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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

公営企業会計決算特別委員会
公営企業会計決算特別委員会速記録第三号

山加朱美
 私からは、交通局関係についてお尋ねをいたします。
   先般の委員会におきまして、交通局長は、都営交通が置かれた厳しい状況について説明をされました。都においても昨今の財政状態の中で、都営交通の経営基盤の強化は重要な課題の一つであると考えます。
 そのために交通局は、都営交通プラン’97を策定し、実行されてきたと考えますが、平成十二年度はまさにその最終年度ということですので、まず、決算での各事業ごとの収支計画に対する実績を伺います。

寺内交通局長
 平成十二年度におきます計画と実績の比較についてでございますけれども、自動車事業、軌道事業及び電気事業につきましては、計画におきまして経常収支の均衡を目標といたしましたが、決算におきましても目標どおり経常利益を計上することができました。

 地下鉄事業におきましては、計画において浅草線、三田線及び新宿線の営業三線につきましては経常収支の均衡、そしてまた、大江戸線につきましては経常収支の改善を目標といたしましたけれども、決算ではそれぞれ計画をやや下回る経常損失を計上することとなりました。

山加朱美
 今伺いますと、地下鉄事業では目標を大きく下回っているように考えます。

 既に平成十五年度までの新たな計画も策定していると伺っておりますが、その計画の実効性を高めるためにも、目標を達成できなかった要因の分析は重要と考えます。

 今回の決算におきまして、計画との差がどのような要因によるものなのか、事業ごとの評価分析について伺わせてください。

寺内交通局長
 平成十二年度決算におきます財政状況といたしましては、自動車事業及び軌道事業におきましては、社会経済状況の悪化、少子高齢化などのため、乗客数の減少に伴います収入減がありましたが、さらなる経費削減や人件費の縮減、企業債の抑制によります利息の縮減など支出も抑制できまして、経常損益での目標が達成できたところでございます。

 一方、地下鉄事業におきましても、同様の経費削減、人件費の縮減に努めましたが、減価償却費、企業債利息など過去の建設費に由来する固定的な経費が過半を占めており、結果といたしまして目標に及ばなかったものでございます。

山加朱美
 交通局としての努力はわかりますけれども、より一層の経営改善に努めると同時に、乗客サービスの向上を図っていただきまして、やはり財政上運賃面での競争が厳しいのならば、さほどにお金をかけずに取り組めるそんなサービス改善がいっぱいあると思います。

 都民の足としての魅力ある公共交通を担っていくべきであると考えます。
 そこで、次に、都営地下鉄のバリアフリーなどサービス全般について質問をさせていただきます。

 昨年十二月、大江戸線の全線開業によりまして、私の地元練馬区からも都心部へのアクセスが大変便利になりました。新たな住宅や商業ビルなどの建設や大江戸線周辺での地価上昇など、その効果ははかり知れないものがあります。

 また、麻布十番商店街のにぎわいは今も続いていると伺っております。
 開業による地域の活性化が一過性のものでないことを示しております。

 また、最近、都営地下鉄の駅では地上からホームまでをバリアフリーで考えていますと、私も大江戸線に乗りましたときには大変あのポスターが目に入ります。その効果は高く評価をしたいと思います。

 障害のある人にとっては、移動の自由を確保することは就労の機会、そしてその拡大、自立と社会参加にもつながってまいります。
 私は、生涯教育、生涯スポーツと同様に、二十一世紀は一人一人が生涯福祉という言葉を叫ばなければならない時代であると思っております。

 そこで、生涯福祉を宣言し、都政のあらゆる分野におきましてバリアフリーを導入することを目標としておりますが、これまで通勤、通学者中心の地下鉄も、これからは障害のある人や高齢者の利用状況を改めてとらえ直しまして、世界の中の国際都市東京、東京の都営交通、まさにユニバーサルデザインに基づく真のバリアフリーをとらえなければならないと思います。

