議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
厚生委員会
2023年11月7日 令和5年厚生委員会
山加朱美
ご苦労さまでございます。ちょうど私が折り返しの時間になるかと思います。
去年の事務事業を考えますと、午前零時をはるかに回っておりましたので、局が二つに分かれたといっても、体力的には少しは楽かなと思います。一年に一度の事務事業でございますので、多岐にわたっておりますけれども、私は、委員会の中では時間が限られておりますので、委員会以外でもお呼び立てをするかもしれませんが、そのときは快く、力強くお答えをいただきたいと思います。
後輩の早坂都議が、以前、大塚病院の大規模改修工事についてお伺いをしたことがございます。八年前、平成二十七年度、基本計画を策定しました。早坂都議は、大塚病院の強みを生かして、さらなる充実を図ることを当時求めておりますが、その後八年間、整備に向けて着実に取組が進められていると思います。長い工事も、令和六年、間もなく工事の完了と伺っておりますので、本日は、工事の進捗状況などについて、四点ほどお伺いさせていただきたいと思います。
まずは、確認の意味で、大塚病院の大規模改修工事の目的、医療の充実についてお伺いいたします。
齋藤都立病院支援部長
大塚病院での工事は、老朽化した施設や設備を改修することで、より安心かつ快適に医療が受けられる環境を整備することを目的としてございます。
また、行政的医療である周産期医療につきまして、分娩室を二室から四室へ増やすほか、ハイリスク妊娠対応を強化するため、母体胎児集中治療室、いわゆるM-FICUを六床から九床に増床することとしております。
あわせて、狭隘化していたNICUのスペースを拡張するなど、医療機能の充実に向けて整備を進めているところでございます。
工事は、診療制限を最小限に抑えるべく、病棟全体を大きく四つのブロックに分けまして順番に進めており、令和六年度には完了する予定となっております。
山加朱美
いうまでもなく、都立病院の施設設備は都民の重要な財産であります。行政的医療を将来にわたって提供していくためには、時期を逸することなく、今後も更新していくことが大切であります。今回の工事、老朽化対策が中心とのことでございましたが、周産期医療を充実させるための強化を図るということも、ただいまの答弁で確認をいたしました。
また、今回、工事途中で新型コロナ対応が発生しました。私はSARS、MERS、そのときから人獣共通感染症、これの対策が大変重要であること、お亡くなりになりましたが、当時、石原都知事にも度々質疑をさせていただきました。
その後、陰圧病床の都立病院が増えたりいたしましたが、もともと大塚病院は感染症指定医療機関ではありませんでしたので、そのような中、多くの医療機関と共にコロナの対応に当たっていただきましたことに、まずは大きな感謝とねぎらいを申し上げたいと思います。
令和元年十二月、中国で最初の新型コロナウイルス感染症が確認をされ、瞬く間に数か月で全世界がパンデミックになったわけでありますが、感染症医療が行政的医療の最たるものであること、行政的医療が本当に大切だということを多くの人々が実感することになったと思います。今後、また新たな感染症、蔓延してほしくはないですが、でも、これは環境の問題の中で、いつどうなるか、いつまたパンデミックが起こるか分からないことであります。
今回のコロナ対応と同様に、感染症への迅速な対応が求められますが、こうしたことから、新型コロナ対応を踏まえ、感染症対策の強化にどのように今回取り組んだのか、検証の意味でお伺いいたします。
齋藤都立病院支援部長
大塚病院では、各病棟に一か所の共用トイレを設置してございますが、新型コロナ患者は感染対策上、移動が困難でございまして、ベッドサイドのポータブルトイレを使用せざるを得ない状況でございました。患者、医療従事者双方からの強い要望もございまして、感染対策や療養環境向上の観点から、病室内に個室トイレと洗面台を設置することといたしました。
また、感染拡大時に陰圧室として対応可能な病室を十五室新設するなど、新型コロナへの対応を踏まえた感染症対策の強化を図っているところでございます。
山加朱美
ありがとうございます。患者さんの療養環境向上につながり、大変いい取組だと思います。
私も人生で六回ほど大変大きな病気やけがで入院をいたしておりまして、このトイレ、大変大切であります。入院いたしますと、ベッドとトイレと食事しかありませんので。真の共生社会の実現という言葉が、私も度々、皆様方にお願いをいたしておりますけれども、あらゆる場面でのバリアフリーが不可欠でありますが、特に病院においては、障害をお持ちの方、また、それ以外の配慮が必要な方、そんな方たちが、さらに手術をして配慮がもっともっと必要になる。つまり、ダブル、トリプルで本当の意味で病院内のバリアフリー、今後もますます求められると思います。
