議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
厚生委員会
2007年06月08日 平成19年厚生委員会第7号
山加朱美
陳情一九第七号、今、大変丁寧な現況のご説明をいただきましたが、改めて、確認をしながら何点か伺わせていただきたいと思います。
昨年、十八年の四定におきまして、この扶養年金制度を廃止する条例が可決、成立いたしました。そして、この三月に制度が廃止されたわけであります。
この制度の廃止、まさにこの制度は、都が国に先んじて、当時は障害者の大きな前進の一歩として評価をされてきた制度でございます。関係者におかれましては、扶養年金審議会の答申を踏まえた、まさに苦渋の廃止という選択であったと思います。
都は、四定の扶養年金の廃止に当たり、加入者に可能な限りの配慮をしながら、制度運営を担ってきた者としての重大な責任を的確に果たしていくという、大変強い決意表明がされております。
制度の廃止に当たっては、扶養年金を既に受給している方へは、今後とも、受給者の終身にわたり従来どおりの給付を続けていく。
また、受給要件を満たしていなかった方については清算金をお支払いする。しかも、掛金を上回るものをお支払いするということで、加入者に最大限配慮したものとなっていることは、私ども高く評価をいたしております。
私は、昨年十二月、この厚生委員会で、加入者の方に、制度が廃止となったこと、また制度の廃止の時期、そして制度廃止後の清算金の支給方法などを含めて、その後の対応を丁寧に説明し、加入者の皆様に対して適切な選択をサポートするよう強くお願いをいたしました。
それを受けていただきまして、廃止条例が通過した後、本年一月、都では、「加入者だより」を加入者全員に送り、廃止に至った経緯や今後の対応について周知をされております。私もこの「加入者だより」を見せていただきましたが、大変わかりやすく周知をされておりました。
また、本年三月一日をもって清算金の金額を確定し、清算金の対象者に個別にお知らせを通知したということですが、ここで、清算金については、本来、予期しなかった一時収入が入ってくるということで、受け取ることになる加入者の方からさまざまな反響があったと聞き及んでおります。当事者にとっては当然のご心配事と思います。
とりわけ、清算金が課税所得となるということで、課税にどのような影響があるか、そしてまた、生活保護世帯が清算金を受領した場合、収入認定されるかどうかなど、窓口での問い合わせも大変多かったように聞いております。
そこで、清算金の受領により、生活保護世帯への影響を含め、どのような影響があり、またどのように対応しているのかについて、まず伺わせていただきます。
松浦障害者施策推進部長
まず、清算金につきましての税法上の扱いでございますけれども、税務当局から見解が出されまして、一括で受け取れば一時所得として、分割払いであれば、おのおの受け取った年の雑所得として課税の対象となります。しかし、分割して受け取った清算金を加えた年間所得額が基礎控除額の三十八万円以内でございませば、所得税は課せられません。
次に、生活保護世帯についてでございますが、東京都としましては、清算金の収入認定除外の要望をしておりましたけれども、障害者が清算金を分割して受け取り、特約加入の場合は年額四十八万円以下、基本加入のみの場合は年額三十六万円以下であれば収入認定されないという旨の厚生労働省社会・援護局保護課長名の回答が文書で出されまして、いただいているところでございます。
これらの点につきまして、「加入者だより」などを通じて加入者にお知らせするとともに、電話や窓口での個別の問い合わせに対応しているほか、生活保護の取り扱いを含め、福祉事務所等にお知らせしているところでございます。
山加朱美
昨年、決定をいたしましてから、私ども、忘年会、新年会、障害者の関係団体に顔を出しますと、本当に皆様、ご心配なさっていたわけでありますが、今回、加入者に大変きめ細やかな対応を行っていただいているようで、私ども大変安心をいたしております。
どうか引き続き、この制度を運営してきた者の責任として、丁重な対応に努めていただきたいと思います。
ところで、制度廃止後の対応として全国制度があります。この全国制度は、都扶養年金制度の代替制度として大変に期待できるものであります。
しかしながら、現在の全国制度は、過去の債務一千二百億円について、国と道府県、政令市で財政支援をして成り立っている状況であることを承知しております。
なぜ今、全国制度に加入をしないのか、そんな都民の声を聞きますけれども、公的負担などもろもろを考えますと、やはり制度を立て直した後の新全国制度への参加に期待をつなぐことが私もベターだと思いますけれども、そこで、全国制度の見直しの動向、そしてまた、都が加入する見通しについてお聞かせいただきます。
松浦障害者施策推進部長
全国制度についてでございますが、国は本年三月に、外部の有識者を交えた検討会を立ち上げまして、関係団体等との調整を行いながら、制度のあり方について見直しの検討を行っております。
検討会は四回程度の開催予定で、本年八月ごろに結論を出すというふうに聞いております。
現在、都といたしましては、新しい全国制度に加入するために関係機関との調整に入っておりまして、今後も国の動向を注視し、新全国制度の骨子が固まり次第、条例の制定を初め、制度の立ち上げに向けまして、適切に事務の準備を進めてまいりたいというふうに考えております。
山加朱美
東京都では全国制度の参加に向けて、今のご答弁によれば、国の結論を待ち、新たにこれから都の条例を制定していくということになるわけですが、東京都の独自の扶養年金制度が廃止され、新たに全国制度が立ち上がり、都もそれを担っていくことになるわけです。
つまり、新たな全国制度という可能性があったからこそ、私は都制度を廃止できたともいえると思うんですけれども、しかし今後は、この制度の廃止に係る責任とともに、これに期待をつなぐ多くの障害者のために、どうか責任を持ってこの制度を再構築していただきたいと強く願います。
また、今後、障害者が保護者亡き後、地域において自立した生活を送ることができるように、親御さんはこれが一番心配なことでございます。
先般制定されました東京都障害福祉計画に基づき、居住の場の整備、施設から地域生活への移行など、どうか総合的、計画的に地域生活の基盤整備に積極的に取り組んでいただくことを改めて強くお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
ありがとうございました。
出典:厚生委員会速記録第七号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2007-07.html
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