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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2017年3月23日 平成29年厚生委員会第5号

山加朱美
都議会自民党を代表して意見開陳をいたします。
 初めに、各局共通事項について申し上げます。
 平成二十九年度予算案作成に当たり、我が党は、二〇二〇年とその先を見据え、必要な施策は充実し、強固な財政基盤を堅持していくべきであると知事に要望いたしました。
 都は、今後も、施策の実効性、効率性を高める取り組みを進めるとともに、財源として活用可能な基金残高を確保し、都債発行額は抑制するなど、強固で弾力的な財政基盤を構築していくことを要望いたします。
 さて、平成二十九年度予算では、築地市場が豊洲に移転するのか、現在地に残るのか、大きな課題となっています。都議会自民党は、判断の公正を期すため、予算特別委員会において、豊洲と築地それぞれの適正性について知事に質してまいりましたが、納得のいく答弁をいただけませんでした。
 このため、この件に関して、本委員会において議論を重ねてまいりましたが、これまでの委員会質疑においてもいまだ議論は尽くされておらず、豊洲への移転、築地での継続、それぞれに関する理事者の説明は、都民の皆様に十分に納得いただける状況にないといわざるを得ません。
 こうした状況を踏まえ、我が党は、三月二十七日に予定されている予算特別委員会の締めくくり質疑で、市場に関係する全ての政策と予算に対して、詳細かつ重点的な質疑をさらに重ねていく必要があると考えております。
 意見開陳の冒頭にまずそのことを申し上げ、各局事業について述べさせていただきます。
 最初に、福祉保健局関係について申し上げます。
 一、福祉先進都市実現基金を活用し、二〇二〇年に向けた実行プランに基づく施策を着実に進められたい。
 一、東京都地域防災計画に基づき、災害医療コーディネーターを核とした災害医療体制を構築するとともに、都内全ての病院の耐震化の促進や災害拠点病院の整備など、災害医療体制の充実に努められたい。
 一、引き続き、NICUを三百二十床確保するとともに、ハイリスクの妊産婦や新生児、重篤な小児救急患者に係る高度な医療を提供する医療機関に対し、施設、設備整備や医師の確保などの総合的な支援に努められたい。
 一、今後の高齢化の進展を見据えて区市町村の在宅医療推進の取り組みを支援するとともに、医療関係から在宅への円滑な移行を担う人材の育成、確保を支援するなど、在宅療養環境のさらなる充実に努められたい。
 一、がん診療連携拠点病院の拡充、機能強化を図りつつ、地域の病院、診療所との効果的な連携や、各医療機関の機能、専門性を生かした役割分担の実現など、都全体のがん医療提供体制の充実に努められたい。
 一、特別養護老人ホームの計画的な整備を進めるとともに、身近な地域での在宅サービスの基盤整備を図るため、ショートステイや区市町村が行う地域密着型サービス拠点の整備促進を図られたい。
 一、今後の急速な高齢化と生産年齢人口の減少に対応するため、将来に向けた介護人材の安定的確保を図られたい。
 一、特養経営支援事業などにより、特別養護老人ホームに入所する医療的ケアが必要な方々への支援を充実されたい。
 一、急増する認知症の人とその家族を地域で支え、安心できる暮らしを確保していくため、認知症施策の一層の充実を図られたい。
 一、待機児童の解消に当たっては、保育の実施主体である区市町村が行う取り組みを広く柔軟に支援するとともに、保育人材の確保、育成を推進されたい。また、多様な主体による認可保育所の整備、認証保育所の設置促進のほか、認定こども園、家庭的保育、小規模保育の充実などにも取り組み、保育サービスの拡充を図られたい。
 一、全ての人が安心して子供を産み育てられるよう、不妊検査及び不妊治療に要する費用の助成や妊娠期から子育て期への切れ目のない支援体制の充実を図られたい。
 一、児童虐待を早期に発見し、より適切に対応していくため、児童相談所や子供家庭支援センターの組織体制などの機能を一層強化するとともに、虐待の未然防止に関する区市町村の取り組みについて支援を充実されたい。
