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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2013年11月21日 平成25年厚生委員会第15号

山加朱美
 本日は事務事業質疑でありますので、私が今まで当委員会におきまして発信をしてまいりましたテーマの中から、三つほどに絞りましてお伺いをさせていただきたいと思います。発信後の、それまでの取り組み、これまでの取り組み、そしてまた、今後、新たな、どんな展開をしていただけるのか、そんなことも含めて伺いたいと思っております。
 まず、今月、理事者の皆様方全員が、児童虐待防止のオレンジのこのネームバンド、そしてまた、オレンジリボンはつけていただいていますよね。児童虐待防止推進月間でありますので、まず、児童虐待についてお伺いをさせていただきます。
 次代を担う子供たちは社会全体の宝であり、その健やかな成長は誰もが願うところであります。しかしながら、一方で、幼い身体を傷つけ、また、心にも深い傷を生涯にわたって残す児童虐待が深刻化をしております。大人の暴力にあらがうこともできず、かけがえのない命が奪われる重篤なケースも後を絶ちません。
 国の調査によれば、二百余りある全国の児童相談所で受けた相談件数は年々増加をし、昨年度、二十四年度では六万六千件に上っております。児童相談所を初め、区市町村の子供家庭支援センター、保育所、学校など関係機関は懸命に取り組んでいることと思いますが、さらに各機関がそれぞれの役割を果たしながら、切れ目のない支援を続けていくことが必要であります。  また、社会全体が子供を虐待から守るにはどうするか、私たち都民一人一人が問題意識を持って行動することが求められています。
 子供の未来を奪う児童虐待は、決して許されるものではありません。私はこれまで、機会あるごとにこの問題を取り上げてまいりました。児童虐待をめぐる状況が厳しさを増す中、改めて、その現況について幾つか質問をさせていただきます。
 まず、対応の中核を担う児童相談所の虐待相談の現状について、相談件数や一時保護を行った児童の数はどのように推移をしているのか伺います。

浜少子社会対策部長
 都内十一カ所の児童相談所が虐待の疑いで受理した相談件数は、平成二十年度が三千二百二十九件、二十一年度が三千三百三十九件、二十二年度が四千四百五十件、二十三年度が四千五百五十九件、二十四年度が四千七百八十八件となっております。
 相談受理件数のうち、調査の結果、虐待の事実が認められなかった割合は全体のおおむね二割となっており、二十四年度では四千七百八十八件中、千八十三件について虐待の事実が確認できませんでした。
 虐待により一時保護所に保護した児童の数は、二十年度は六百九人、二十一年度が六百十七人、二十二年度が七百二人、二十三年度が七百八十人、二十四年度が八百四十七人となっております。

山加朱美
 今のご答弁を伺いますと、児童虐待の件数は増加の一途をたどっている、そして、親子を一時的に分離する一時保護も、相談件数と同様に急増していることがわかりました。
 児童虐待は、まず初期の対応が大変重要であります。家庭訪問による安全確認など、迅速な対応が必要であります。また、一時保護を行った際には、子供の気持ちや心理的背景、家庭環境などを調査しながら、親子関係を修復して子供を家庭にお返しをし、当面の間は親子の分離が必要な場合には、施設入所や里親委託を行いながら家庭への復帰を支援するなど、まさに短期的にも長期的にも、さまざまな援助を行っていると聞いています。
 たとえ件数が増加したとしても、ケース一つ一つに、まさに気が抜けない、実にきめ細やかな対応が求められると思います。児童虐待が年々深刻化する中で、対応の中核を担う児童相談所に求められる役割は今後も極めて重要であり、それを支える体制ももっと強化をしていかなければなりません。  そこで伺いますが、児童相談所が、これまでどのように体制強化を行ってきたのか、具体的に伺います。