 本当の意味で、だれもが自由に安心して利用できる交通機関を目指すべきであると考えております。

 これまで述べてきたような考え方に立ちまして、私の経験にも即して幾つかの質問をしたいと思います。

 まず、利用者の立場から感じるのは、開業で便利になった一方で、特に大江戸線での駅の案内がわかりにくいことではないかと思います。情報案内のわかりにくさは、健常者も含めたすべての人にとってのバリアであると思います。この種の配慮を欠くことで、せっかく便利になった大江戸線が十分に活用されなくなる心配もあります。

 一つの例として、車いすを利用した人でもどなたでも移動する負担を軽減するためには、例えば、最初から車両のどの位置に乗れば乗りかえるときに便利か、車両の二両目に乗れば目的地ですぐにエスカレーターがある、エレベーターがある、そんな情報を提供することも重要だと考えております。

こうした利用者にとってのわかりやすい案内についてどのように取り組んでいるのか、伺わせてください。

寺内交通局長
 大江戸線では多くの駅で他線との乗りかえができ、また、各駅には複数の出入り口を設け、お客様の利便を図っておるところでございます。
 しかしながら、乗りかえや出口までさまざまな経路があることで、お客様への案内が複雑になっている側面もございまして、それらをわかりやすく案内することが重要と私どもも十分認識しております。

 乗りかえの案内につきましては、各駅のホームに乗りかえられる路線と乗りかえ位置に近い車両番号を表示するポスターを掲出したり、また、同様の案内を小冊子に掲載いたしまして、お客様への周知を図っているところでございます。今後とも、質と量との両面で案内標示の充実を図るとともに、駅係員の適切な対応によりまして、わかりやすい案内に努めさせていただきます。

山加朱美
 ぜひわかりやすい案内にさらに努めていただきたいと思います。
 また、利用する人は同じ地下鉄である営団にも乗り継ぐ機会が多いわけですから、案内サインの表示方法などについては極力連携を図りながら対応をお願いしたいと思います。

 また、分科会の質疑にもありましたように、IT化の時代でもあり、駅に着いて初めて種々の情報に触れるのではなくて、前もって自宅にいながらにして情報を迅速にアクセスできるように、駅の施設や乗りかえ案内などの情報提供方法については、ホームページの改善を図る必要があるのではないかと思います。

 特に、私は、目のご不自由な視覚障害者のためにホームページなどで音声での案内を設けるなど、その高度化を図るべきと考えておりますが、いかがでしょうか。

寺内交通局長
 だれもが活用できる情報を事前に提供することは、都営地下鉄を多くのお客様にご利用いただくためにも大変重要であると認識してございます。交通局では、これまでもインターネットのホームページなどによります新たな時代に対応した情報提供を行ってまいりましたが、今後ともその充実に努めていきたいと存じております。
 また、視覚障害者のためのホームページの高度化につきましては、技術開発の動向等を十分見きわめながら、今後研究してまいりたいと存じております。

山加朱美
 次に、バリアフリーについて伺います。
 昨年十一月にいわゆる交通バリアフリー法が施行されまして、それぞれの鉄道事業者においてもエレベーターやエスカレーターの整備が急ピッチで進められるようになってまいりました。大江戸線以外の路線ではまだ対応ができていない駅の整備計画を策定いたしまして、できるだけ早期にバリアフリー化を達成していただきたいと考えます。

 その際に、交通局としてバリアフリー化に当たって、まず何を優先して取り組んでいくのかを伺いたいと思います。

 そしてまた、法律でも基本構想を作成するとされる区市町村の積極的な取り組みが重要と思いますが、交通局では地元自治体とどのように連携を図ろうとしているのでしょうか。

寺内交通局長
 交通局におきましては、平成七年三月の東京都福祉のまちづくり条例に基づき、高齢者や障害者を初め、だれもが利用しやすい地下鉄とするため、エレベーター、エスカレーター、点字ブロック、車いす対応トイレ等の整備を進めてまいりました。

 今後は、平成十二年十一月に施行となりました交通バリアフリー法の趣旨を踏まえまして、ホームから地上までエレベーター、またはエスカレーターによりますワンルートの確保を優先して取り組んでいきたいと思っております。

 次に、地元自治体との連携についてでございますけれども、交通バリアフリー法では区市町村が国の基本方針に基づき基本構想を策定し、公共交通事業者等はバリアフリー化のための事業を実施することとなっております。

