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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

各会計決算特別委員会
各会計決算特別委員会第一分科会第四号

山加朱美
 ただいまから平成十五年度各会計決算特別委員会第一分科会を開会いたします。
 本日は、警視庁、東京消防庁及び財務局関係の決算に対する質疑を行います。
よろしくお願いをいたします。

これより警視庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十五年度東京都一般会計決算中、警視庁所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。

発言を願います。
   〔「なし」と呼ぶ者あり〕
発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ございませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で警視庁関係を終わります。 

これより東京消防庁関係に入ります。
決算の審査を行います。
平成十五年度東京都一般会計決算中、東京消防庁所管分を議題といたします。
本件につきましては、既に説明を聴取しておりますので、直ちに質疑を行います。
発言を願います。

松村委員
二、三伺わせていただきます。
 まず、端的にお聞きしますけれども、阪神・淡路大震災以降、地域の住民が活用できる救助資器材、バールやのこぎりとか、そういう整備状況がどうなっているのか、そしてその配置状況はどうかをまずお聞きいたします。 小林防災部長
東京消防庁では、地域の住民と一体となった救助活動を行うため、チェーンソー、大型バール、のこぎり等の救助資器材のセットを合計千二百七十九組整備し、全消防署所及び特別区の消防団分団施設に配置しております。 松村委員
その目標というか、阪神・淡路大震災以降、徐々に充実整備してきたというふうに思うんですけれども、最終というか、どのぐらいあれば救助資器材などが充足されるというふうにお考えなんでしょうか。 小林防災部長
現在の整備基数で一応の整備は充足しているというふうに私どもは考えております。 松村委員
 非常に大変な財政の中で努力されているというふうに思いますし、確かにあればあるほどこしたことはないというふうに思うんですけれども、一番大事なのは、そういう救助資器材などが本当に生かせるのかどうか、生かす体制の問題もあわせて重要だということだと思います。

 生かせるかどうかというのは、地震、大震災は、自然災害は避けられませんけれども、起きた震災に対して、いかに災害を少なくするか、人命の救助とか財産の損害を少なくするかということが、ことしの防災白書の中でも、初めて減災という考え方が位置づけられたということで、大変マスコミでも取り上げられ、注目されているところじゃないかというふうに思うんです。

 そこで、私、ある専門家の方とお話しする機会があったときに、例えば、震度七とか予想される直下型や地震の被害想定をまずしっかりすることだと。

しかもそれは、被害というのはそれぞれの地域地域によって違うと思います。
ですから、例えば大洪水、ことしは非常に台風が来て、水害、都内で幾つもこの直近の台風でも出ていると思いますけれども、そういう水害などに対しては、洪水ハザードマップですか、これは東京都が音頭を取ってというか指導のもとに、各区市町村が東京都の一定の想定の雨量、時間雨量に対して、各地域の河川がはんらんし、その地域にどういう被害をもたらすかというハザードマップ、これが今それぞれの自治体で取り組まれておりますけれども、同じように、震災ハザードマップというようなものがやはり必要なんではないかという専門家の意見もあります。

 今大地震が発生した場合に、東京においては、被害を予測するようなそういうシステムができているんでしょうか。あるのであれば、消防庁、特に防災機関の重要な柱であり、あわせて第一線の機関があると思いますので、どのようにそれが活用されているのかをお答えいただきたいと思います。

小林防災部長
 東京消防庁では、平成七年度に地震被害予測システムを導入し、運用しているところであります。

 本システムは、大地震発生時に、都内各地の震度分布を初め、火災や人命危険などの被害の大きい地域をいち早く予測し、迅速かつ効率的な消防活動に活用するものであります。

 また、平常時に震災訓練等に活用しているほか、本システムの予測結果をもとに、都民に対しましても、地域の危険性、さらには防災対策の重要性を訴えるなど、防災意識の啓発に役立てております。

松村委員
 都民、住民組織も、自分たちの地域にこういう直下型地震が起きたら、どういう被害が実際現状で起きるのかということは、なかなか意識されていないというふうに思うんですよね。

自分の家は大丈夫だろうとかというような意識が大半じゃないかというふうに思いますし、今ご答弁があったとおり、平成七年度に地震被害予測システムを導入して運用しているんだということでありますから、刻々変化するというか、そういう各地域の状況もつかみながら、それをきちっとより精度の高いものにしていく、同時に、火災や人命危険の被害の大きい地域をいち早く予測して、今ある、限りある消防力を投入するということは非常に大事だと思うんですよね。

 同時に、やはりそれぞれの初動体制においては、起きた地震にまずその地域の方々──隣近所だとか、住民とか、大きくなれば市民消火隊とか、あと中核になるのは消防団ですよね。

そういう方々が、一たん起きた震災に対して、この地域ではどういう被害が起きるのかということを予測していれば、どこで何をやるか、人命救助するためには何を活用することができるのかと。

例えば、この地域には高齢者がたくさんいるとか、養護施設だとか老人施設がある、そういう方々はじゃどうするのかとなったら、その地域にはより多くのリヤカーだとか、そういうものが配置されれば、市民が駆けつけて、日常からそういうところをこの地域ではまず救命するのが大事だと。

または木造密集地域で火災が出やすいという形には、消火器がたくさんあれば、だれでもとにかく自分の家だけじゃなくて直ちに駆けつけてやるとか、そういうふうに、冒頭、今の基準というか、大体充足されていると。

 それがだからどうその地域で生かせるか。
また、生かす、そういう人的というか物がどれだけあるのか。
その地域は若者がいるから、もっとそういうことができると。

ここはいないからじゃだれに頼るのかというようなことまで、私はそういうレベルまでおろしながら、そして、そういう取り組みが非常に必要ではないかというふうに思うんですけれども、今いったような観点で一層の都民に対する防災指導などが大事だと思いますけれども、そういう点においてはいかがでしょうか。

浅野指導広報部長
 直下地震の被害を軽減するためには、みずからの命はみずからが守るという都民の防災意識と実践的な防災行動力を高めることが必要であります。  このため、東京消防庁では、地震や消火、避難、応急救護等を体験できる施設、資機材を整備いたしますとともに、これらの体験学習を通して防災意識の向上に当たっております。
 また、消防団や防災関係機関とも連携し、町会、自治会、防災市民組織、事業所などを対象に、初動措置、消火、救出救助、避難等、地域特性に応じた実践的な防災訓練を積極的に推進しております。

松村委員
 防災訓練等も非常に行われて、取り組みは進んでいるというふうに思いますけれども、今私が述べたように、そういう地域にというか、どういう被害想定が行われるのかということを、もっと住民レベルまで日常的に意識されるような形になり、そして今いった自分たちの町は自分たちで本当に守ろうとか、そういう意識のもとに、じゃ自分たちは何ができるのか。

 今は、パターン化じゃありませんが、一応の救助資材だとか出されておりますけれども、それで足りるのか、さらに、もっと必要だというふうに、みずからが、我々はこれだけのことをやる、この地域ではこれだけのことができる、こういう特徴があるんだと、そのためにはどういう資器材や装備が必要なのかと。