浜少子社会対策部長
 相談支援の中心を担う児童福祉司については、平成二十三年度に十一名、二十五年度には十三名の増員を図り、定数を百九十六名に、児童心理司については、二十四年度に十一名増員し、定数を六十五名といたしました。
 そのほか、専門的な知識や経験を活用するため、二十四年度から、警察官のOBである虐待対応強化専門員や、保健師の資格を有する医療連携専門員を新たに配置し、さらに二十五年度には、経験が豊富な児童福祉司のOBを児童福祉相談業務指導員として配置して、新任職員の育成や研修の充実を図っております。
 また、増加する一時保護需要に対応するため、二十五年四月の江東児童相談所の開設等により一時保護所の入所定員を二十四名増員し、百九十二名といたしました。
 今後とも、増加する児童虐待に的確に対応していくため、引き続き必要な体制強化に努めてまいります。

山加朱美
 状況に応じて、年々着実に児童相談所の体制を強化していることがよくわかりました。児童相談所に求められる役割はますます大きくなることから、今後とも、児童福祉司、児童心理司の増員を含め、体制強化にはぜひとも努めていただきたいと思います。
 次に、児童虐待防止の普及啓発について伺いたいと思います。
 児童虐待は、地域で孤立している子育て家庭に生じることが多いといわれていますが、虐待に至る心配のある家庭を早期に発見し、地域で支えていくためには、関係機関はもとより、一人でも多くの住民に児童虐待防止に対する理解を深める取り組みが重要であります。
 最初の答弁で、受理した相談件数の二割は虐待が確認できなかったとありましたけれども、これは逆に、地域の方々が今まで以上に虐待への関心を持ち、心配な状況があれば即座に相談を寄せてくださっていることのあらわれであると思います。普及啓発を続けてきた一つの大きな成果であると思います。
 しかし、虐待を未然に防止するためには、さらなる普及啓発の取り組みが必要であることはいうまでもありません。私は、常にこのオレンジリボンを三百六十五日つけております。これは何度もお話をしておりますが、当初、栃木県で起きた、幼い兄弟が橋の上から投げ落とされ、命を奪われてしまったことを契機に始められたもので、児童虐待をゼロにするという強いメッセージが、このオレンジリボンには込められているわけであります。
 都は、毎年十一月を児童虐待防止推進月間、オレンジリボンキャンペーンとして定め、まさに今月、集中的な取り組みを行ってくれております。
 しかし、前にも申し上げましたが、児童虐待が深刻化している現状では、年々増加の一途をたどっているわけですから、十一月に限らず、年間三百六十五日、普及啓発に取り組んで、このオレンジリボンに込められた虐待防止のメッセージを広く都民にしっかりと届けていく必要があると思います。  また、社会の意識をもっと高め、民間企業の力をお借りし、取り組みをより一層推進することも重要と思います。
 児童虐待防止に向けた普及啓発について、これまで都はどのように取り組んできたのか伺います。

浜少子社会対策部長
 児童虐待の防止は社会全体で取り組むべき課題でありまして、区市町村の子供家庭支援センターや民生児童委員、保健所、学校など地域の関係機関と連携して、一人でも多くの都民に理解を深めていただけるよう、広く児童虐待防止を訴えることが必要でございます。
 都は、十一月の児童虐待防止推進月間を中心にオレンジリボンキャンペーンを実施し、集中的にイベント等を企画するとともに、啓発グッズの作成、配布を行うなど、区市町村や民間団体等と一体となって取り組んでまいりました。
 具体的には、リボンやリーフレットの街頭での配布や商店街イベントでのPR活動、サッカーやアメリカンフットボールなどプロスポーツの公式戦でのキャンペーン活動などを通じて、広く一般都民に児童虐待防止を呼びかけております。
 さらに、今年度は児童虐待防止オレンジリボンキャンペーンを一層推進するため、新たにオリジナルキャラクターを作成し、東京地下鉄のメトロビジョンでの動画放映やウエブサイトを活用した広報、民間企業へのポスター掲示の協力の取り組みなどを行っております。
 今後とも、区市町村や企業、関係団体等との連携をさらに強化し、年間を通じた普及啓発活動に精力的に取り組んでまいります。

