議会質疑
PARLIAMENTARY QUESTION
厚生委員会
2015年3月18日 平成27年厚生委員会第3号
山加朱美
私が最後になりますので--きょう、神野委員も、冒頭、六十五歳以上の方が二〇二五年には四人に一人ですよというご指摘がありましたが、この二〇二五年というのは、いわゆる団塊の世代の方たちも七十五歳を超えてくるんですね。後期高齢者がどんと急増する年代であるわけでありますが、今、私は改めて、この委員会室に約百名ほどいらっしゃる。十年後というのはそんなに遠くない、近い将来でありますが、割と平均年齢が低いなと改めて思ったところであります。二〇二五年にはしっかりと現場を支えてくださる皆様なんだなと改めて心強く思ったところでありますが、医療ニーズも増大をし、慢性疾患が増加するなど、今後、疾病構造の変化も大きく生じてくると考えられます。また、複数の疾患をあわせ持つ合併症患者、そして認知症患者も増加をしてまいります。
人生は、何があっても最後まで病気と共存をしながら、自分の人生の生活の質を維持し、向上を図っていかなければなりません。その意味においても、医療、介護の連携の必要性がますます高まってくるわけであります。
さて、昨年、いわゆる医療介護総合確保推進法が成立をいたしました。十年後の二〇二五年に向けて、医療提供体制の改革は急速に進められています。
一年前、この厚生委員会でも、我が党の野島議員が、医療と介護の連携という新しいステージにおける都立病院改革について質問を行わせていただきました。そして、本部長の決意をそのとき伺っております。
本部長は、答弁で、都立病院は引き続き、都全域あるいは複数の二次保健医療圏を対象とした急性期病院として、一般医療機関では対応が困難な行政的医療を担うとともに、地域包括支援センターや訪問看護ステーションなどの、区市町村が主体となった在宅医療支援のネットワークに患者のニーズを結びつけるために患者支援センターを設置すると答弁なさってらっしゃいます。
そこで初めに、この一年間、医療と介護の連携に向け、都立病院ではどのような取り組みを行ってきたのか、そして、今後どのように取り組んでいくのか、お伺いいたします。
高野経営戦略担当部長
平成二十五年に策定いたしました都立病院改革推進プランでは、地域包括ケアシステムとの円滑な連携を目指しまして、将来を見据えて、各都立病院に患者支援センターを設置するということを計画いたしました。
今年度は、多摩総合医療センターでモデル事業を実施いたしまして、地元府中市、府中市医師会、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、さらに住民の方々などで構成をされます協議会を設置し、地域の医療、介護の現状や病院に対するニーズの把握を行ってまいりました。この取り組みを通しまして、患者情報を共有する仕組みづくりや地域の医療人材の育成への支援など、関係機関との連携の必要性を改めて認識しております。
今年度は、多摩総合医療センターでモデル事業を実施いたしまして、地元府中市、府中市医師会、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、さらに住民の方々などで構成をされます協議会を設置し、地域の医療、介護の現状や病院に対するニーズの把握を行ってまいりました。この取り組みを通しまして、患者情報を共有する仕組みづくりや地域の医療人材の育成への支援など、関係機関との連携の必要性を改めて認識しております。
今年度は、多摩総合医療センターでモデル事業を実施いたしまして、地元府中市、府中市医師会、訪問看護ステーション、地域包括支援センター、さらに住民の方々などで構成をされます協議会を設置し、地域の医療、介護の現状や病院に対するニーズの把握を行ってまいりました。この取り組みを通しまして、患者情報を共有する仕組みづくりや地域の医療人材の育成への支援など、関係機関との連携の必要性を改めて認識しております。
来年度は、他の都立、公社病院におきましても、各病院の特性を踏まえた患者支援センターを開設し、地域包括ケアシステムの構築の動きや地域の医療ニーズを把握しながら、関係機関との協働を推進することで医療と介護の連携を一層図ってまいります。
