メインイメージ

議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2014年9月26日 平成26年厚生委員会第10号

山加朱美
私からは、ただいま報告のありましたデング熱への対応についての意見の表明だけをさせていただきたいと思います。
 デング熱が叫ばれてから約二カ月がたったわけであります。全国で百四十三名、都内では九十四名、これは医療機関を受診した数でありますが、もしかしたら自分がデング熱にかかったことがわからず、そのまま症状もひどくならずに過ぎ去ってしまった、そんな方も大勢いらっしゃるのではないかと思います。
 しかしながら、考え方によっては、全国百四十三名、この数で抑えられたということは、所管であります福祉保健局、担当部署が長靴を履き、そして、あの広い公園を必死に消毒をしている、そんな姿をたびたびニュース報道で目にいたしました。大変な努力があったと思います。改めて、その皆様方の労にねぎらいを申し上げたいと思います。
 しかしながら、このデング熱、今までは東南アジアを旅行する際に、デング熱に気をつけてくださいよ、そんな注意すべき感染症であったわけでありますが、今後は我が国日本の国内でも感染をすることがあり得るものとして、今後、蚊が多く発生する場所などでは気をつけなければならない感染症となってしまいました。
 デング熱の患者が次々とふえていく、そんな報道がある中で、私の周りでも、お母さん方が、子供さんの腕が蚊に刺されないように虫よけスプレーを塗ったり、また長袖のシャツを着たりと、さまざまな工夫をする姿が見られました。また、不安の声もたくさん耳にいたしております。
 先ほども報告がありましたが、患者発生はひとまず落ちつきを見せ、また来月には蚊のシーズンが終わるということから、今回の感染拡大は遠からず終息するのではないかと考えられております。
 そんな折、昨日はオーストラリア原産で毒性を持つセアカゴケグモ、これが都内で十数匹確認をされてしまいました。このセアカゴケグモは、感染症ではありませんが、かなり猛毒を有するということで、命にもかかわる場合がある、そんな報告もされているところであります。
 私は、十年ほど前ですが、一般質問で動物由来感染症、蚊を介する感染症、これに警鐘を鳴らしたことがございます。動物、そして植物、これが本来あるべきところを超えて、瞬時に移動して、やはり情報文化の発展によりまして、いつでも、どこでも、ユビキタス社会の中で、どこに動物が、そして植物が、本来いないところにいることができるようになってしまったわけであります。
 そして、また地球温暖化も拍車をかけております。今までになかった感染症が、これからもいつ突発するかわからない、そんな危機管理を、今まで以上に感染症の危機管理を持たなければならない時代を迎えているわけであります。
 いずれにしても、毎年、蚊のシーズンは必ずやってきます。そして、六年後にはオリンピック・パラリンピック、多くの来訪者が外国からこの日本に訪れることになります。お迎えをしなければなりません。今後、より一層、デング熱を初めとする感染症対策には、改めて充実させていただくことを私は強く要望させていただきたいと思います。
 そうしたことを踏まえ、先般、九月の十九日、我が党は舛添知事宛てに、デング熱対策に関して、蚊の発生防止対策とサーベイランスの強化、医療機関における検査体制の整備、都民に対する正しい情報提供と普及啓発、この三点を強く進めるよう緊急に要望を行ったところであります。
 都は、デング熱を含む蚊が媒介する感染症の対策会議を開催し、専門家の知見を生かして、今後に向けた諸課題の検討を既に進めているわけであります。多くの患者が発生した今回の事例を十分に検証し、蚊そのものを減らして感染症のリスクを減らすこと、医療機関において早期に診断可能な体制を整備し感染拡大を防ぐこと、都民が正しい知識を持ってデング熱を初めとする感染症の予防に取り組めるよう徹底した普及啓発を行うことなど、多くの課題が存在していることも確かであります。
 都は、対策会議での議論を踏まえ、年内にも今後に向けた方策を取りまとめるとのことでありますが、我が党の緊急要望の趣旨を十分に踏まえ、都民を感染症の脅威から守り、またオリンピック・パラリンピックに向けて、安全な都市をアピールしていく上で、しっかりとした対策を立て着実に実施していただくよう、我が党を代表して改めて強く要望いたします。
 以上です。


出典:厚生委員会速記録第十号 https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2014-10.html

戻る