山加朱美
 今のご答弁で、オレンジリボンキャンペーンにおいて、都がさまざまな取り組みを行い、また、今年度は一段と取り組みを強化し、普及啓発を進めていることがよくわかりました。
 先ほど申し上げたように、私は以前よりこの趣旨に賛同し、一人でも多くの方にこの問題について関心を持ってもらえるように、一年を通じてオレンジリボンをみずから身につけてPRをいたしております。児童虐待防止の重要性を訴えているわけであります。
 ただ、その一方で、活動していますと、残念ながら、このオレンジリボン、これ何ですかという質問が、やはりいまだにございます。まだオレンジリボンに対する認知度が不足しているなと思わずにはいられないわけであります。
 都も、十九年度から七年間にわたって継続しているわけですから、先ほど、ことしは新たなキャラクター、OSEKKAIくんですか、どんどん、おせっかいをしようというOSEKKAIくんのマーク、新たなキャラクターの活用ということでありますけれども、今後とも、こうしたいろいろな工夫を行いながら、このオレンジリボンの意味を一人でも多くの人に知ってもらい、また、行動してもらえるように、さらなる取り組みを行う必要があると思います。
 そのためには、繰り返し申し上げますが、児童虐待防止推進月間、今月十一月だけでなく三百六十五日、年間を通じて継続的に防止運動を実施していくとともに、民間企業への働きかけなどをさらに強化し、協力してもらえる団体を拡大していくことが重要と考えます。
 このことを改めて都に要望いたしまして、そして子供たちが虐待によって決して傷つくことなく、その笑顔が絶えることのないよう、関係機関はもとより、私たち一人一人が何を行うべきか、何ができるのか、いま一度求められていることを強調させていただき、次の質疑に入ります。
 今や命あるものとしての動物、特に犬や猫を飼っている方は多く、私も猫派で二匹ほど、十六歳と十歳ですから、かなりの高齢の猫であります。ペットは家族の一員として、時にというか、いつも、常に心の支えとなり、生活に潤いと喜びを与えてくれる、なくてはならない二匹の猫の存在が、私にもございます。
 東京都が平成二十三年度に実施した飼育実態調査によれば、都民が飼う犬及び猫の飼育数は約百七十万頭と推定され、これは都内の十五歳未満の子供の数を大きく上回っている状況であります。このように、私たちの生活にとても身近な存在となったペットですが、飼い主が愛情を注ぎ、きちんとしつけを行い、不妊去勢手術や病気の治療、また、高齢になったペットの世話など、ペットの命ある限り、責任を持って飼い続けることにより、致死処分に至るペットを生み出さないように努める飼い主の責任がとても重要であります。
 都は、平成十九年度に動物愛護管理推進計画を策定し、さまざまな取り組みを進めてきました。私はこの間も、平成二十年の第一定例会本会議で、致死処分数を減少させることについて--このことは、日本は国際社会の中で先進国でありながら、ちょっとおくれをとっていると思います。また、平成二十三年度の厚生委員会でも、飼い主の責任の徹底、ボランティア団体との連携、また、東日本大震災への対応を踏まえた震災時の動物対策について訴えてまいりました。
 そこで、これまでの取り組みでどのような成果を上げたのか伺いたいと思います。

中谷健康安全部長
 都は、平成十九年度に策定をいたしました動物愛護管理推進計画に基づきまして、人と動物との調和のとれた共生社会の実現を目指して、飼い主や事業者の責任の徹底、致死処分減少などの課題に取り組んでまいりました。
 適正飼養の徹底を図るため、飼い主に対する適正飼養講習会を行うとともに、都と区市町村の動物担当者会議等を設け、共通の普及啓発資材の作成や配布等を行ってまいりました。
 また、都内約三千九百の動物取扱業者に対しましては、都独自に評価基準を設けてランク分けをし、重点的かつ効率的な監視指導を行ってまいりました。
 さらに、犬や猫の譲渡を拡大するため、都内のボランティア団体を通じた譲渡を推進してまいりました。都が連携している団体数は、平成十九年度の十七団体から、現在、三十五団体と倍増している状況でございます。
 これらの取り組みの結果、動物の引き取り数の半減並びに致死処分数の五五%削減という目標につきましては、平成二十四年度の時点で、いずれも目標を上回る約六割の減を達成いたしました。返還、譲渡率につきましては、犬は八五%以上に増加という目標に対し約八〇%、猫は一〇%以上に増加という目標に対し約一七%の大幅な増加ということになっております。