 現在、新宿区、千代田区、板橋区の三区がバリアフリー基本構想策定のための委員会等を設置いたしまして検討を進めており、交通局は公共交通事業者の立場からここに参画をいたしております。

 今後とも、地元自治体と連携をとりながら、積極的に協力していく所存でございます。

山加朱美
 今、地元自治体との連携、三区の名前が出てまいりましたけれども、大江戸線に関しても都営交通がいわゆる乗り継ぎ及び出口のあるところは三区だけではないと思います。

 やはり交通局は、例えば階段の上までが事業者としてのバリアであり、そして、それから先はそこの地元の自治体である、そこから逆に指示がなければ、こちらは動けないというようなことでは、本当の意味でのバリアを達成できないのではないかと思います。

 まさに地上からホームまでをバリアフリーと考えるならば、その利用者というのはどこからどこまで、一歩入ればここは区の問題であり、ここから先は交通局の問題であると、そのように一つの線で分けられてしまっては移動することができません。

 ぜひこちらからも積極的な自治体への働きかけをお願いしたいと思います。

 そして次に、エレベーターが既に設置されている駅について伺わせていただきます。

 車いすを利用している方は大江戸線では必ずエレベーターを利用することになりますけれども、エレベーターが大変わかりにくい位置にある駅もあります。初めての場合には不便に感じると思いますが、エレベーターを利用しやすくするためには何らかの改善が望まれますが、どのような方法を考えていらっしゃいますでしょうか。

寺内交通局長
 大江戸線では改札口を介しましてエレベーターを乗り継ぐ必要があり、改札階でのエレベーターの位置が離れてわかりにくい駅も確かにございます。その乗り継ぎをわかりやすく案内するために、現在、二駅でエレベーターを乗り継ぐ経路に試行的に誘導のためのラインを引いたところでございます。

 今後とも、駅係員による案内に加え、このラインの計画的な整備に取り組んでまいりたいと思っております。

山加朱美
 次に、エスカレーターについて伺います。
 大江戸線では各階にエスカレーターが整備されておりますけれども、階によっては一基のみで、上りで運転しているケースが多いように感じます。下りのエスカレーターが設置されていない駅が何駅ぐらいあるのか、まず伺います。

 そして、私の経験からも、足のご不自由な方、体の不自由な方はむしろ上りよりも下りの方が必要であると感じる方が多いんですね。

 上りと下りのエスカレーターそれぞれあることが理想的であると思いますが、これはやはり経費もかかることでございます。

 もちろん新たなエスカレーターの設置をしていただくのが一番いいことですけれども、せめてエスカレーターの運転を障害者や、そして高齢者の流動に合わせまして、日中の時間帯など限られた時間でも結構ですけれども、下りを優先させていただくようなことは考えられないでしょうか。

寺内交通局長
 大江戸線では下りエスカレーターが設置されていない駅は十八駅ございます。現状では、ホームにおけるお客様の滞留を迅速に解消するためにもエスカレーターの運転を上りとしておりますけれども、車いすのお客様などが乗車されるときには、エスカレーターの運転を一時的に下りとするなどの対応も図っているところでございます。

 今後とも、お客様への利便性の向上を図るため、その流動の状況を見ながら、エスカレーターの運転方法などにつきましても検討してまいりたいと思っております。

山加朱美
 次に、点字ブロックについて伺わせていただきたいと思います。
 都営地下鉄では点字ブロックはほぼ一〇〇%と伺っております。しかし、この都庁の駅前でも点字ブロックはありましたけれども、以前色が黄色ではなく、後から塗りかえたと伺っております。つまり点字ブロックが一〇〇%整っておりましても、色や形状の統一化は一体どうなっているのだろうか。

 ことしの九月二十日だったと思いますが、全国的に三十センチ四方の中に位置をあらわす丸いブロックは二十五、そして方向をあらわす四角のブロックは四つと統一化がされたと聞いております。

 ただ、そこには色の統一化は含まれていないのでありますけれども、やはり弱視の方を含めまして、色を黄色に統一していただくことは、これは都内だけではなく日本全体、世界の中でも必要なことであると、私はそれがユニバーサルデザインに基づくバリアフリーづくりであると思っております。