 そういうレベルまで、そういう方々が要求を出して、それに我々行政がこたえるというのが本当に生きた形になるし、もちろんそれを直接指導というか、その中に入って地元自治体などと一緒になってそういうのを養成するというか、日常ふだんからやっておけば、本当にいつ起きるかわかりませんし、必ずやってくるというその場合に、どれだけ本当に初動体制を住民の力によって発揮できるかということになれば、私は今ある消防庁のあれが、もっと危険度の高いところに思い切って投入できますし、という点からも──私、専門家から教えられたんですけれども、神戸を実際に見て、あれだけの命が失われたと。しかし、そこで人命が助かったのは、そういう地域のコミュニティができてたからだ、もっとそこにいろんな資器材が活用できたら、もっと人命の被害を少なくすることができるんだと。ぜひ東京でもその教訓を生かしながら、一定努力されていろんな資器材だとか初動体制だとか訓練とかやっているでしょうけれども、本当にそれが日常ふだん生きたものになるような取り組みという、逆に私、何かハッパかけられたというか、指導を受けて、非常に大事な点だというふうに思いました。

 そういう点も生かしながら、私たちとしても、消防庁のさまざまな現場に基づく要望については、本当に超党派的にも受けとめて応援していきたいというふうに思いますから、今のあれ、ぜひ具体的に何か一つの教訓として生かしていただきたいというふうに思いまして、質問を終わります。

山加朱美
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。

   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 

異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
 以上で東京消防庁関係を終わります。 

これより財務局関係に入ります。
 決算の審査を行います。
 平成十五年度東京都一般会計決算中、財務局所管分、平成十五年度東京都用地会計決算及び平成十五年度東京都公債費会計決算を一括して議題といたします。

 本件につきましては、既に説明を聴取しております。
その際要求いたしました資料は、お手元に配布してあります。
資料について理事者の説明を求めます。

臼井経理部長
 それでは、私の方から、先日の委員会におきまして要求をいただきました資料についてご説明を申し上げます。

 恐れ入ります、お手元配布の平成十五年度各会計決算特別委員会第一分科会要求資料をごらんください。
 最初に表紙をおめくりください。今回要求いただきました資料は、目次に記載してますように、四件でございます。

 一枚おめくりいただきまして、要求資料第1号、中小企業受注実績、十年間でございます。
これは、工事関係と物品関係の中小企業受注実績を過去十年間分集計したものでございます。
表一番下の平成十五年度で見ますと、工事関係の中小企業比率は、件数にして八五・四%、金額で五〇・五%となっております。
また、物品関係の同比率は、件数にして八五・九%、金額で六二・二%となっております。

 次に、恐れ入りますが、二ページをお開きいただきたいと思います。
要求資料第2号、平成十五年度中小企業受注実績、局別でございます。
表にございますとおり、工事関係と物品関係の受注実績につきまして、それぞれ各局別に件数と金額をお示ししたものでございます。区分といたしましては、全企業と中小企業に分けてお示しをしております。

 次に、三ページをお開き願います。
要求資料第3号、一般会計の当初予算額と補正予算額の推移でございます。 平成六年度から十五年度までの一般会計の当初予算額及び補正予算額と十六年度の当初予算額をお示ししております。

 最後のページ、四ページをお開き願います。
要求資料第4号、都債償還額及び減債基金残高の推移、一般会計でございます。
平成九年度から十五年度までは決算ベース、十六年度は予算ベースとなっております。
 なお、平成十七年度及び十八年度は推計値でございまして、表の下の注1にもございますように、十七年度以降の起債額を三千五百億といたしまして、減債基金への所要の額、全額を積み立てるものとして試算したものでございます。

 説明は以上でございます。よろしくご審議のほどお願い申し上げます。

山加朱美
 説明は終わりました。
 ただいまの資料を含め、これより本件に対する質疑を行います。
 発言を願います。

串田委員
 私は、財政運営についてお聞きしたいと思います。

 平成十五年度は第一次財政再建推進プランの最終年度であり、財政再建に関しては一つの区切りの年度と位置づけることができると考えます。そこで、これまでの財政再建の歩みを振り返るとともに、今後の財政運営の課題について議論をしていきたいと思います。

 さて、平成十一年度の都政のかじ取りを担うことになった石原知事は、スタート当初からあらしの真っただ中で、まさに沈没しかかった船を必死に立て直すべく、非常に厳しい取り組みを行わなければならなかったことは、皆さんも記憶に新しいと思います。

 そこで、まず、財政再建推進プランを策定した年であり、石原都政一年目の平成十一年度決算はどのような状況にあったのか、お伺いします。

熊野主計部長
 平成十一年度の普通会計決算を申し上げますと、その前の年、前年度に記録いたしました都政史上最大の一千六十八億という赤字をほとんど解消することができないまま、実質収支は八百八十一億円の大幅な赤字となっております。

 しかも、この赤字は、他会計からの借り入れ、あるいは退職手当債の発行など、臨時的な財源対策を講じ、赤字額の圧縮に努めた上での結果でございます。

仮に、そうした手だてを講じなかった場合の実質的な赤字は、財政再建団体へ転落する赤字限度額、三千三十八億をはるかに上回るものとなっておりました。
 また、経常収支比率を見てみますと、一〇四・一%ということで、昭和五十三年度以来二十一年ぶりに一〇〇%を超えまして、税収などの経常的な収入だけでは、人件費などの経常的な支出を賄えないという極めて硬直的な状況となっております。

 以上申し上げましたように、十一年度の決算、非常に深刻な財政危機の真っただ中にあったといえると思っております。

串田委員
 平成十一年度の当時を振り返ると、お話しの経常収支比率は、昭和五十三年度以来の悪い状態だということであります。
昭和五十三年度とは、放漫財政を続けた美濃部都政末期のときでもあり、改めて本当に大変な事態であったと感じます。まさに財政再建団体に転落するという、地方自治体にとっては破産宣告にも等しい状況に陥る寸前であったことと思います。

 このような状況下、石原知事は、財政再建推進プランを作成し、知事みずからが先頭に立って財政再建の取り組みを進めてきました。
この間、すべての施策について洗い出し、不要不急の事業については取りやめるなど、施策の見直しを行ったり、税の徴収率を引き上げるなど、歳入確保に取り組み、さらに職員定数の削減、そして職員だけではなく、我々議員も給与カットを行うなど、まさに都民、都議会を挙げて都政の健全化に努めてまいりました。

 そこで、財政再建推進プランの取り組みがどのように実を結んだのか。平成十五年度決算と十一年度決算とを比較して、都財政がどのように改善したのかを伺います。

熊野主計部長
 副委員長ご指摘のように、都は未曾有の危機に直面しておりました。この間、議会のご協力もいただきながら、全庁を挙げて財政再建推進プランに取り組んできたところでございます。

 お尋ねの、プランの取り組み結果を決算対比から見てみますと、まず、経常収支比率につきましては、十一年度一〇四・一でございましたが、十五年度は九七・九ということで、六・二ポイント改善してございます。

それから実質収支につきましては、八百八十一億円の赤字から、四百四十九億円ということで、約四百三十億円改善いたしまして、半減したということで、一定の改善が見られているというふうに思っております。

 総じて申し上げれば、都財政はこの間の取り組みによって一定の成果を上げて、瀕死の状態からは脱することができたと思っておりますが、十五年度におきましても、六年連続で赤字決算が続いていること、また、一兆円を超える巨額の隠れ借金を抱えるなど、依然として厳しい状況にあると考えております。残念ながら、財政再建はまだ途半ばであるといわざるを得ないと思います。 串田委員
 経常収支比率が持ち直し、実質収支の赤字額も半減するなど、沈没寸前の状態から辛うじて持ち直したというのが率直な印象であります。しかし、改善したとはいえ、実質収支は巨額な赤字が続いており、順風満帆な航海には、いまだにほど遠い状態が続いている事実もあります。

