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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2023年11月16日 令和5年厚生委員会

山加朱美
 佐藤局長、力強いリーダーシップを発揮していただきまして、大変多岐にわたる幅広い都民福祉、そしてまた幸せの向上に、それぞれの担当部署の皆様が全力で汗をかいていただいておりますことに、心から敬意を表したいと思います。
 今日は、私も二〇〇一年に初当選、この厚生委員会が一番長いんですが、私自身も様々な角度から発信をし、また提案をさせていただきました。
 私自身は、人生の中で中途障害を体験いたしております。そんな中から、不慮の、そして、納得のできない不条理な事故や病気によって大きな機能欠損を抱えたり、また、高齢になれば誰もが多かれ少なかれ機能欠損を抱えるわけでありますけれども、やはり、生涯誰もが一生涯福祉、それぞれの環境の中で自分自身の幸せの向上を図りながら、そして、自分自身のことですから、自助努力は、最大限の自助努力でありますが、そして、社会に出たときにみんなが支え合う共生社会、真の共生社会の実現、そして最後は、公助が支えていただかなければなりません。
 そんな中から、この委員会におきまして様々な発信をさせていただいてまいりましたが、先ほども斉藤副委員長がインクルーシブ、みんなで支え合う共生社会、そしてまた、障害当事者からの発信が大変力強いという意見もございましたけれども、私も障害当事者の立場の中から、外からは分かりにくい、また配慮の必要な、これを(実物を示す)二〇一二年にヘルプマークを予算特別委員会から発信をさせていただきました。
 昨年の事務事業でもこの質疑をさせていただきましたけれども、二〇一七年、これが日本の新しいJISのマークに追加をされまして、そして、現在では四十七都道府県、日本全国に広がり、そして、この商標登録を持つのが東京都であります。
 今日は少々厳しいことも申し上げるかもしれませんが、ぜひ前向きな答弁をいただきたいと思っております。
 まず、今申し上げましたヘルプマーク、人々に必要な福祉ツールのマークの一つとして、二〇一七年、国家標準規格である日本産業規格、JISの福祉マークに追加をされ、現在は四十七都道府県で導入をされ、繰り返しになりますが、その商標登録は東京都が有しているわけであります。
 確認の意味で、再度ヘルプマークの取組についてお伺いをいたします。

鈴木障害者施策推進部長
 ヘルプマークは、令和五年九月末までに累計で約五十七万六千個を配布いたしました。
 都はこれまで、ホームページでヘルプマークを広く周知するほか、駅や公共施設等へのポスターの掲示、電車やバスでの優先席やホームドアにおけるステッカーの表示、イベントやチラシの配布などを通じて普及啓発を行ってまいりました。
 また、ヘルプマークの普及に取り組む区市町村を支援するため、包括補助におきまして、ヘルプマークの製作、配布等に関する経費の二分の一を補助しております。

山加朱美
 令和五年九月現在、五十七万六千個の配布ということでありますが、紛失した方もいらっしゃると思うんですけれども、それにいたしましても、数十万人の方が、配慮が必要だということを自分自身が発信をしながら、また、何かがあったときは助け合う共生社会の実現を信じながら、社会参加をしているわけであります。
 一年、事務事業、昨年からたちました。この一年間の中で、さらなる普及啓発に取り組んでいただいたと思いますので、東京都がどのような新たな取組をこの一年間でしてきたのか、改めてお伺いいたします。

鈴木障害者施策推進部長
 昨年度末には、主要駅の既存ポスターの貼り替えを行いました。今年度は、テレビドラマとのタイアップポスターによる周知のほか、二か年にかけて都民から集めたヘルプマークを身につけた方への支援の内容を記載したポスター等を作成いたしました。
 今後とも、ヘルプマークの理解促進に向けた取組を積極的に推進してまいります。