 やはり美観を損なう、そして町にそぐわないからビルの色と同じ色に点字ブロックをするというような意見もございますけれども、やはり都営交通、積極的に色や形状の統一化を図っていただきたいなと思っております。

 その辺いかがでしょうか。

寺内交通局長
 交通局では点字ブロックの敷設に際しまして、できる限り視覚障害者団体の意見を取り入れながら、東京都福祉のまちづくり条例の施設整備マニュアルに沿った整備を行ってきましたが、本年の九月には点字ブロックの形状等に関しますJIS規格が定められました。

 今後は、この改修等の際にJIS規格に沿った点字ブロックの敷設を行ってまいりますので、都営地下鉄を初めとする各鉄道事業者で統一化が図られることになることと思っております。

山加朱美
 点字ブロックは視覚障害者を安全に誘導する道しるべであること、命の綱であるともいえますけれども、視覚障害者だけでなく、やはり健常者が点字ブロックを認識しなければ、例えば駅の上に行きますと点字ブロックの上に平気で自転車が置いてあったり、それからまた、駅の中でも、そこの上で混雑しているときにスムーズに歩けなかったりいたします。

 ですから、点字ブロックだとはっきりわかるということは、視覚障害者だけの問題ではなく、啓発の意味でも健常者にも理解を求めること、その意味でも、私は都営交通の点字ブロックの統一化はぜひとも必要であると考えております。

 そして、こうした高齢者が階段をおりるときのつらさ、視覚障害者が白杖のつえ、点字ブロックを頼りに移動する苦労などは、当事者本人でないとわからないこともあります。もちろん人間は、だれもが生涯健康でけがもなく過ごせれば、それが一番いいわけでございますけれども、いつ何どき事故に遭うかもわかりません。

 あすは我が身の中で、やはり私は、この都営交通が本当の意味でのバリアフリー、そして高度な福祉改革を図ろうとするならば、まずそれを実践、実行される局長以下、擬似体験が必要だと思っておりますけれども、今までそのような擬似体験の経験をなさったことがあるかどうか、そして今までもしなさったとしたら、どのような擬似体験を行ったかをちょっと聞かせていただけないでしょうか。

寺内交通局長
 最初に私自身の経験ということでございましょうか。
 私どもでは、二年ほど前になりますでしょうか、実際に私自身が、営業しているバスに乗っておったわけではございませんけれども、研修の一つとしまして、都庁舎の脇にバスを持ってきまして、そのときに私自身も眼鏡ですか、ちょっと見えにくいような眼鏡と、それから足が不自由になるブロックですね、それをつけまして、そして階段の上りおりとバスの乗りおり、そういう経験はさせていただきました。

 そしてもう一つ、これは私自身の私的なことかもしれませんけれども、実は私も、これは病気ではないんですけれども、アキレス腱を切りまして、実際に大変歩けなかったということがあります。

 通勤するときに私自身も、これは一カ月ほどだったと思いますけれども、つえをつきながらラッシュの時間帯にそういった経験もしております。

 ですから、それがすべてわかっているということではございませんけれども、私的なことで大変恐縮なんですが、私自身もそういったことをやらせていただきました。

 それからもう一つのご質問でございますけれども、体力、運動機能、あるいは視力等の弱ってきている方々の立場に立てるよう、先ほどの眼鏡とか、あるいは固定ベルトなどを身につけまして、階段での歩行、あるいは電車、バスの乗りおりを職員に体験させる研修を行ってまいりました。

 今後の取り組みにつきましては、今まではバス乗務員あるいは駅職員等、お客様に接する第一線職員を対象に研修を行ってきたが、さらに受講対象者を拡大するとともに、研修内容につきましても工夫を凝らしてまいりたいと思っております。

山加朱美
 今、交通局でも一部の研修に、例えば階段をおもりをつけて歩いたり、ゴーグルをつけて目の不自由さを確認したりという、その擬似体験があるということを伺いました。けれども、やはり体が不自由になりますと、例えば狭い部屋の中で何も障害物のない平らなところで擬似体験をしても、それは私は何の役にも立たないと思っております。