だからこそ、最初のプランに引き続き、現在、第二次財政再建推進プランに取り組んでいるところなのでしょう。

これまでの血のにじむような取り組みを今後につなげ、都財政を強固で弾力的なものにしていかなければならないと思います。

 そのためには今何をしなければならないのか、十五年度決算を踏まえて、財政健全化のための課題は何だとお考えか、お伺いいたします。

熊野主計部長
 先ほど答弁申し上げましたとおり、十五年度決算を見てみますと、改善されたとはいえ、経常収支比率はいまだ九七・九という高い水準にございます。また、実質収支の赤字も続いております。

さらに、隠れ借金は一兆円を超える水準となっているほか、財源として活用可能な基金の残高は、わずか千四百三十六億円にとどまっているという状況にございます。
 これまでの努力が成果を上げて、改善に向かっているということは間違いないと考えておりますけれども、それでもなお、当面厳しい財政運営を強いられるというのが実感でございます。

したがいまして、今後も、これまでの努力を踏まえつつ、第二次財政再建推進プランの目標達成に向けまして、財政構造改革を着実に進めていかなければならないと考えております。

 具体的に申し上げれば、一つは、まず収支の改善で、実質収支を黒字化すること、それから二つ目が、財政の弾力性の回復ということで、経常収支比率のさらなる改善、さらに三つ目としまして、負の遺産の解消、いわゆる隠れ借金の解消に向けた取り組みを強化していくこと、さらに将来の備えと申しますか、財政規模に応じた基金残高の確保といった課題があると考えております。

串田委員
ぜひとも頑張っていただきたいと思います。
 ところで、都政には、中小企業対策や都市再生事業を初めとして、積極的に取り組まなければならない課題が山積しております。
財政再建を理由として事業展開を萎縮させ、これらの課題への取り組みが後手に回るようなことがあってはならないということはいうまでもありません。

財政の健全化の目標は、単に財政収支を均衡させ、目前にある赤字を解消することではありません。新たな課題に対しても、柔軟に対応できる財政力をつけることこそが目的なのであります。

 そのためには、安定的な税収を生み出す苗を植えていくことも重要であります。
そういう意味で、東京を再生させ、また地域を活性化させる社会資本の整備をきちっと行うことも忘れてはなりません。社会資本の整備では、都債の活用が重要なポイントになるのではないかと考えます。

 そこで、十五年度決算において、都債の発行残高及び起債依存度はどのような状況であるか、また、その数値は他の地方自治体と比較した場合、どのように評価されるのか伺います。

熊野主計部長
NTT債を除いたベースで申し上げます。平成十五年度の一般会計決算におけます都債発行額は、四千三百七十一億円でございます。

また、都債残高は、六兆八千二百四十七億円となっております。
 起債依存度について、他の自治体との比較の観点から申し上げますと、東京都の場合は、十五年度の普通会計決算で起債依存度が七・四%でございますが、他の道府県は、速報値で比較してみますと、軒並み一〇%を超えておりまして、東京都は都道府県の中で最も低い水準である。

また、具体的に数値を申し上げますと、都道府県の平均が一五・四ということでございますので、それと比べると半分以下になっているという極めて健全な状況にあると考えております。

串田委員
他の地方公共団体と比較しても、都の起債依存度は低い数値を保っております。
これは、景気の低迷により全国的に税収が減少する中、都が他団体に先駆けて財政再建にいち早く取り組み、税収の不足分をむやみに起債を発行して補うようなことをしなかった成果であると評価しております。

 今後、少子高齢化が進み、生産人口が減少することが予想される中、我々の次の世代に過大な負担を残すことがあってはなりません。赤字国債をむやみやたらと発行しているにもかかわらず、その解消の道筋を示すことをしない国のような無責任なことは決して行うべきではありません。

 ただ、そうはいっても、起債には、現在の納税者と将来の納税者の間の負担の均衡化を図るという重要な機能があることは忘れてはなりません。そのバランスがまさに財政運営のかじ取り、すなわち、腕の見せどころということになるのだと思います。

 そこで、最後に、将来世代の負担を考慮しつつ、都債を活用するということについてどのように考えているのか、お伺いいたします。

熊野主計部長
 都債につきましては、当該年度の財源不足を補うという機能を持っておりますけれども、それと同時に、お話しのように、東京の活力を維持、発展していくために必要な社会資本整備を着実に進めていくに当たりまして、世代間の負担の均衡を図るという観点から、財政運営上重要な役割を果たしているものと認識してございます。

 今後とも、都市基盤の整備あるいは都民生活に密接に関連する事業について、優先度を峻別しながら、重点化を図った上で、真に必要な事業に対しましては都債を適切に活用していきたいと思います。

 また、その際、発行規模につきましては、ご指摘のように、将来世代の負担が過度なものとならないように抑制を基調としつつも、その時々の税収を含めた都財政の状況、特に今で申し上げれば、途半ばである財政再建の状況あるいは投資的経費の水準やバランス、そういったものを総合的かつ弾力的に考えていくことが必要であると考えております。

串田委員
 今のご答弁にもありましたが、財政再建は途半ばであります。

まさにそのとおりだと思います。一日も早く都財政を正常化するためには、第二次財政再建推進プランに着実に取り組んでいくというこれからの取り組みが重要となります。今後の課題についてはいろいろありますが、それは財務局だけの問題でなく、全局にわたることでもありますので、全局質疑においても改めて取り上げさせていただき、論議を深めたいと思います。
 財政運営に当たっては、長期的な展望が必要であり、内部努力や施策の見直しを不断に行いながら、都民の期待に積極的にこたえられる政策展開を行うことを強く要望して、質問を終わります。

富田委員
>私は、公共工事にかかわる入札の関係について、少しお伺いをさせていただきたいというふうに思っております。

 今回の決算書の中には、庁舎の維持補修など、工事費関連の決算状況が示されておりますが、財務局は、こうした局独自の契約にとどまらずに、知事部局全体の契約を担当しておりますので、工事にかかわる問題について質問をさせていただきたいと思っております。

 具体的には、くじ引きによる落札についてであります。都は、公共工事発注の透明性を確保するため、発注工事の予定価格を事前に公表しており、最低制限価格が適用される工事については、くじ引きで落札者が決められるケースがふえていると聞いております。

 そこで、まず、くじ引きの原因の一つともなっていると考えられる最低制限価格の設定について、改めてその趣旨をお伺いさせていただきます。

山本契約調整担当部長
自治体の契約は、経済性の原則に基づき、競争入札により、予定価格の範囲内で最低の札を入れた者と契約をするのが原則となっております。

 しかし、落札となる入札価格が不当に低い場合、契約の履行が十分に行われず、品質の確保ができないなど、不測の損害が発生するおそれがございます。そこで、例外的措置として、原状回復が難しい工事などの請負契約に限りまして、あらかじめ最低制限価格を設定し、それよりも低い金額で入札したものを排除することにいたしております。

富田委員
次に、予定価格が公表されて以来、工事案件におけるくじ引き件数はどのようになっているのでしょうか。くじ引きの占める割合も含めてお伺いをいたします。

山本契約調整担当部長
都では、平成十四年四月以降、予定価格二百五十万円以上の工事案件につきまして、予定価格を入札前に公表しております。
財務局における契約のくじ引き件数は、公表前の十三年度が六件、公表後の十四年度が二百二十一件、十五年度が百九十一件となっており、工事契約の総件数に占める比率は、十三年度が〇・七%、十四年度は二六・一%、十五年度は二三・八%でございます。

富田委員
くじ引きの件数がふえていることが確認できたわけでございますが、建築、土木、そして設備工事おのおのの種類別の状況はどのようになっているのでしょうか、お伺いいたします。