山加朱美
 計画に掲げた目標のうち、致死処分数の減少は既に達成をし、猫の返還、譲渡率は大幅に目標を上回ったということですが、このことは、都が区市町村、動物愛護推進員、また、関係団体等と協力、連携をして、ペットを生涯にわたり適正に飼養するという飼い主の意識を向上させてきたこと、また、譲渡に当たっては、受け取りの場の機会が広がるよう、都内各地で活動する譲渡団体としっかりと連携をしながら、都が着実に取り組んできた結果であり、私は高く評価できると思います。
 都はこれまでも、全国に先駆けて、このようにさまざまな取り組みを進めてきています。
 国においては、動物愛護管理法及び動物愛護管理に関する基本指針が改正され、本年九月一日から施行されています。
 このたびの改正では、動物の致死処分がなくなることを目指して、終生飼養の責務が明記されました。
 また、動物取扱業においては、犬猫等の販売業に係る規定が設けられるとともに、これまで対象でなかった非営利のNPO法人なども、動物を一定数以上取り扱う場合には、第二種動物取扱業としての届け出が義務化されました。
 災害時の対応としては、動物の同行避難が基本指針に明確に位置づけられ、地域の実情に応じて体制を整備することとしています。
 このように、改正動物愛護管理法及び基本指針は、飼い主にも事業者にも一層の責務を求める内容となっているわけであります。
 そこで、動物愛護管理法並びに基本方針の改正を受け、都はどのような課題認識があるのか伺います。

中谷健康安全部長
 ただいま山加理事からお話がございましたように、今回の法律及び基本方針の改正のポイントとして挙げられております終生飼養の徹底、動物取扱業者による適正な取り扱いの推進、そして、災害時の対応強化に取り組むに当たりまして、都としては以下のような課題があるというふうに考えております。
 まず、致死処分のさらなる減少を目指した施策の発展に向けまして、飼い主の適正飼養、終生飼養を徹底していくために、動物愛護推進員による動物教室の拡充など、区市町村やボランティア等と連携した普及啓発の充実が不可欠でございます。
 また、動物の引き取り数を減らすため、飼い主のいない猫対策を一層推進するとともに、返還、譲渡を拡大するためには、多様な団体との連携の仕組みづくりを進めることが重要でございます。
 動物取扱業者に対しましては、犬猫等販売業に義務化されました健康安全計画の策定など、法改正を踏まえた監視指導をより一層徹底するとともに、事業者が動物を適正に取り扱うことや、顧客に適正飼養等の説明責任を果たすことが肝要であることから、動物取扱業に携わる人材の育成が必要でございます。
 さらに、区市町村の同行避難等の体制整備の支援など、災害発生時の対応の強化が求められるところでございます。

山加朱美
 大変心強い答弁をいただきました。動物に優しい町は人にも優しい、動物に優しい国は人にも優しい国である、私はそう思っています。終生飼養の徹底、譲渡の推進などにより、致死処分数のさらなる減少を目指すことが重要であります。
 ところで、さきの伊豆大島における台風被害では、多くのとうとい命が奪われました。被災された方々には改めて心よりお見舞い申し上げますとともに、お亡くなりになられた方々のご冥福をお祈りしたいと思います。  そして、現地では多くの方々が避難を余儀なくされましたが、動物については、地元の動物病院、東京都獣医師会などの協力を得て、動物の同行避難が実現をしたと聞いております。
 これは、私が、平成二十三年の第三回都議会の定例会、厚生委員会におきまして、東日本大震災の対応を踏まえ、災害時の体制整備を要望した内容でございます。これを都が地域防災計画に具体的に盛り込んでいただき、実を結んでいただいたことを大変うれしく思っております。今後とも、より一層充実していただければと思っております。
 さて、現在、都は東京都動物愛護管理審議会を設置し、今後の動物愛護管理行政のあり方を検討中と聞いておりますが、そこで、審議会における検討状況、今後の予定についてお尋ねをいたします。