 やらないよりはあった方がいいわけでありますけれども、でも体が不自由になりますと、家を出てから目的地にたどり着くまで平らなところばかりを歩くわけではありません。

 石ころもありますし、また、晴れている日ばかりではありません。
 雨が降りますと、つえをついてもゴムが滑って転ぶこともあります。
 子どもが途中から出てきてつまずくこともございます。
 いろいろな障害物があり、そしてまた、車いすといえども山があったり谷があったり、大きな差でないかもしれないけれども、石ころがあって、それによって車いすの車輪が傾くというようなこともございます。

 ぜひ当事者の立場に立った目線でバリアフリーを考えていただくためにも、鉄道に限らず線路や駅前広場など駅と連携している場所での擬似体験もしていただきたいと思いますし、できれば幹部の皆様方が--私はきょう答弁の中で、家からここの都庁まで一度くらいは擬似体験をしている方がいらっしゃると思っておりました。

 自分が体験をせずにして、やはり机の上だけでの、机上でのバリアフリーづくりは、私はそれはちょっと違うのではないかと思います。

 これは決してお金のかかることではございません。
 ぜひ全職員が、私は、ちょっと朝二時間早く起きて、家から都庁まで車いすで来いとはいいませんけれども、やはりアイマスクをかけてここに来ると、目が不自由になったらどんなふうに感じるのだろうか。

 その中で今まで点字ブロックにしても、やはり点字ブロックというのは駅で見ますと、体のご不自由な方は最短距離で目的地までたどり着きたいものでございますけれども、健常者と比べますと、健常者よりも回り道をして、たくさん歩いて時間をかけて目的地までたどり着かなければならないような場合がございます。

 何がバリアフリーなんだろうか、何がユニバーサルデザインに基づくバリアフリーなのか。心一つでできることはたくさんあると思います。

 お金をかけずにできることはないだろうか、もう一度基本から考えていただけないでしょうか。ぜひ職員の皆さんすべてが研修の機会を持っていただけるようにお願いをしたいと思います。

 そして、私は長らく盲導犬の啓発を行ってまいりました。
 盲導犬については昭和五十三年、道路交通関係法令の一部改正によりまして、全国の盲導犬協会連合会に登録され、白もしくは黄色のハーネスという引き具につながれていて、そしてきちんと訓練をされた人と、そして訓練をされた犬がともに歩いているとき、あれを盲導犬というのですけれども、鉄道の利用が認められるようになりました。

 これからも都営地下鉄をだれもが使えるようになるよう、この趣旨、盲導犬と一緒の人が歩いていたときも犬はだめだよといわれることのないよう、職員の皆様にその徹底をしていただきますよう要望させていただきます。

 そしてさらに、大江戸線は後発の路線であるがゆえに地下が大変深く、ホームから地上までの移動の距離が長いです。ホームから地上の出口、あるいは他線との乗りかえの改札口まで、駅によっては相当な距離を歩かなければなりません。

 健常者でも移動するだけで疲れてしまうような駅の構内に、高齢者などが疲れたときにちょっと一息できるような場所の確保ができないか、例えばちょっとしたいすを設けるとか、そんなこともあわせて要望させていただきたいと思います。

 これまでの質疑で、都営地下鉄として現状でもさまざまなサービスの向上に取り組んでいることを伺いました。とりわけ大江戸線ではだれもが利用できる交通機関の理念に一歩近づいておりまして、お話ししたような改善にも着手をいただき、より充実したものになることを期待いたします。

 そして、さきの分科会でも、交通局では局長を先頭に企業、学校などを訪問し、目標を少しでも早く達成できるように増客対策に取り組んでいただき、そしてその意を強くいたしました。引き続き、ご努力をお願いしたいと思います。

 そして同時に、効率的かつ効果的な経営に努め、安全な運行のもとで、都営地下鉄のセールスポイントはバリアフリーである、世界一であるといい切れるよう取り組みを強化していただきたいと申し上げ、私の質問を終わります。
 ありがとうございます。

出典:公営企業会計決算特別委員会速記録第三号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/municipal-utility-account/fy2000-11.html


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