山本契約調整担当部長
十五年度にくじ引きのありました百九十一件について見ますと、建築工事が二十八件、土木工事が十三件、設備工事が百五十件となっております。 同じ種類の工事契約に占めるくじ引きの比率は、建築工事が二一%、土木工事が三・九%、設備工事が四四%という状況でございます。
十四年度のくじ引き二百二十一件ございますけれども、これも同じような傾向が見受けられます。

富田委員
ただいまのお答えから、設備工事にくじ引きが集中していることがわかりました。このようなくじ引きが急増しているこの現象について、どのような背景があると認識されているのか、お伺いいたします。

山本契約調整担当部長
くじ引きの急増につきましては、まず、予定価格の事前公表により、最低制限価格の推測が容易になったことが一因と考えられます。さらに大きな要因といたしましては、建築、建設業界を覆う不況と公共工事の減少の中で、入札参加者がより厳しい受注競争に置かれていることがあると認識しております。

富田委員
事業者の中には、努力して積算してもくじ引きになってしまうと嘆く方もおります。くじ引きは適正に積算する意欲を失わせることにもなりかねないと思いますが、契約方法としては問題ないと考えているのかどうか、お伺いをさせていただきます。

山本契約調整担当部長
 くじ引きによる落札は、現行法制度上、複数企業が同額で応札した場合、くじ引きで落札者を定めなければならないと規定されておりまして、公正な入札結果と考えております。

 積算意欲を失わせないことにならないかという点につきましては、都は、発注工事の内容に即した適切な積算を促すため、入札参加者全員に積算の内訳書の持参を義務づけ、最低価格提示者にはその提示を求めております。

 また、くじ引きの場合にも、くじ引きの対象者全員に対しまして、積算内訳書の提示を求め、内容を調査し、積算が適切に行われているかどうかを確認しております。

 しかしながら、ただいまのご指摘にありましたとおり、くじ引きの件数の増加が応札企業の適切な積算努力に影響を与えるおそれがあることについては問題と認識しており、価格だけでなく、企業の技術力などについてもあわせて評価する、総合的評価の手法を用いた簡易な制度についてただいま検討を進めているところでございます。

富田委員
ぜひとも、積算の確認を徹底していただきたいというふうに思います。 いずれにしても、最大の問題は、施工工事の品質を確保することにあると思います。
公共工事は、都民が将来にわたって利用する社会資本の整備であることから、このことは十分注意する必要があります。

くじ引き件数の増加は、発注工事の内容を十分把握しないで積算し、結果として無理な受注につながり、施工工事の品質にも影響を及ぼすおそれがあります。

 都として、施工工事の品質管理に十分に取り組んでいるのか、お伺いをいたします。

山本契約調整担当部長
 お話しのとおり、公共工事は社会資本を整備するものであり、くじ引きかどうかにかかわらず、施工工事の品質を確保することは極めて重要と考えております。
 このため、都は、平成十五年度から、工事成績評定制度の活用を積極的に図り、施工の取り組みが一定レベル以下の企業に対して指名停止措置を講じる一方、優良企業に対しましては、優先指名の権利を付与することなどを行っております。
 今後とも、これらの施策を進めることによりまして、不良不適格企業を排除するとともに、優良施工のインセンティブを図ることで、より良質な施工の確保に努めてまいります。

富田委員
公共工事にかかわる入札、特にくじ引きで落札者が決められるケースについてお伺いをさせていただきました。

 入札参加者の中には、積算を誠実にするよりも、くじ運の強い社員を雇うことが重要だという声があることも否めません。
さりとて、公正で透明性の高い入札を進めるために、現在これにかわる決定打があるというわけでもありません。

財務局として問題点を認識した上で、価格だけでなく、企業の技術力なども評価する総合的評価の手法を用いた簡易な制度を検討していると答弁をいただきました。
これに期待するところは非常に大きいかというふうに思います。

 ぜひとも入札者の理解と納得が得られるものとするよう、努力をしていただきたいということを要請し、私の質問を終わります。

松村委員
 質問させていただきます。
 二〇〇三年、平成十五年度決算は、六年連続の赤字だと「今後の地方財政を考える」の冊子の中でも、一般会計決算実質収支の推移の表を載せています。

そこで、決算書を見ますと、収入済額から支出済額を差し引いた剰余金、さらにそこから繰越額を引いても、なおかつ十五億円余の黒字になっております。

にもかかわらず赤字だというのは、繰越明許や事故繰越以外にも繰越額があり、これを差し引くと赤字だとの説明がありました。

 そこで、その繰越額と内訳を十年間分資料として出していただきたく要求しました。委員会の資料要求となりましたが、出納長室は財務局から出していただくということだったので、本日まで待ちましたが、提出されていません。

きょう委員会に配布されたこの資料要求にもそれが見当たらないんです。何か局同士の手違いがあったようですが、いずれにしても大事な資料ですので、引き続きお願いしておきたいと思います。

 そこで、本日の質疑では、今の点をわかる範囲でお答えいただきたいというふうに思います。
 まず、財務局が発行した冊子、平成十六年度予算概要、このページ、一〇八、一〇九、ここに一般会計の歳計収支累計比較というのが載っております。
これは十四年度の決算分まで金額が入っておりますが、十五年度が入っておりませんので、まず、この一番下段の15のところの金額をお示しください。

熊野主計部長
まず、十五年度の収支差額は、五十二億円の黒字でございます。そこから支払い繰り延べ事業繰越、いわゆる翌年度へ繰り越すべき一般財源、これが四百七十七億円ございますので、差引純剰余金、これは、普通会計の考え方によりまして算出いたしました一般会計の実質収支でございますが、四百二十五億円の赤字となっております。 松村委員
今ちょっと非常に大づかみなあれですけれども、私、この予算概要、一〇八、一〇九と示しましたけれども、この下段に傍線が引っ張って──もちろんこれまだ決算が出てないときですから、この数字をちょっといっていただきたいということをあらかじめお願いしてあったし、今その答弁を求めたんですけれども……。

熊野主計部長
済みません。十五年度、まず収入済額五兆九千九百十一億円、それから支出済額五兆九千七百十九億円、差引額百九十二億、翌年度繰越額の金額が五百八十九億、そのうち一般財源百四十億、収支残金五十二億、それから必要一般財源四百七十七億、差引純剰余金四百二十五億の赤、こういう数字になっております。

松村委員
 結局、今の数字を入れたこの表からも、平成十五年度の実質収支は五十一億九千万余円の黒字なのに、決算会計上義務づけられていない支払い繰り延べなどの繰越額を差し引けば赤字だ、四百二十五億だ、これで六年連続赤字だということですけれども、では、この繰越額の内訳を一千億円余に膨れ上がった平成十年度から示してください。

 これも、この予算概要、皆さん、きょう残念ながら手元にないので、ちょっと大変お聞きづらいというふうに思いますけれども、この予算概要には、昭和四十五年から今いった数字がずっと貴重な資料として載っているんです。収入済額、支出済額を引いて、どのぐらいの剰余金が出るのか。

それに対して繰越明許とか事故繰越、そういうものを差し引いた額、さらに支払い繰り延べ等の繰越額。
そうすると、さっきいった四百二十五億が赤という、十五年度ではそういうことです。
これがずっと昭和四十五年から載っているんですけれども、今、私がちょっとその中身、これも──その資料要求として要求していたのはそのことなんです。

十年間ということで、きょうは今まだその資料が出されておりませんけれども、とりあえず金額が出ているわけですから、その内訳もわかるはずだというふうに思うので、一番膨れ上がった一千八十五億という支払い繰り延べが発生しております。

