議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
厚生委員会
2002年11月27日 平成15年厚生委員会第18号
山加朱美
現在の墓地をめぐる状況ですが、高齢時代を迎えまして、住宅地域での墓地開発や大規模開発が大変ふえてまいりまして、近接住民からとかく迷惑施設として反対され、紛争となる事例が見受けられるようになりました。
墓地埋葬等に関する法律ですが、墓地、納骨堂または火葬場の管理及び埋葬が国民の宗教的感情に適合し、かつ公衆衛生、そのほか公共の福祉の見地から支障なく行われることを目的としております。
しかしながら、この法律には、地域のまちづくりや都市計画との適合性が配慮されていないなどの要因によりまして、墓地建設に関してさまざまな紛争が生じております。
必ずしも妥当な解決が図られているとはいえない状況にあるわけでありますが、このため東京都では、平成十二年の十月に墓地等の構造設備及び管理の基準等に関する条例を改正し、都市にふさわしい墓地の構造設備基準や隣接住民等のあつれき防止のための事前周知制度を全国に先駆けて導入したところであります。
また、条例の運用に当たっては、区市町村の意向を配慮する旨の付帯決議がされております。
そして、この改正条例は平成十三年の一月から施行されておりますが、条例に基づいて住民説明会が開催されたものの、隣接住民から墓地建設を許可しないでほしい旨の請願陳情が本委員会に提出されましたのは、私が知る限りでは、今回で四件目になると思います。
いずれも周辺住民から、墓地が建設されると生活環境が悪化するなどの理由となっております。
特に今回の陳情者でありますが、墓地建設予定地が小金井街道に面しておりまして、小金井街道の渋滞が著しく、墓地ができることにより悪化するのではないか、そして、地域住民の悲願でありました小金井街道の歩道拡幅ができなくなるのではないか、その理由により墓地建設に反対がされているわけであります。
私は、墓地は国民生活にとって、だれもが必ず、例外がない限りお世話になるわけでありますから、必要不可欠な施設であると考えておりますが、墓地建設そのものに反対するものではありません。
しかし、地域に受け入れられる墓地という観点からは、一定の配慮が求められるものと考えております。
現在、本陳情の対象となっております宗教法人本妙寺が予定している墓地建設計画については、八月と九月に二回の説明会が終了されております。
現時点においては、墓地経営の許可申請は提出されていないとのことであります。
しかし、そこで伺いますが、本事案に関しまして、地域住民や地元市とのかかわりにおいて、都は申請予定者に対してどのような指導を行ってきたのか、伺います。
齋藤地域保健部長
所管する保健所におきまして、申請予定者に対し、事前周知制度の趣旨を踏まえ、誠意を持って隣接住民等に説明するよう指導するとともに、当該予定地の地元市ですとか関係機関の施策等にも配慮するよう指導してきたところでございます。
また、条例改正時の付帯決議の趣旨を踏まえまして、墓地建設にかかわる地元市の意向について意見照会を行っているところでございます。
山加朱美
墓地が地域に受け入れられるためには、地域の環境と調和のとれた墓地とすることが望まれるわけでありますが、それには当然、住民の意見、地元市町村の意向が反映されることが肝要と考えます。
ご所見をお伺いいたします。
齋藤地域保健部長
ご指摘のように墓地が地域に受け入れられるためには、住民の意思や地元市町村の意向をできる限り反映することが肝要であり、望ましいと考えているところでございます。
今後とも、事前周知制度の適切な運用等を図りまして、周辺の環境と調和のとれた墓地が建設されるよう、申請予定者に対し適切に指導してまいります。
山加朱美
今ご答弁をいただきましたように、地域に受け入れられる環境と調和のとれた墓地とするためには、どうか今後とも地元市町村との連携を密にいたしまして、墓地等の経営許可申請予定者と、そして隣接住民、双方の意見調整が図られることを要望いたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
出典:厚生委員会速記録第十八号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2002-18.html
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