 一、子育て支援の一層の充実を図るため、企業やNPO法人などが地域で行うさまざまな取り組みを支援するとともに、地域子育て支援拠点の整備を促進し、利用者支援や地域支援の実施など機能強化を図る区市町村を支援されたい。
 一、入所施設から地域生活に安心して移行できるよう支援するとともに、障害者が地域で安心して生活するためのグループホーム等のサービス基盤や障害児支援のための児童発達支援センターの整備促進を図られたい。また、改正児童福祉法の趣旨を踏まえ、医療的ケアが必要な障害児が地域で適切な支援を受けられるよう、環境の整備を図られたい。
 一、身近な地域において、精神障害者が治療を継続し、安心して自立した生活ができるよう、地域精神科医療の仕組みづくりや就労支援に引き続き取り組まれたい。
 一、福祉サービス基盤整備を促進するため、区市町村への情報提供の充実など、公有地の活用を推進するとともに、待機児童の解消に向けた民有地の活用策についても検討されたい。
 一、エボラ出血熱などの新興、再興感染症の流行等に備え、感染症対策を充実強化されたい。また、新型インフルエンザの発生に備え、医療資器材の備蓄や医療体制の確保に努めるなど、対策に万全を期されたい。
 一、危険ドラッグの撲滅に向け、海外流行製品やインターネット販売等への規制の強化、監視の強化や、乱用防止に向けた普及啓発を広く展開するなど、都民の健康と安全の確保を図られたい。
 一、動物愛護精神の涵養や飼い主のいない猫対策の推進を図るとともに、保護した動物の譲渡を拡大し、動物の殺処分ゼロを実現するための施策の充実を図られたい。また、施策の中核を担う動物愛護相談センターの機能強化を図られたい。
 次に、病院経営本部について申し上げます。
 一、患者中心の医療の実現と、高水準で専門的な医療を幅広く都民に提供できる体制を構築するとともに、都民の医療ニーズを的確に見据えながら、都立病院改革を着実に推進すること。また、東京都地域医療構想を踏まえ、都立病院が担うべき医療を検討し、次期中期計画を策定すること。
 一、災害時の医療提供体制を抜本的に強化するため、専門的な見地からの意見も踏まえ慎重に検討し、基幹災害拠点病院である広尾病院の改築、整備を進めること。
 一、多摩地域の医療水準を向上させるため、多摩メディカルキャンパスにおいて、難病患者への対応を強化するとともに、がんやリハビリテーション医療など、今後増加が見込まれる医療に対する提供体制を充実させること。
 一、二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック大会の開催を控え、今後増加が見込まれる都内に居住、滞在する外国人に対して安全・安心の医療を提供できるよう、引き続き環境整備を進めていくこと。また、患者の療養生活を総合的に支援していくため、患者支援センターにおいて、各病院の医療機能や実情に応じて、地域との連携を図りながら、円滑な転院、退院や在宅移行に向けた相談支援機能を強化していくこと。
 一、子育て世帯の共働きが増加する中、子供が急病の際にも安心して預けられる環境の充実を図るため、小児総合医療センターなど小児科のある都立病院において医療資源を活用し、病児、病後児保育の実施に向けた取り組みを進めていくこと。
 一、急性期医療、高度専門医療に積極的に取り組み、安定的で良質な医療サービスを提供していくため、東京医師アカデミーにより次代を担う若手医師の確保、育成を図ること。また、指導、研修体制を一層充実させ、臨床を重視した患者本位の医療を提供できる質の高い若手医師を育成すること。
 一、公益財団法人東京都保健医療公社病院は、地域の中核病院として他の医療機関や都立病院との緊密な連携を推進するとともに、東京都地域医療構想を踏まえ、住民が必要とする地域医療の充実に努めること。また、災害拠点病院として災害対応能力の一層の向上に努めること。
 以上で意見開陳を終わります。



出典:厚生委員会速記録第五号 https://www.gikai.metro.tokyo.lg.jp/record/welfare/2017-05.html

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