その前の年は六十一億なんですね。
ですから、その十年からの一千八十五億以降、この十五年度までの内訳、お示しください。

山本契約調整担当部長
支払い繰り延べ及び事業繰り越しの合計額を平成十年度から申し上げます。  平成十年度一千八十五億、十一年度九百三十二億、十二年度八百六十九億、十三年度八百十二億、十四年度六百六十五億、十五年度四百七十七億となっております。

松村委員
その内訳をお願いします。

熊野主計部長
十年度事業繰り越しが四十六億、支払い繰り延べが一千四十一億、十一年度は事業繰り越しが三億、支払い繰り延べが九百二十八億、十二年度が事業繰り越しが百四十九億、支払い繰り延べが七百二十億、十三年度が事業繰り越し二百四十億、支払い繰り延べ五百七十二億、十四年度事業繰り越し百三十九億、支払い繰り延べ五百二十六億、十五年度事業繰り越し十億、支払い繰り延べ四百六十七億、端数がちょっと違うかもしれませんが、以上となっております。

松村委員
時間をとらせて恐縮なんですけれども、その支払い、私がいったのは内訳なんですよね。

支払い繰り延べの金額じゃなくて、支払い繰り延べの主な中身というか、その内訳が何なのかということが聞きたいポイントなんです。
わかっていると思いますけれども。

熊野主計部長
支払い繰り延べの内容は、税の還付未済と公営企業会計支出金の支払い繰り延べでございます。
 金額を申し上げた方がよろしいでしょうか。

松村委員
じゃ、十年のと、一千億円のときのどこの、公営企業会計か、また、その会計のうちの中身は何なのか、主なものでいいですよ。

それで、十五年なら十五年。

熊野主計部長
十年度の支払い繰り延べ額を申し上げます。
 病院会計八十七億、中央卸売市場会計十四億、交通事業会計三十三億、高速電車事業会計四十一億、水道事業会計十億、工業用水道事業会計三億、下水道事業会計八百十二億、合計一千億でございます。

(松村委員「十五年は」と呼ぶ)十五年、病院会計三十七億、中央卸売市場会計五億、交通事業会計十六億、高速電車事業会計七億、水道事業会計六億、下水道事業会計三百七十七億、合計四百四十八億となっております。

松村委員
もちろん金額があるから今お答えがあった内訳があるんですね。

それを何度もこの間求めているのに速やかに出していただけないというのは、審議を適切に効率的に進める上でも、私は非常に障害になると思いますし、速やかにその数字を出していただきたいというふうに思います。

 今お聞きすると、結局、支払い繰り延べが公営企業会計の支出金で、どうやら主なものを見ますと、下水道が圧倒的に多い。平成十年は八百十四億、現在、平成十五年でも三百七十七億の支払い繰り延べがあるといいますけれども、これはどういう性格のものなんでしょうか。

熊野主計部長
ご案内のとおり、下水道事業会計には管渠とか、あるいは処理場の建設費の六割相当、起債の償還の六割相当を雨水分として一般会計が負担しておりますので、主にはそれでございます。

松村委員
雨水処理分だと。

そのことは私どもも一般会計から──下水道という公営企業が本来やる仕事以上の都民の水害を救出するとかいうことで一般会計の支出を出している、我々もそれに対しては賛成をしているという立場でありますけれども、他会計の今いった繰り延べだけでも今の額ですから、やはり膨大にあります。

絶えずこれについては本当に公営企業会計、特にそれは独立採算性で、そういう原則であります。ただ、都民施策とか、必要な政策判断においては一般会計から支出するということも認められております。

 絶えず精査が必要だというふうに思いますけれども、既に財源のやりくりで、十年に一千億円、しかもその多額が八百十四億、一応というか、取り決めでは従来どおりのそういう額に対して八百十四億繰り延べたということですけれども、以来それがずっと続いてきている。少しずつはこれは減らしているんでしょうけれども、本当に今これで、こういう財政的な厳しい中で、そういうものに対する精査検討といいますか、行われているのかどうか。

 または実際この公営企業会計独立でやりくりしながら、そういう支出金がなくて、ずっと続いてやり得るというのも、逆に私はそれでもやれるんじゃないかというような感じも持つわけでありますけれども、その点、こういう支払い繰り延べで毎年ずっと引きずっているわけですよね、どういう考えなんですか。

清算しようとか思えば、もしそれがどうしても都民のために必要だというか、公営企業会計はそのために成り立たないと、料金値上げだとか、そういう場合には速やかに即刻こういう繰り延べとか、本来、一般会計が持つべきものは、処理すべきものではないでしょうか。なぜこういう額が、当時、一般財源のやりくりで一千億円出したということはわかりますけれども、この点についての財務局の考え方を聞きたいと思います。

熊野主計部長
下水道事業会計に対する支払い繰り延べにつきましては、下水道事業会計とよく協議の上、下水道事業会計の資金繰りに支障を来さない範囲でお願いしているところでございまして、これは将来にお支払いすることについては間違いなくお支払いしたいと考えております。

松村委員
いえることは、結局、そういう一時大きく公営企業会計に支障がないからと。
だから、そういうルールというか、これもさかのぼれば──もっと後で私、別のときに論議したいと思いますけれども、そういうルールがあってつくられてきたけれども、実際には公営企業会計の中身を見れば余裕があるじゃないか、できるじゃないかということで、一般会計が厳しいから、そういう支出、支払いを繰り延べているということだというふうに思うんですよね。

 ですから、もしそれが本当に必要だという判断だったら、公営企業は大変なんだから、払うべきものは払わなければいけない。しかし、そういうことをやらないで済む。

または、今のこういう他会計への支出金などシーリングかけて、病院会計含めてどんどん減らしておりますよね。

そういう予算のやりくりというか、財政上は本当に可能だと。
だから、いってみれば、このこと、この額ですよね、四百四十八億円、そのうち三百七十七億円が下水道会計の雨水処理分の、本来ずっと以前に約束した仕組みからはこういう額を払わなければいけないんだけれども、それはまだ支払いませんよと。

いつか支払いますよといいながら、残っている額が下水道の三百七十七億円初め四百四十八億円だと。
これでもって差し引くから赤字なんだと。
今、東京都の財政は六年連続で赤字をつくり出している。

だから、都民に我慢を負担をというような、本当にそういう性格のものなんだろうかということを、私は改めて今度の決算を分析して感じました。  この点についてはいかがでしょうか。

熊野主計部長
公営企業会計に対する支出金を支払い繰り延べにしているのは、当然おわかりのとおり、財源がないからでございまして、財源があれば当然のことながら支払いたいと思っております。

したがって、もしご提案のように即刻支払えということであれば、どのように財源を捻出するのか、ぜひご指摘いただければと思います。

松村委員
 だから、本当に他会計の支出金を今の東京都の財政の範囲内では、予算に余裕があればもっと公営企業会計を応援する、支援するということもありますけれども、やはり私たちが今、公営企業会計を見ても、本当にむだに、必要のない設備だとか、各会計でやっている。

本当にそういうことを公営企業会計は一方でやりながら──全部の公営企業ではありませんよ、苦労してやっているところもあります、必要だというのも……。
 しかし、そういう中で、なぜ今、東京都の一般会計が苦しくて、本当にわずかながらの福祉予算を、お金がないんだ、赤字なんだというので切り込みながら、一方、そういうところもきちっと精査しないで他会計に対する支払いが繰り延べられているんだ。
だから、将来もこれはあるんだということで、それでもってこの決算、赤字だなんていうことは、本当に都民に対しての正確な説明なのでしょうか。