中谷健康安全部長
 平成二十四年八月、東京都動物愛護管理審議会を設置いたしまして、東京都における今後の動物愛護管理行政のあり方について諮問をさせていただきました。
 審議会のもとに小委員会を設置し、現行推進計画に基づくこれまでの取り組みの評価と法改正を踏まえまして、適正飼養の推進、動物取扱業の規制強化、犬及び猫の引き取り数の一層の減少、災害発生時の動物救護体制の充実強化など、三回にわたって検討いただき、平成二十四年十二月の第二回審議会では中間報告がまとめられたところでございます。
 その後、国から示されました基本指針の改正をも踏まえまして、致死処分数のさらなる減少を目指した取り組みの推進など、今後、都が取り組むべき課題と施策の方向性について、小委員会でさらに検討を加えまして、本年十月の第三回審議会で答申素案がまとめられました。
 今後、パブリックコメントを経まして、第四回審議会において最終答申をいただき、今年度中に動物愛護管理推進計画の改定を行う予定でございます。

山加朱美
 私の近所では、最近、お年寄りがペットと散歩をするときに、飼っていたワンちゃんが高齢になってしまったので乳母車に乗せたり、また、途中でワンちゃんを、お散歩というか、だっこをして歩いていますと、散歩なのかなと思ったりいたします。しかし、大変ほほ笑ましい光景でございます。
 ペットが家族の一員から地域の一員として位置づけられ、今まで以上に人々とともに幸せに暮らすことができる社会を実現することが必要と思います。こうしたことによって、二〇二〇年のオリンピック・パラリンピックの開催に向けて、世界に誇れる都市東京を目指すことにつながるのではないでしょうか。
 都内には、さまざまな活動を行っている動物愛護団体があります。区市町村、動物愛護関係団体、ボランティア団体等の連携を今まで以上に一層強化し、終生飼養、適正飼養を力強く推進することによって、人と命あるものとしての動物との調和のとれた共生社会の実現を要望して、最後のテーマに移らせていただきます。
 ヘルプマークについてお伺いいたします。
 私は、昨年の予算特別委員会、一般質問で、外から障害のあることがわかりにくい方、助けを必要としている方などの統一したマークが、今まで社会には一つもありませんでしたので、ぜひとも都として統一したマークを作成し、不自由さを抱えていても安心して外出できるよう、障害のあることがわかりにくい方への理解を社会で一層促進していくことを提案しました。
 都がそれを受け、その年の十月にはヘルプマークを具体的に作成し、このマークですね、作成をしていただきました。自民党も、当時、野島前幹事長以下執行部が大変強力な後押しをしてくれたわけであります。
 交通局も全面協力をいただき、都営大江戸線で優先席へのステッカー表示、また、ヘルプマークの配布等の取り組みを開始したことについては、大変迅速に対応していただいたことを高く評価いたしております。
 そこでまず、ヘルプマークに関するこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

山岸障害者施策推進部長
 都は、義足や人工関節を使用している方など、援助が必要な方のためのヘルプマークを作成し、昨年十月より、都営大江戸線の優先席へのステッカー掲示や車両内へのポスター掲示等を開始いたしました。
 さらに、本年七月からは、大江戸線での取り組みを、都営地下鉄全線、都電荒川線、日暮里・舎人ライナー及び都営バスの、全ての都営交通に拡大して実施をしております。
 また、広く都民の方々への周知を図るため、区市町村に対してポスター掲示やチラシ配布等の普及啓発への協力を依頼するとともに、民生委員、児童委員、区市町村長会、関東鉄道サービス連絡会議、一般社団法人東京バス協会等の関係団体等に対して取り組みへの理解を求めてまいりました。
 さらに、スポーツ祭東京二〇一三における来場者に対するPRチラシ配布や、東京都障害者総合美術展でのポスター掲示など、さまざまなイベントの機会を捉えて普及啓発を図ってまいりました。