山加朱美
 私もそのポスターをちょっと入手いたしました。様々な、このヘルプマークを身につけている方の、どんな配慮が必要なのか、そんな声が詳しく、これが全てではありませんけれども、ただ、ちょっと心配いたしますのは、ヘルプマークの認知度がまだ一〇〇%ではありませんので、やはり一〇〇%の認知があれば、このポスターですぐまた結びつくかも分かりませんが、シンボルマークの、このヘルプマークのメインのポスターとともに二枚掲示をしていただくと、さらに分かりやすいのかなと、また、認知一〇〇%に向かっても、さらに上に上がっていくのかなというふうに思いますので、よろしくお願いいたします。
 今申し上げましたけれども、真の共生社会の実現を目指すためには、ヘルプマークの認知度一〇〇%を目指すことが必須であると思っております。取組の推進、重要性も昨年申し上げましたけれども、そのための取組、改めてお伺いいたします。

鈴木障害者施策推進部長
 令和三年度に実施したインターネット都政モニターアンケートによりますと、ヘルプマークについて意味も含めて知っていた方は六四・九%でございました。
 全ての都民が共に暮らす共生社会を実現するためには、障害のある人もない人もお互いに尊重し支え合う心のバリアフリーの考えが広がることが重要でございます。
 今後とも、都営交通等、局を超えた連携をはじめ、区市町村へのきめ細かな協力依頼、また事業者団体への周知など様々な機会を捉えて、お示しいただいたポスターなどの媒体も活用しながら、より具体的、効果的な普及啓発に取り組みまして、ヘルプマークの認知度向上に努めるとともに、社会に定着させてまいります。

山加朱美
 令和三年度の数字が六四・九%ですから、もう少し上がっているかもしれませんけれども、いずれにいたしましても、都政モニターのアンケート調査結果は、まだきちんと意味を理解していないという方は四割であります。
 恐らく、このマークを見たことがある、知っている、深い意味まではまだ理解をしていないけれども、ポスターを目にしたことがある、そんな方を含めれば八割方という数字が出てくると思いますけど、ヘルプマークを身につけている人が助けを求めたとき、適切な支援をしていただくには、周りの人々がヘルプマークの意味まで理解をしていることが重要であります。
 私は、まだまだ理解促進の普及啓発が足りないと思いますので、しっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 また、支援の手法について、障害に関するシンボルマークであるこのヘルプマークの裏に、私は、人工股関節、そして変形性膝関節症を有しておりますので、股関節財団が無料で発行しているこのヘルプマークに合わせたシールを作ってくれています。これは無料配布されていますので、誰でも入手できますが、そのシールを貼っていることがあります。
 同じくJISになっているマークの中で、障害者のマークであったり、二〇二五年には、聴覚に障害のある方たちが社会参加をするに当たって不自由な思いをすることがないように、JISに入っている聴覚の不自由なマークを貼る、そんなのも、それぞれの区でも単独でやっているところがあると思うんですが、やはり商標登録を持つ東京都として全体につながる、そんなシールを改めて貼れるように、これもJISのマークであるわけですから、JISに追加されているマーク等をここに貼っていくと分かりやすいのかなというふうに思いますので、ぜひ工夫をした取組も検討していただきたいと思います。
 また、一方で、ヘルプマークの転売等の問題については、商標登録を持っている都が無償で配布していること、このことを正しく啓発していくとともに、しっかりと監視もしていくべきことを毎回申し上げておりますが、重ねてお願い申し上げます。
 また、転売だけでなく、様々なヘルプマークの使用許可についても同様であります。私も時々見るんですが、チラシの中に東京都の許可をいただいておりますという一行が入っているんですが、やはりそれは一つのステータスになっているようでありますが、許可をした後、その団体が悪質な寄附金集めや物品販売を行っていないかどうか、許可をした以上はしっかりと見守っていただき、商標登録を持つ都としての重責を果たしていただきたいなと思います。
 いい換えれば、厳しいいい方かもしれませんが、安易なヘルプマークの使用許可をすべきではないと申し上げております。
 また、ヘルプマークは、冒頭申し上げましたようにJIS記号の一つであります。JISには、国際標準化機構、ISO、国家基準に準じ公共の福祉の増進に寄与することを目的とし、事業者間の国際標準化の促進に向けた努力義務規定も含まれております。
 ぜひ、二〇二五年デフリンピックを控えて、真の共生社会実現のために、所管局としてさらなるご努力をご期待申し上げたいと思います。
 次に、優先駐車区画の拡充について伺います。
 バリアフリー法による整備が進められている車椅子使用者等、障害手帳を有する方が利用することのできる少し幅の広い障害者優先の駐車場というのがあります。これは、私も障害手帳を有しておりますので、この障害手帳を有している方が、所管の、自分が住んでいる居住区の警察に行きまして申請をいたしますと、この駐車禁止除外指定証、歩行困難者使用中という、この証書を発行していただけます。
 これは四年間有効でありますけれども、また四年たったら更新をするわけでありますが、大体機能欠損を持っていますと、自分の機能がよくなるということはあまりありません。大体は継続になってしまうと思うんですが、障害者の駐車場というのは車椅子マークで知られていますが、あれは障害者用の駐車場ですが、そこは障害手帳を有する、そしてこの使用許可を持っている方が優先的に必ず止められるということではありません、空いていない場合もありますので。
 そういう駐車場でありますけれども、なかなか必要としている人が止めようとしたときに、そこにぽっと健康な方が止められている場合もありますので、真に必要な人が利用できない状況が発生していること、適正利用について、私は長年問題に思ってまいりました。
 先ほど申し上げた車椅子マークで知られる障害者優先駐車区画、そしてまた、移動に配慮が必要な人も広く対象とした優先駐車区画というのがあります。これ、ちょっと紛らわしいんですが、これは、妊産婦、障害手帳を有しないけれども移動に配慮の必要な方々、ヘルプマークを所有している方などが利用しやすい駐車区画ですが、この優先駐車区画を、これも増やしていく必要があると考えております。
 そこで、さきの三定、我が党からの代表質問で、優先駐車区画について伺わせていただきました。これは、磯山副委員長も答弁調整で努力をしてくれましたが、その際、局長からは、車椅子使用者等の駐車区画の適正利用に向けた普及啓発や、優先駐車区画を推進する取組の方向性について力強い答弁があったところでございます。
 本日は事務事業質疑でありますので、具体的にお伺いをさせていただきます。
 まずは、優先駐車区画の設置を促進するため、これまでどのように取り組んできたのか伺います。