 あわせて、じゃ、どういう財政──支払い繰り延べを解消するためには、何か提案があったらいってほしいということなんですけれども、最終補正、これについては資料をいただきました。平成十五年度の最終補正は一千八百七十億組んでおりますよね。

大体、予算を組む主税局というか財務局として、そもそも予算は歳入歳出がありますよね、それが赤字になるなんていうのは、予算を立てる、そういう責任も同時に問われるんじゃないですか。

だから、その年度の末になって、全体を見て、本当に赤字の決算などにならないようにということで、もし今いった、まだこういう繰り延べなどで──これは、だって、皆さん、連続してやってきているわけですから。

また、こういう支払い繰り延べを行えば、赤字決算になるということは重々判断がつくわけでしょう、その時点で。

 じゃ、なぜ最終補正──私の提案ですよ、最終補正などにおいてそういうものを解消する、そういう努力をしないんでしょうか。

熊野主計部長
>前段で先生から、公営企業会計支出金に対して全然手がつけられていないというふうな発言がありましたが、それは私どもとしては承服しかねる。

(松村委員「そんなことはいっていません」と呼ぶ)

いや、おっしゃいました。

(松村委員「もう一回いいます」と呼ぶ)

おっしゃいました。
 我々は、公営企業会計支出金は繰り出し基準に基づいてやっておりますけれども、それは毎年毎年見直しております。

したがいまして、そういうご指摘は承服しかねるということを、まず申し上げておきます。

 それから、最終補正でこういった支払い繰り延べを解消すべきだというふうなご指摘でございますが、これも先ほど答弁申し上げたとおり、財源があれば、我々は予算を組んでちゃんと支払います。

財源の手当てがないから、公営企業にお願いして、その資金の回しの関係で、支障がない範囲で支払い繰り延べをお願いをしているところでございます。

松村委員
財源がないといっても一千八百七十億、ことしの最終補正でも組んでおります。
我々は、じゃ、どういう最終補正の中身なのか。必要もない、皆さん方にとっては緊急の課題といいながらも、多くは都市再生などに連担し、しかも当初予算で組めるものすら十六年度と一体となった予算で、そういう都市再生や大型公共事業などの予算は減らしたくないという、そういうような皆さん方の考え、思いもあるでしょう。

同時に、こちらにとってはそんなのは不要不急で、もし必要があれば十五年度予算で組める。

わざわざ十五年度の最終で大きな事業を組んで、ほとんどが執行できないで、逆に繰り延べたりしているのが最近多いじゃありませんか。
 そういう予算のやりくりの中で、当然もし公営企業会計で、今見直しているといいましたけれども、その上に立っても、なおかつ必要なものというふうに判断するんだったら、やはりそれは即刻解消すると、そういう補正予算は幾らでも組めるじゃありませんか。

熊野主計部長
最終補正に組みました事業が必要か必要でないかというのは、それは見解の相違だろうと思います。

我々は、補正予算で組んだ事業は、すべて都民生活の上で必要不可欠だということで補正予算を組んでおります。

そういった点で公営企業会計の支出金は、支払い繰り延べにしても、公営企業会計の資金繰りが回っている以上は都民生活に大きな影響はないということで、私どもは支払い繰り延べに回しているわけでございまして、最終補正の事業はすべて緊急かつ必要な事業であると。

 それから、すべて、大半が繰り越しになるというふうなご指摘がございましたが、それは時間的な関係でそういうこともあろうかと思いますが、最終補正で組むことによって契約はその時点でできるわけでございますので、中小企業はそれによってどれだけ助かっているかということも考えていただきたいと思います。

松村委員
中小企業のために取っていただくんだったら、私も大変喜ばしく、大賛成です。
しかし、今度の最終補正の中で、じゃ、どのぐらいが中小企業予算なのか、大企業なのか、今度ぜひその資料を出していただきたいというふうに思いますし、それは当初予算だって十分組めるものがいっぱいありますよ。

待つこともできる。
大体、単年度予算ですから。
そういうことをやらないで、やる。
または、直轄事業だとか、首都高の出資金や貸付金も、余りいいませんけれども、そういうことに対しても精査できます。

 私は、この支払い繰り延べの下水道だって、将来にわたって必要なくなるかもしれません。

結局、それがなくてもやりくりできるし、雨水は今までのそういう形でできるんだということになれば、これは一般会計から出さなくて、公営企業会計もあわせて努力をすべきですよ。
合流下水道方式とか、仲間に入りませんけれども、いろいろあるんですよ、形として。
同時に雨水処理といっても、分流とは違って処理しているやり方もあるから、いつまでもそういう雨水の当初の支払いの約束が本当に妥当なものかどうかも検討しなければわかりませんけれども、きょうはそこまで私は議論をするつもりはありませんけれども、じゃ、これは必要だ必要だといっているのも、将来にわたって必要な財源じゃなくなるかもしれない。

しかし、それをもって赤字だと、そういう支払いがあるから十五年度はそれでもって赤字なんだということは、私は到底納得できませんし、恐らくこの議論は都民も納得しないし、私に軍配を上げるだろうというふうに思いますから。

 本当に他会計の借入金などを──努力をしているし、返していないとはいいませんよ。
本当にちょびちょびですよ。
ちょびちょび返して、いつまでも引っ張っていれば、永久に赤字だということをいい続けることができるということじゃないですか。

逆の立場でいえば、それは財務当局、財政当局にとっても非常に不名誉なことだというふうに、私ははっきり申し上げたいというふうに思うんですよ。
 だから、そういう必要なものはこれだけの──例えば年度で、ことしも都税収入は当初見込んでいたよりも増収になったとか、後でもちょっと歳入のところで触れたいと思いますけれども、いろんな要因があるんですよ。

当初見込んでいたよりも、当初予算のときよりもふえたとか、そのためには退職手当債も発行しないで済んだとか、いろんなことがあるじゃないですか。

そういうものをきちっと見ながら、最終補正予算で決算は赤字にならない、そういう努力をとるのが、私は最後にこの際、財務当局の重要な役割だということも意見を述べて、次に進みたいと思います。

 財源不足の問題という点についても伺わさせていただきます。
これについても、歳入は、予算現額に対し収入済額はどうなったでしょうか。
増減の主なものを示していただきたいと思います。

熊野主計部長
 お答えする前に、先ほどのまた蒸し返しになりますが、下水の事業費は将来払わなくてもいい可能性が出てくるというふうなことを先生はおっしゃいましたが、そういうことは決してありませんで、この下水に対する繰出金は過去の起債の償還に充てる財源でございますので、そういうことはありません。

 それから、下水の事業自体の見直し、病院会計等々の経営改善をごらんいただくとわかるように、各公営企業会計の事業の見直しについても着々とやっておりますということを、まず申し上げたいと思います。

 それから、歳入について収入率で悪いものを申し上げますと、国庫支出金が八九・三%、財産収入が五三・〇%、都債が八一・三%、こういうふうになっております。

松村委員
国庫支出金で今パーセントでありましたけれども、五百三十一億円の当初の収入見込みというか、現額に対して減っておりますよね。
この国庫支出金を、多くは踏み込みませんけれども、五百三十一億円の中には特別養護老人ホームとか在宅福祉事業、高齢者保健福祉施設等、施設整備助成等の実績による減とか、特殊疾病医療とか、本来一番都民が求めている切実な、そういう施設建設などが進まないで、百億円近い国庫からの支出金の減になっているというようなものもあります。