山加朱美
 このヘルプマークの普及啓発については、まさに局の壁を越えて、福祉保健局と交通局の取り組みにとどまらず--私、昨年度は警察・消防委員会におりましたので、全警察、消防がこのポスター掲示をしていただき、そして全警察官、消防隊員全員がこのことを認知してくれています。
 障害を持つと、やはり外で事故に遭ったとき、例えば救急車が来る、警察官が来てくださる、そのときに、このマークが荷物についていれば、この方はどこか不自由なところを持っているんだなと、そのことをまず最初にわかっていただけることが、障害を持つ者にとっては大変心強く、また、安心して外出できるということにつながってまいります。警・消委員会は非常に頑張ってくれました。
 そしてまた、都営交通なんですが、どの駅員に聞いても、このマークを知らない人はいませんでした。ヘルプマークを下さいというと、どこにあるかも教えてくださり、そしてまた、きめ細かく、どこか手をおかしするところはありますかと大変丁寧な対応をして--徹底して下までおろしてくれております。
 今、ご答弁の中で、区市町村に対してもポスター掲示の協力を依頼していると答弁ありましたけれども、実は、残念ながら、私の練馬区などはまだ福祉事務所にポスター掲示すらしていない。恐らく、確かに課長会等で皆さんに認知をしていただいたんだと思いますけれども、そこから先は、区市がどうするかは任せるよではなくて、やはりこれは東京都が発信をした初めての新たな福祉のマークであるわけですから、ぜひとも再三にわたって気を配っていただけたらなと、私は思っております。
 各局の大変大きな協力により、啓発が進んでいるわけであります。そしてまた、私のところには、他県の市議会議員からも問い合わせが来ております。これからも、都の方にもあるかもしれません。移動するときは、東京都民がこれをつけて他県に行く場合もあるし、また、他県の方が東京都でこのマークを見ることもあるわけですから、ぜひとも、さらに強く、深く取り組みを進めるべきと考えております。
 ヘルプマークについて、今後どのように取り組みを進めていくのか、改めて所見をお伺いいたします。

山岸障害者施策推進部長
 ヘルプマークにつきましては、より多くの方々にご理解いただけるよう、継続してさまざまな普及啓発に取り組んでいく必要があると認識しております。
 このため、来月の障害者週間におきましては、障害者週間のポスター、ふれあいフェスティバル、東京都提供番組を活用した普及啓発に取り組むこととしております。
 さらに、来年度以降については、これまでに取り組んできた普及啓発に加えまして、今後の新たな取り組みとして、多様な場所におけるヘルプマークの活用や普及啓発を図ることができるよう、区市町村と連携した事業の実施を検討するとともに、都営交通以外の実施路線の拡大について、関係部署と調整を進めているところでございます。
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック競技大会の開催に向けて、障害や障害のある方々についての都民の理解を深めるためにも、ヘルプマークの取り組みが重要であると考えております。
 今後とも、ヘルプマークが広く理解を得られるよう普及啓発の取り組みを進めることにより、障害の有無にかかわらず、全ての都民がともに暮らす地域社会の実現を目指してまいります。

山加朱美
 二〇二〇年東京オリンピック・パラリンピック招致が決定しました。世界で類を見ない超高齢社会を迎えている我が国であります。障害の有無にかかわらず、年をとれば誰もが、どこかしら体が不自由になってきます。
 東京に訪れた海外の皆様に、身体のハンディキャップを抱えた方はもちろんでありますが、高齢者、小さなお子様、妊産婦の方、認知症、精神障害を有する方など全ての方が安心して、外出に不安を感じることなく社会参加できる、外に出かけることができる、まさに点と点を結んだ面的なユニバーサルデザインに基づくバリアフリーを展開し、首都東京の福祉の質の高さ、都の取り組みについて、海外に向けてアピールできる絶好の機会だと思っています。その一つが、私は、東京発信のこのヘルプマークであると思います。
 全国に、そして海外でも通じる福祉のマークになるよう、さらに迅速に取り組みを進めることを強く要望して、私の質問を終わります。

出典:厚生委員会速記録第十五号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2013-13.html

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