救急医療体制の充実など直面する医療課題にも適切に対応しています。高い事業効果を都民があまねく享受できるよう着実な実施を望みます。
次に、中小企業等への支援について申し上げます。
この点、本予算案に盛り込まれた事業は、いずれも不況に苦しむ中小企業や地域商業の前途に光をともすものとなっています。東京の活力の源である中小企業の体力回復に向け、制度融資を初めとした資金繰りへの支援や経営力強化に向けた事業、さらには切れ目ない受注機会の確保にも取り組んでいます。
また、新・元気を出せ商店街事業などにより、商店街の意欲ある取り組みを引き続き支援しているほか、都内産品の販売に取り組む中小企業等への支援なども新たに盛り込んでいます。
我が党が実現に向け大いに汗をかいてきたこれらの施策は、多くの中小企業も待ち望んでおり、一刻も早く実施することを望みます。
次に、まちづくりについて申し上げます。
公共事業は、雇用創出や経済成長の促進効果をもあわせ持つことから、厳しいときこそ真に必要な事業は積極的に推進していくべきであり、投資的経費を六年連続増加させ、石原都政において初の八千億円台としたことは、高く評価できるものであります。内容も時宜にかなったものであり、外かく環状道路や首都高速道路などの道路整備、東京湾の国際競争力の強化、鉄道連続立体交差化など、東京の将来をつくっていく事業や中小企業の受注機会や雇用の創出につながる都有施設の改築、改修や耐震化、道路、河川の補修など幅広く盛り込まれています。
東京の現在と将来にしっかりと対応したこれらの事業を、一日も早く、かつ力強く進めていくことを望みます。
なお、去る二十六日に公表された国の二十二年度予算配分では、年度当初では外環道に配分がなされませんでした。外環道の必要はいうまでもありません。多くの地権者からは早期の用地買い取り要望が上がっています。今回の国の対応に対し、都として強く申し入れをすべきであります。都議会としても引き続き早期の予算配分がなされるよう要請していくことが必要と考えます。
次に、環境対策について申し上げます。
快適な都市環境を将来の世代まで着実に受け継ぐことが我々に課せられた使命であります。本予算案では、世界初の都市型キャップ・アンド・トレードの推進を初め中小規模事業所に対する省エネ促進、クレジット創出に向けた取り組みを新たに実施するなど、カーボンマイナス東京十年プロジェクトの取り組みを加速しています。
緑の東京十年プロジェクトでの新たな取り組みである緑の保全などの取り組みとあわせ、経済の活性化にも配慮し、都民や事業者の協力を得ながら適切に取り組んでいくことを望みます。
次に、学校教育について申し上げます。
学校教育を取り巻く環境が激しく変化していく中、都民の期待にこたえ続けていくには、学力、体力の向上や教育環境の整備のための取り組みを一層充実させていかなければなりません。
本予算案には、いわゆる小一問題、中一ギャップの予防、解決に向けた教員加配や、子どもの基礎体力を向上させる取り組み、外部人材の活用を促進するための支援策など、教育現場のニーズにきめ細かくこたえるものが多数盛り込まれています。こうした施策を通じ、次世代を担う子どもの力を引き続きしっかりと養っていくことを望みます。
以上、平成二十二年度予算案に関連して申し上げましたが、豊洲新市場整備について意見を述べさせていただきます。
築地市場の再整備は、わずかな地震で崩落事故が起きたように、一刻の猶予もない状況であり、豊洲への移転は最善の選択であることは明らかです。現実を踏まえ、都民の真の利益を考え、責任のある判断が求められています。
我が党としては、将来にわたり都民の食生活を支えていくため、土壌汚染対策を確実に実施した上で、できる限り速やかに豊洲新市場を開場できるよう全力で整備に取り組むことを強く要望しているところです。
さきの予算特別委員会において、中央卸売市場会計予算が付帯決議を付して採択されました。
都議会自民党は、この決議を真摯に受けとめ、都政の将来に責任を持つ立場から、スピード感を持って議論を重ねてまいります。各党会派、執行機関側のご協力を切に望むものであります。
最後に、東京都青少年の健全な育成に関する条例の一部を改正する条例について申し上げます。
この条例は、青少年の環境の整備を助長し、青少年の福祉を阻害するおそれのある行為を防止し、青少年の健全な育成を図ることを目的として昭和三十九年に制定され、青少年の健全育成に大きな役割を果たしてまいりました。
今般の改正も、青少年を性の対象として取り扱う図書類の蔓延や、インターネット上の有害情報から青少年を守るために提案されたものであり、昨今の社会状況の変化を踏まえた適切な改正であると評価しているところであります。
さまざまな誤解、曲解もあり、継続審議という異例の対応となったことはまことに遺憾ではありますが、私ども都議会自民党は、執行機関側と協力し、青少年の健全育成に責任を持つ立場から、条例改正案の早期成立に向けて引き続き努力してまいります。
東京都議会自由民主党は、責任政党として、都民が安心と希望、そして豊かさを実感できる暮らしを実現するため、今後とも知事と手を携え、都政運営に邁進することをお誓い申し上げ、討論を終わります。(拍手)
出典:平成二十二年東京都議会会議録第六号 https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/proceedings/2010-1/06.html
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