渋谷事業調整担当部長
 都は、法令で設置が義務づけられております車椅子使用者等の駐車区画とは別に、通常の区画も活用しながら、車椅子使用者ほど広いスペースを必要としない、歩行に配慮が必要な方が利用できる優先駐車区画の設置について、都独自の望ましい整備基準として、福祉のまちづくり条例施設整備マニュアルで定めております。
 また、生活に身近な公共施設等において、マニュアルに沿った設置が進むよう、包括補助により優先駐車区画の設置に取り組む区市町村を支援しております。
 さらに、民間事業者等の施設においても広く設置が進むよう、障害者等用駐車区画の適正利用に向けたガイドラインの中で、効果的な取組事例の一つとして、優先駐車区画を設置した事例を周知しております。

山加朱美
 これまでの取組については理解をいたしました。それでも、優先駐車区画の数は、私から見ますと依然、本当に少ないです。今後一層増やしていく必要があると思います。
 優先駐車区画の拡充に向けて、今後どのように取り組んでいくのか、今年度の取組の具体的な内容も含めて教えていただきたいと思います。

渋谷事業調整担当部長
 都は、障害者や高齢者、妊産婦等移動に配慮が必要な方が駐車施設を利用しやすくするよう、今年度、さきに質疑のありましたヘルプマーク等を明示した優先駐車区画用の標識を作成いたしまして、都有施設のほか、区市町村等に広く配布する予定でございます。
 公共施設等の管理者が、この標識をカラーコーン等に貼りつけて、駐車施設等の状況に応じて設置することによりまして、優先駐車区画であることを施設利用者等に明らかにすることが可能になるものと考えております。
 今後、東京二〇二五デフリンピックの開催も見据え、移動に配慮が必要な方が円滑に施設を利用できるよう、区市町村や事業者等の連絡会議等を通じて、優先駐車区画の設置をさらに働きかけてまいります。