山加朱美
国は、医療介護総合確保推進法において、持続可能な社会保障制度の確立を目指し、効率的かつ質の高い医療提供体制の実現を図るため、病床機能報告制度、地域医療構想による医療制度改革を進めることとしました。
高齢者の急増に伴い、当然、医療需要が増大をしているわけでありますから、限られた医療資源の効率的な運用を目指し、これまで一般病床、そして療養病床に分かれていた病床区分を、機能によって、高度急性期、急性期、回復期、慢性期の四つに区分することとしています。
今後、都道府県では、地域の医療需要の将来推計や各医療機関から報告された情報を活用して、この二次保健医療圏ごとに、各医療機能の将来の必要量を含めた地域医療構想を策定していくことになっています。
国は、今年度の末までに地域医療構想を策定するためのガイドラインを示す予定で、二〇二五年の医療需要を見据えた、東京都の医療提供体制のあり方の検討が開始されることになります。
さきの予算特別委員会代表で、我が党が福祉保健局に対し、地域医療構想の策定に関して質問をし、また、東京都の医療資源の現状及び特性を反映していくことを国に対して求めていくとの答弁をいただきました。
特定機能病院など高度な医療機能が集積している東京でありますから、その特性を踏まえた議論がなされることを望むところですが、病床機能の分化においては、高度急性期、急性期病床の削減が一つの目標にされていることから、急性期医療を基本とする都立病院、公社病院にとっては、少なからず影響があることが予想されます。
そこで、病床機能分化の動き、地域医療構想策定など、医療を取り巻くこれからの変革期において、都立病院、公社病院はどのように対応していくのか、本部長の見解をお伺いしたいと思います。
醍醐病院経営本部長
超高齢社会が生む新たな医療ニーズへの対応を図りながら、持続可能な社会保障制度として医療制度を維持していくためには、地域医療構想に基づく病床機能分化を促進し、限られた医療資源を最大限効果的に活用していく、この医療改革というのは必要だというふうに私どもは認識をしております。
しかしながら、これまでも申し上げましたとおり、都立、公社病院が取り組んできました災害医療や感染症医療などの法令に基づき対応が必要な医療ですとか、救急医療や周産期医療など社会的要請から特に対策を講じる必要性がある医療など、いわゆる行政的医療と位置づけてまいりました医療を適切に都民に提供するという基本的役割に、我々は変わりはないというふうに思っております。
今後は、行政的医療の提供という都立病院、公社病院の基本的役割を堅持しつつ、国の動きや福祉保健局による地域医療構想の策定状況を見きわめながら、変革期における新たな都立、公社病院のあり方を検討してまいります。
山加朱美
ただいま本部長から、将来にわたっても、救急医療、災害医療等の行政的医療を都立、公社病院の基本的役割とすることに変わりはないという答弁がございました。
私は、行政的医療を担うという、この都立、公社病院の背負っている、まさに重要な役割を果たすためには、今後ますます医療ニーズが複雑化、高度化する我が国の超高齢社会において、世界のどの国も経験したことのない超高齢社会の到来であります。そしてまた、二〇二〇年東京五輪には、世界で一番の首都東京を目指しているわけであります。世界一安定した、そして質の高い、この首都東京の行政的医療を目指し、都民、そして東京五輪で海外から東京を訪れる多くの観光客の皆様に、先ほど本部長もおっしゃった、高度な医療水準をもって適切に医療を提供していかねばなりません。
私は、昨年十二月の本会議でも申し上げてきたとおり、都立、公社、各病院の医療機能を今後さらに充実させていくことは不可欠なことであり、重要なことであります。そのためにも、都立病院、公社病院がソフト、ハードの両面からしっかりと医療機能の向上を図っていくことを改めてお願い申し上げ、質問を終わります。
出典:厚生委員会速記録第三号 https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2015-03.html
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