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議会質疑

PARLIAMENTARY QUESTION

厚生委員会
2009年9月16日 平成21年厚生委員会第10号

山加朱美
 第百三十六号議案に関しまして、何点かお伺いをさせていただきます。
 私は、平成十八年の第四定例会で、当時は強毒型の鳥インフルエンザでしたが、新型インフルエンザの発生に備え、専門家や技術者は総力を結集して取り組むべきであり、そのためには、健康安全研究センターの機能を健康危機管理の拠点として整備すべきであることを主張いたしました。
 そこでまず、健康安全研究センターの整備に向けたこれまでの取り組みについてお伺いをいたします。

中谷参事
 東京都健康安全研究センターの整備状況についてでございますが、新型インフルエンザを初めとする新たな感染症の脅威や食中毒の発生など、都民の健康危機に迅速的確に対応できる体制を整備するため、平成十九年に基本構想を策定し、同年、基本計画を公表いたしました。平成二十年には基本設計を行い、本年六月には実施設計を完了いたしました。
 これまで二回の住民説明会を開催し、地域住民のご理解を得ております。早ければ年内に工事着工を予定しております。

山加朱美
 健康安全研究センターは、ただいまご答弁いただきましたように、地域住民の理解のもとに、その整備に向けた準備を着実に進めていられるようであります。
 そうした中で、今回の新型インフルエンザの発生に際し、この健康安全研究センターがどのような役割を果たしているのか、お伺いいたします。

中谷参事
 センターの役割についてでございますが、四月二十八日、WHOの新型インフルエンザ発生宣言後、いち早くアラート検査の体制を確立し、都内感染者の早期発見や集団感染の拡大防止を図っております。
 今後の流行拡大のピークに備えて、重症者のサーベイランスや都内医療機関を定点として、ウイルスの薬剤耐性に関する監視を行っております。
 また、保健所や医療機関からの情報を東京都インフルエンザ情報等にまとめ、毎週ホームページ上で更新するなど、発生状況や患者に対する情報を都民や関係機関にタイムリーに公表しております。
 さらに、大規模な集団感染の発生時には、職員を現地に派遣し、保健所と疫学調査を行って、新たな知見を都内保健所に情報提供しております。

山加朱美
 今回の新型インフルエンザ対策において、この健康安全研究センターは、今ご答弁にありましたように、ウイルスの検査法開発、また、二十四時間の検査体制、疫学情報のタイムリーな発信など大変重要な役割を果たしていると確信をいたしております。
 こうしたことを踏まえて、今後、新棟の建設に当たって、どのような機能をこれから強化されるのか伺います。

中谷参事
 センターの機能強化についてでございますが、ウイルスの遺伝子検査を行うバイオセーフティーレベル三施設を増設するなど、安全性を最優先した施設整備を行うとともに、最新の検査機器を計画的に配置するなど、試験検査機能の強化を図り、都内で発生する健康危機に迅速に対応してまいります。
 また、健康危機に関する国内外の情報を効果的に収集、解析、発信する機能を強化いたしまして、健康危機の未然防止を図ってまいります。
 これらの試験検査、情報の収集、解析、発信、さらには、調査研究や監視指導業務を一体的に行い、健康危機管理の技術的拠点として整備してまいります。

山加朱美
 都民の健康にかかわる安全と安心を確保するために、この健康安全研究センターの果たすべき役割は、今回の新型インフルエンザ対策はもとより、次々に生起する食中毒事件への対応など、今後ますます重要性が高まるものと考えられるわけであります。
 都の進める福祉保健施策を、健康危機管理の視点から科学的、技術的に支える施設として、今後とも、この健康安全研究センターの機能を一層強化し、迅速的確な事業展開が図られることを切に期待をいたしまして、質問を終わります。

出典:厚生委員会速記録第十号https://www.gikai.metro.tokyo.jp/record/welfare/2009-10.html

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