山加朱美
 力強い答弁をいただきありがとうございます。優先駐車区画、ぜひともしっかりと取り組んでいただきたいと思います。
 また、カラーコーンの置き場所、これも障害当事者からいたしますと、車でないと現地まで行けない、また行きづらいという方が自分で運転をして現地まで行って、そして、優先的に止められれば障害者用の駐車場、もしくはこの優先駐車場の区画に止めるわけでありますが、大体は公共施設、八割方はカラーコーンが真ん中に置かれているんです。つまり、車椅子、また松葉づえ、つえ、自分で運転されれば目的地まで行けるわけでありますが、目的地に着いたときに一度下りて、そのカラーコーンを外して、もう一度乗り込んでというのは、これは健康なときに考える以上に、大変、体に負担がかかるものであります。
 大体、訳を聞きますと、そこにカラーコーンがないと関係ない人が止めてしまうからだという、そういう言い訳が非常に多いです。しかし、そこに止めないように管理者がいるわけですから、止めてしまったら、そこできちんと啓発をして、次から止めることのないように、その繰り返しが、やはり真に必要な人がそこに止められる、安全・安心に社会参加ができるということにつながっていくと思いますので、このカラーコーンの取組は大変すばらしいと思いますが、そのカラーコーンを置く場所、このようなささいなこともしっかりと皆様方のご努力によって、お願いをしたいと思っております。
 最後になります。加齢性難聴について、最後の項目をお伺いしたいと思います。
 加齢性難聴、これは特定の方が持つ障害ではなく、年齢を重ねれば誰にでも起こり得ることであります。今後、人生百年といわれる長寿社会を迎える中で、障害の有無にかかわらず、繰り返しになりますが、お互いを尊重し支え合う共生社会を推進していくためには、こうした高齢者の方々への援助や配慮がさらに必要になってまいります。
 都として、高齢者の聞こえのコミュニケーションを支援していくことは非常に重要だと考えますので、都の見解を伺います。

花本高齢者施策推進部長
 高齢者や障害者をはじめ、全ての人が必要な情報を容易に入手できる環境を整備することは重要でございます。
 このため、都は、情報伝達の際に障害特性等に応じた必要な配慮等について記載した情報バリアフリーガイドラインを策定し、区市町村や事業者が、聴力の弱い方々にとって聞こえやすい環境を整備する取組を促進しております。

山加朱美
 加齢とともに聴力が徐々に低下をし、小さな音が聞こえにくくなったり、言葉の聞き取りに影響が出てくることで日常での事故につながるおそれ、周囲とのコミュニケーションが取りにくくなることによる不安や孤独感による精神面にも悪影響が出てくると思います。
 加齢性難聴には、今のところ根本的な治療法はないということであります。補聴器装着などの適切な対応を早期に取ることが一番の方策であります。都は現在、高齢者への補聴器の支給など、加齢性難聴への対策に取り組む区市町村を包括補助で支援をしています。
 取り組んでいる区と取り組んでいない区があるようでありますが、さらに施策の充実を図り、加齢性難聴の早期発見と適切な補聴器利用を推進、行うべきと考えますが、見解を伺います。

花本高齢者施策推進部長
 都は、区市町村が高齢者への補聴器支給等事業を地域の実情に応じて柔軟に実施できるよう包括補助により支援をしており、補助実績は、平成三十年度の二自治体から、昨年度は十五自治体へと増加しております。
 補聴器を希望する方が必要な支援を受けられるよう、都は本事業を実施していない区市町村に対し補助制度の活用を働きかけるとともに、区市町村や専門家など関係者の意見も聞きながら、効果的な施策を検討してまいります。

山加朱美
 加齢とともに聴力が低下し生活に支障が生じてくる加齢性難聴は、年を重ねれば誰もがなり得る可能性があります。
 また、難聴は加齢性難聴だけでなく、年齢の有無にかかわらず環境によって生じる突発性難聴、生活環境によって平均より早く聴力低下が訪れる場合があります。生まれつきの聴覚障害と異なり、中途での難聴になりますと手話によるコミュニケーションの方法の取得もなかなか難しいと思います。
 真の共生社会実現に向け、いついかなる体の変化があろうとも、安心して社会参加のできるよう、加齢性難聴が高齢者部、難聴は障害部という、そういうことではなくて、福祉の施策支援充実に、担当部局の垣根を越えてご尽力をいただきたいと申し上げ、質問を終わります。


出典:令和5年厚生委員会 本文 2023-11-16
https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2003-14.html

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