こういうところもしっかり事業をやることによって、そういう入るべき収入というのは確保すべきだと。もちろんそれが一定のこの歳出見合いになりますけれども、やはりきちっと、後で不用額も触れたいと思いますけれども、そういう事業をやるような問題でありますし、それから財産収入という点においても、当初見込んでいた予算一千百一億が、実際には五百十七億見込み違いというか、土地の売り払い、売れなかったとか、そういうのがある。

 これもずっと推移を私、調べてみたら、やっぱり予算の現額では物すごく多く見積もっているんですね。
それだけ努力しようということはわかりますけれども、それが五割程度しか、ずっと続いてきている。
もちろん中には三百幾らというものが見込みよりも余計入ったという年度も一年ありましたけれども、大体、予算の見込みというのが多くて、結局、それでもって穴があくといってはおかしいけれども、努力は認めるんですよ、そしてまた、相手があることだから、なかなか不動産売り払いといってもできないんだけれども、やっぱり年度当初にどのぐらいの確保、いろんな話し合ってきた契約寸前だとか、いろんなことがあると私は思うんですよ。

つかみで予算を立てて、穴があいたからといって、どこかにそのしわ寄せをしちゃおうなんていうことは到底できませんし、ないことだと思うんですけれども、もっとここら辺のところ、しっかり精査すべきであります。

 それから都債、これも当初の予算見込みに比べて一千七億円余の都債を発行していない。
私どもやはり、将来借金が残るからというので、都債は極力抑えるべきだと思いますけれども、これも必要な予算を立てて、これだけの歳出をやろうというので立てた以上は、しっかりそこに向かってやる。

ただ、退職手当債三百億円あります。
出さないにこしたことはありませんけれども、しかし、一方においては大変な財源不足だといって歳出をぎりぎり切り詰めている中で、予定していたものすら出さないで、それで帳じり締めてみたら、赤字になっていましたなんていうことは、果たしてこれも本当に都民にいえることでしょうか。

 また、都債の中には退職手当債だけではありません。社会資本整備──これは繰入金でした、いいです。

 そういうこと等見れば、もっときちっとこの点については努力すべき問題ではないか。
結局、収入予定と実際、収入済額が、だって二千二百三十三億ですよ、不足したというのが。
だから、今、主な中身をいってもらいましたけれども、確かにやむを得ないというか、そういう努力をしている面も多々ありますけれども、しかし、この点についても大いに今後改善していただきたい。

 それから三点目に、多額の不用額一千八百三十六億円出しております。
これもどういう不用額かをお答えいただきたいんですけれども、所管局じゃないということなので、決算書を見ればわかりますので、ちょっと私の方からいわせていただければ、この決算参考資料の三一ページに、不用額の各款別の一覧があります。

これを見ても、福祉費はことしもというか、五百億弱、四百九十四億円も不用額を出していますね。

次に多いのが土木費、土木費は百七十四億円ですよ。
福祉費よりももっと予算総額は、倍とはいいませんけれども、失礼しました、ほぼ同じぐらいですか、土木費の方がやっぱり多いわけですけれども、実際の不用額は福祉費の五百億に対して百七十四億。

あと健康費なども百三十一億円、合わせると不用額が一千八百三十六億円、こういう多額の不用額がつくり出されていますけれども、そこで、お伺いします。

平成十六年度への繰越金は幾らと予想されていますか。

熊野主計部長
 平成十六年度の繰越金は、十五年度の決算の形式収支が百九十二億円で、翌年度へ繰り越すべき財源が百四十億円でございますので、一般会計のいわゆる出納で調整しております実質収支の五十二億円が繰越金として使用可能な財源となっております。

 それから、いろいろ歳入欠陥のお話とか、執行残のお話がございましたが、釈迦に説法になりますけれども、予算というのはいろんな性格がございまして、一つは政策の表現であるというのはご案内のとおりなんですが、事業費の見積もりであると同時に、ある程度来年度の目標額みたいな性格もございます。
そういった関係で申し上げますと、例えば歳出面でいいますと、百億の道路工事を見積もっておりまして、入札したら九十億になった。

そうすると、その二分の一は国庫ですから、当然国庫も五十億予定していたんだけれども、四十五億になるわけです。

そうすると、歳入欠陥が五億として出てくるわけです。

事業費としては十億執行残として残るわけです。
 そういうことですので、例えば福祉で申し上げますと、老人医療費もいろんな積算の方法がございまして、過去五年間の平均とったり、いろいろ伸び率を掛けたり、いろいろ工夫してやっておりますが、その年度、例えばインフルエンザがはやると老人の方がいっぱい病院へ行って、執行残が出ないのです。

ところが、インフルエンザなんかの流行がないと執行残が出るのです。

そういう事業執行の結果でございますので、財産収入なんかはある程度努力しなければいけないと思っておりますが、いずれにしろ一生懸命事業した結果その執行残が出、それに伴って歳入欠陥と申しますか、先ほどの道路の例で申し上げれば、国庫も減るし、起債の充当も減る、そういうこともございますので、この歳入欠陥、あるいは執行残をもって事業の進捗云々ということは適切ではないかと思っております。

松村委員
 私も詳しく触れませんけれども、今の国庫支出金、その事業見合いで当然減るんだという、そういうものもあります。

でも、例えばこの十五年度決算で街路整備などの不用額は三十億ですよ。

ところが、この都債、百五十二億円出していないのです。

そうすると、逆にこういうことだっていえるわけでしょう、本来そういう街路事業とか、そういうものは都債が活用できるけれども、都債を活用しないで一般財源に振りかえた。

だから、不用額は、つまり執行残が少ないにもかかわらず、都債の手当てが少なく済んだということだってあるんですよ、具体的に。そういうことだっていえるということだから、一概に、国庫支出金の場合などもほかの例で見て、幾ら福祉、特養とか、ほかの予算で、それが執行残になって都債が減ったと、執行見合いで自動的にその歳入の方も減るなんていうような、そんな単純なものではないと、今のご答弁に対してはそのように反論しておきたいというふうに思うんです。

 それにしても今お答えがあった繰越金、これは今の部長のお答えと私の認識の数字とはちょっと違うので、後でそれは精査したいと思いますけれども、この決算書の総括を見れば、歳入済額が五兆九千九百十一億円で、歳出済額が五兆九千七百十九億円で、差し引きが百九十二億円の剰余金ですよね。

それから繰越明許とか繰越額、これを都債とか、いろいろ差し引いた現ナマ部分でいくと、出納長が出しているその数字、今ちょっと資料を出すのは時間があれですから、差し引くと、大体それはこの百九十二億円の見合いで繰越金が発生する。

当初は科目存置ですから、恐らく補正で十六年度の歳入に入る、こういう仕組みになっていることは私も承知しております。

 いずれにしても、私が何をいいたいかというと、不用額がこの十五年度では一千八百三十六億余なんですよね。

一千八百三十六億不用額が出て、じゃ、都民は思いますよ、普通だったらそれが繰り越されて、来年にはもっと重要なあれに使ってくれるのかなと思ったら、繰越金は今いった額なんですよね、百九十何億。

 私がお聞きしたいことは、この一千八百三十六億円の不用額となりながら、繰越金はわずかです。
では、会計上どう処理されているというのでしょうか。

熊野主計部長
 お答えの前に、また起債に、一般財源を回して起債を落としているんではないかというふうなことをおっしゃいましたが、今のところ、その充当率で、都債は財源がない中で発行しております。