そういう意味においては、今までバリアフリー、少しユニバーサルデザインに基づくバリアフリーという意味では、私が入院したときも、都立病院ではありませんでしたが、トイレが和室であったり、また、手術後、歩行器を使って、そしてまた、車椅子で動いたりいたしますと、引き戸でないとトイレは大変入りにくいんですが、大変苦労したことを思い出します。
病院には、障害を有する患者など、様々な方が入院されていることから、こうした障害を有する方々にも配慮したトイレの設置となっているのか、確認したいと思います。
齋藤都立病院支援部長
今回設置を進めております個室トイレでは、開閉が容易な引き戸を採用するとともに、便座から立ち上がる際などに力を入れやすいようL字型の手すりを設置するなど、障害を有する方を含めて安心してご利用いただけるよう配慮しております。
また、車椅子をご利用の場合には、一定の広さが必要であるため、各病棟の中央部分にある車椅子使用者が利用可能なトイレをご案内するほか、感染症などで病室から出られない患者は、看護師の介助の下で病室内のトイレを利用していただくこととしております。
山加朱美
今後、ほかの都立病院でも建て替え、大規模改修が進められることと思います。その際には、今回のコロナ対応もしっかりと踏まえながら、感染対策など不測の事態への備えも十分に検討していただきたいと思います。
また、施設整備の影響を受けやすい障害を有する方にも十分に配慮をしていただきたい、このことを重ねてお願いを申し上げたいと思います。
さて、今の答弁で、病室にトイレが設置されますと、その分だけベッドが置けなくなる、もしくは少なくなるわけですから、病床数への影響もあろうかと思うんですが、工事後の病床数を伺い、そしてまた、心配なのは今後病床数が減った場合、患者受入れに影響がないのかどうかお伺いいたします。
齋藤都立病院支援部長
個室トイレ及び洗面台の設置に伴いまして、工事後の医療法許可病床数は、改修前の五百八床から四百十三床へと変更を予定してございます。
内訳といたしまして、一般病床は減少となるものの、医療機関では手術前検査の外来移行が進むなど、平均在院日数の短縮が進んでおりまして、大塚病院でも、令和四年度の平均在院日数は十・七日となっておりまして、平成二十五年の四分の三程度になっております。
病床数は五分の四程度となる予定でございますが、それを上回る平均在院日数の短縮で、より多くの患者を受け入れられることから、改修前と比べても、十分な新入院患者の受入れが可能でございます。
一方で、特別な施設基準が設けられているICUやNICUといった集中治療室や、GCUと呼ばれる新生児回復期治療室は、改修前と同数を確保するとともに、M-FICUを六床から九床へ増床して機能強化を図るほか、各病棟にございました二床室を一床室に改修いたしまして、プライバシーの確保など、療養環境の向上に向けて取り組んでいるところでございます。
山加朱美
ありがとうございます。
東京都地域医療構想等では、地域の医療機関、医療関係団体、行政などが役割分担や連携を図りながら、地域に不足する医療機能を確保することとしています。
答弁を伺い、改めて思います。各病院で病床数を確保し続けること、これ自体が重要なのではなく、現在の医療水準における適切な入院期間の下で、患者一人一人のクオリティー・オブ・ライフ、QOL、生活の質の向上を図りながら、各病院がその専門性を発揮して、東京全体でよりよい医療を提供していくということが求められているのだと思います。
先ほどの答弁、病床数五百八から四百十三という数字だけを取り上げますとマイナス九十五床ですから、大変不安を感じる方もいらっしゃると思いますので、どうかしっかりと中身の説明をして、部分的な、この数字の部分だけで減ったという、そこだけを取り上げて不安を感じることがないよう、安心を提供していただきたい、このことを強くお願いしたいと思います。
大塚病院が患者の療養環境向上を図りながら、周産期医療などを中心にその求められる医療を果たそうとしていることは高く評価ができることと思います。今後とも、地域の医療機関などとも十分に連携を取りながら、そして連携を図り、都民のための医療を提供していっていただきたいと思います。お願いを申し上げ、質問を終わります。よろしくお願いします。
出典:令和5年厚生委員会 本文 2023-11-07
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2003-14.html
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