 それから、退職手当債の話もございまして、ああいうのを発行せずに赤字を膨らましているんじゃないかというご指摘もございましたが、これはちょっと技術的な問題になりますが、退職手当債については総務省の許可の方針として、減収補てん債を優先的に発行しなさいというふうな指導がございますので、退職手当債から減収補てん債に振りかえて発行した経緯がございまして、その分、予算に計上したものは発行してございます。

 ということを申し上げて、繰り越しのお話に移らせていただきますが、ご指摘のとおり、執行残が千八百三十七億出ています。そのかわり、先ほど申しましたように、執行状況に見合って歳入欠陥が二千二百三十四億出ております。

したがって、当然のことながら、その差額が形式収支ということになるんですが、その百九十二億の形式収支のうち、これは単純に申し上げれば、現金として余った金です。
そのうち制度繰り越しとして、いわゆる事故繰越、繰越明許、これに充てた、これの事業費として一般財源が百四十億必要ですので、これは百九十二億余ってますけれども、これは翌年度に繰り越して、その事業に充てなければいけないという拘束された金ですので、残りの五十二億が実際にはフリーな現金だ。

したがいまして、これを十六年度に入りまして、補正予算の中で歳入予算として計上して、使途はどうなるかわかりませんが、歳入予算として計上していく、こういう仕組みになっております。

松村委員
 今の答弁からも明確なように、不用額は結局、歳入不足、この二千二百三十三億円に、いわばのみ込まれてしまったんですね、そういうことです。

私、この点は──しかも、その結果、さっきの最終補正予算などで、多額のそういう都市再生絡みの本当に不要不急の大型公共事業だとか、それが社会資本整備で必要だといって、そういう歳出面においては最終を見れば、そういうところにやっぱり回っているということもいえなくないわけです。

 そういう点では都民の福祉や暮らしにかかわる予算は、予算を組むときには財政が厳しいと抑え込まれて、少なくなった。その予算がさらに執行を厳しく抑えられ、多額の不用額が生まれている。生まれたら財源不足額に結局、相殺されるというか、のみ込まれてしまう。そして、今いったように、しかも財源不足といいながらも、最終補正予算は福祉や暮らしより大型開発予算である。

このことからも、都市再生のために結局は都民に必要な予算が犠牲になっているということが、私は十五年度決算の分析を通じても明らかになってきたというふうに確信していえると思います。

 今回の質疑を通じて明らかになったことは、つくられたといえるような赤字論で、都民の要望は抑えつけられ、年間を通じては福祉関係などが多額の不用額を生み、大型開発予算にのみ込まれるということになり、次年度の予算を組むときにはこういう転換を強く求めて、質疑を終わりたいと思います。

松澤財務局長
今までの質疑をちょっとお聞きしますと、何か決算を私どもが粉飾しているような、こういうふうにちょっと聞こえるわけでございますが、決してそういうことではございません。

基本的には決算統計のルールに基づいて普通会計決算、あるいは我々財務局の一般会計決算をやっておりますし、出納の方はまた出納のルールの中でやっておりますので、特に今お話しの出ました制度繰り越しの方は出納の方の決算出ますけど、そのほかの支払い繰り延べは普通会計決算も含めまして、これは全国一律に総務省が決めた基準の中のルールに従ってやっている決算でございますので、決して間違っている決算ではございません。

 なぜそういう決算をしているかと申し上げますと、やはり決算統計上は、実態に近い決算といいますか、もっと発生主義を導入した方がいろんな面で数字がわかりやすく、それから正確に出てくるということもありまして、決算統計上はこういう支払い繰り延べを入れてやっている。

これがまさに逆にいうと、会計でいえば、純粋な決算の実態ということでございます。
したがいまして、どうも繰り返しになりますが、先生のおっしゃっているようなことでやっているということではございません。

 それからもう一つ、お話を聞きますと、何か歳入が入らないので歳出を抑えているような、そういう執行だというようなお話もございましたが、これは私ども、全く逆でございまして、歳出を執行することについては、都民にお約束した歳出予算を補正予算も含めて完全にやっていくということでやってきた中で、先ほどお話しがありましたように、いろんな契約の差金で不用額が出たり、それから事業を執行していく上でいろんな条件が整わなくて、なかなか執行できなかったり、そういうものが最終的に不用額として毎年、大体執行率が九六とか九七ですから、どうしても東京都の場合三%とか四%ぐらいは、毎年大きなロットですから、歳出の方で不用額が出てくる、こういう状況がございます。

 これに対しまして、先ほど主計部長がお話ししましたように、当然歳出に伴うものは財源が張りついていますから、投資的な経費については国庫支出金であるとか、それから都債が当然それだけ要らなくなるといいますか、不用になりますから、そのお金は当初見込んだよりは少なくなる。

そういうようなことも全部連動して、この決算というのは歳入歳出あわせてやっておりますので、この点については十分ご理解をいただきたいと思います。
 以上です。

山加朱美
 速記をとめてください。
   〔速記中止〕 

じゃ、速記どうぞ。

松村委員
ちょっと私、終わりますといったのは、この項については終わりますといって、一たん資料を……
(発言する者あり)、いや、そうですよ、通告というか、財務局も知っているとおり、これから一次プランの総括をあと残りの時間でやろうと思っているんですよ。

だから──認めていただいて、ありがとうございました。
 それで、今の点ですけれども、この決算を通じた、私どもも決算分析をやってみました。

その実態を通じて、実質収支は黒字だけれども、財務局の方の普通決算会計上は認められている支払い繰り延べがあるから、それで赤だといっている。だから、その実態の、じゃ、支払いを繰り延べられているという実態は何かということを見て、どういう中身かを見て、私は都民に判断してもらいたい。

皆さん方は赤字赤字だ、六年連続赤字だということを盛んに、逆にあおり立てるような形で、そのことだけが都民には先行している。しかし、そういっている赤字という実態の中身は何なのかということを通じて、こういうことがいえるということを明らかにしたんであって、私は、今の部長も含めて、何かいうことについては、今の点で反論しておきたいというふうに思います。

 それにしても、私は、資料要求、きちっと正確に、こんな時間をとらなくても、その資料を出していただければ、直ちに下水道がこのぐらいだということをもっと深められた議論ができるのに、それを出さないということを逆に強く、それは局間の手違いか何か知りませんけれども、明確にこの分科会での資料要求として要望したことに間違いないわけですから、受けとめていただきたいと思います。

 この一次プランは、今現在、二次が始まっていますし、平成十五年度はこの一次プランの最終年度でした。ですから、やっぱりそれがどうなったのか、決算からもしっかりこの一次プランを総括することが大事だと思います。

計画というか、そういうものを出しっ放しで、やりっ放しといっては失礼ですけれども、そのままじゃいけないし、そういう点では当然皆さん方の中でも総括というか、まとめていらっしゃるというふうに思うんです。

 しかし、この問題についても、これは委員会の要求資料にしませんでしたけれども、いろいろと財務局と私が質疑できるような資料や数値を求めたんですけれども、残念ながらそういうものも入っていないので、この点については、私はまだ、あと財政委員会にも所属しておりますので、二次プランも含めて、今後の財政方針については質疑をさせていただきたいということを、財務局の方には述べまして、質問を終わりたいというふうに思います。

山加朱美
 ほかに発言がなければ、お諮りいたします。
 本件に対する質疑はこれをもって終了いたしたいと思いますが、これにご異議ありませんか。
   〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕 

異議なしと認め、本件に対する質疑は終了いたしました。
以上で財務局関係を終わります。
これをもちまして本日の分科会を閉会いたします。

各会計決算特別委員会第一分科会第四号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/special-accountiong/2004-14.html


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